【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の状況
当社グループは、お客さまの嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客さまとともに新たなおいしさ、健やかさ、楽しさを創造し続けそれぞれの市場で最も愛される会社となることを目指すという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、品質の向上に取り組みました。また、各エリアにおいて事業構造改革を進め、収益力の強化にも取り組みました。
当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~6月30日)において、主要国の需要状況を着実に捉え、全セグメントでコアブランドへの集中活動を継続しました。日本においては、販売数量が清涼飲料市場成長(当社推定)を上回りシェアを拡大したことに加え、海外においても、主要市場において販売数量を伸長させました。
売上収益は、日本における2022年10月からのPET製品及び2023年5月からの缶製品の価格改定並びに海外における機動的な価格改定を含めたRGM(レベニューグロースマネジメント)も寄与し、全セグメントで増収となりました。
営業利益は、原材料高及び為替変動によるコスト増の影響を概ね想定通りに受ける中、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により吸収しましたが、前第2四半期連結会計期間(2022年4月1日~6月30日)において計上した事業譲渡益の反動の影響により、減益となりました。
当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~6月30日)の連結売上収益は7,491億円(前年同期比10.3%増、為替中立6.2%増)、連結営業利益は688億円(前年同期比14.4%減、為替中立18.4%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は384億円(前年同期比21.3%減、為替中立24.7%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、組織変更に伴い、従来「アジアパシフィック事業」に含めていたアフリカ事業を、第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~3月31日)より「アジアパシフィック事業」から「欧州事業」に組み替えています。これに伴い以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
[日本事業]
当第2四半期連結累計期間において、人流の回復に伴う需要増が見られる中、価格改定が継続したこと等の影響もあり、清涼飲料市場(当社推定)は前年同期を下回りました。水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心にコアブランド強化に取り組み、新商品発売やマーケティング活動が貢献した結果、販売数量は前年同期を上回り、当第2四半期連結累計期間において過去最高を達成するとともに、市場シェアを更に拡大しました。
「サントリー天然水」は、大容量及び小容量がともに前年同期を上回り、ブランド全体の販売数量が当第2四半期連結累計期間において過去最高の販売数量となりました。ミネラルウォーターの販売数量が堅調に推移したことに加え、「サントリー天然水 きりっと果実」シリーズも引き続き販売数量の増分に寄与しました。「BOSS」は、ブランド全体の販売数量が前年同期並みとなりました。新商品の「ボス カフェイン」を加えた缶製品の販売数量が堅調に推移したことに加え、「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」等の新商品も販売数量を下支えしました。「伊右衛門」は、緑茶市場全体が2022年10月からの価格改定の影響を大きく受ける中、ブランド全体の販売数量が前年同期を下回りました。2022年2月に機能性表示食品として新発売した「伊右衛門 濃い味」は、引き続き好調に推移しました。「GREEN DA・KA・RA」は、ブランド全体の販売数量が前年同期を上回り、当第2四半期連結累計期間において過去最高の販売数量となりました。2023年4月に「GREEN DA・KA・RA」本体及び「やさしい麦茶」のリニューアルを実施したことや、新商品の「やさしいルイボス」が好調に推移したことが販売数量の増分に寄与しました。
売上収益は、2022年10月及び2023年5月からの価格改定効果も寄与したことにより、増収となりました。
セグメント利益については、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により原材料高及び為替変動の影響を吸収し、増益となりました。
日本事業の売上収益は3,282億円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益は170億円(前年同期比20.8%増)となりました。
[アジアパシフィック事業]
アジアパシフィックでは、清涼飲料事業及び健康食品事業のコアブランド集中活動を継続しました。健康食品事業の回復に時間がかかっている中、清涼飲料事業は主要国において堅調に推移しました。
売上収益は、清涼飲料事業の堅調な販売数量に加え、主要市場における機動的な価格改定も寄与し、前年同期と比べ二桁以上の増収となりました。
セグメント利益については、清涼飲料事業は増収効果により原材料高等のコスト影響を吸収しましたが、健康食品事業の売上収益減少の影響を大きく受けるとともに、前第2四半期連結会計期間において計上したオセアニアのフレッシュコーヒー事業譲渡による譲渡益の反動もあり、減益となりました。
主要事業別には、ベトナムでは、景況感の悪化や前年の需要拡大の反動影響を受ける中、主力のエナジードリンク「Sting」、茶飲料「TEA+」を含め、主要ブランドの活動を強化した結果、販売数量が伸長しました。タイでは、インフレの低下や観光客需要の回復が進む中、低糖製品を含めた「PEPSI」及び「TEA+」が好調に推移し、販売数量が伸長しました。健康食品事業では、健康食品市場全体に対する消費者の需要減少の影響を大きく受ける中、主力の「BRAND’S Essence of Chicken」のマーケティング活動の徹底、販売トレンドは徐々に回復してきました。オセアニアでは、主力ブランドであるエナジードリンク「V」のマーケティング活動強化や、「BOSS」の販売数量が前年同期と比べ二桁成長したことが寄与し、引き続き販売数量が前年同期を上回りました。
アジアパシフィック事業の売上収益は1,827億円(前年同期比7.5%増、為替中立0.9%増)、セグメント利益は225億円(前年同期比44.4%減、為替中立46.7%減)となりました。
[欧州事業]
欧州では、前年の好天等による需要拡大の反動影響を受ける中、コアブランド集中活動を強化した結果、主要国において販売数量を維持しました。
売上収益は、主要国における価格改定を含めたRGM(レベニューグロースマネジメント)も寄与し増収となりました。
セグメント利益については、原材料高やエネルギー価格上昇の影響を受けましたが、売上収益の伸長及びコスト削減活動により吸収し、増益となりました。
主要国別には、フランスでは、主力ブランド「Oasis」、「Schweppes」及び「Orangina」に引き続き活動を集中しました。前第2四半期連結会計期間における好天の反動影響を受ける中、「Oasis」の販売数量は引き続き前年同期を上回りました。英国では、主力ブランド「Lucozade」の販売数量が前年同期を上回りました。「Lucozade Energy」が引き続き堅調に推移したことに加え、「Lucozade Sport」は無糖製品「Lucozade Sport Zero」が好調に推移したことも寄与し大きく伸長しました。スペインでは、天候要因の影響を大きく受ける中、主力ブランド「Schweppes」の活動を強化した結果、販売数量が前年同期並みとなりました。
欧州事業の売上収益は1,645億円(前年同期比13.7%増、為替中立6.4%増)、セグメント利益は262億円(前年同期比8.8%増、為替中立2.0%増)となりました。
[米州事業]
主力の炭酸カテゴリー及び非炭酸カテゴリーの活動強化に加えて、「Gatorade」の販路拡大が寄与し、販売数量は堅調に推移しました。売上収益は、価格改定効果も寄与し、想定を上回る進捗となりました。
セグメント利益については、売上収益の伸長により、原材料価格や人件費高騰の影響を吸収し、想定を上回る進捗となりました。
米州事業の売上収益は738億円(前年同期比26.3%増、為替中立15.2%増)、セグメント利益は94億円(前年同期比27.7%増、為替中立16.5%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、売上債権及びその他の債権の増加、無形資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,665億円増加して1兆9,499億円となりました。
負債は、仕入債務及びその他の債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ552億円増加して7,784億円となりました。
資本合計は、その他の資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,113億円増加して1兆1,714億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ168億円減少し、1,838億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益694億円、仕入債務及びその他の債務の増加410億円、減価償却費及び償却費359億円等に対し、売上債権及びその他の債権の増加480億円、棚卸資産の増加209億円等により、資金の収入は前年同四半期と比べ370億円減少し、436億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出327億円等により、資金の支出は前年同四半期と比べ235億円増加し、316億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増加215億円に対し、長期借入金の返済による支出300億円等により、資金の支出は前年同四半期と比べ41億円増加し、370億円の支出となりました。
(4) 重要性がある会計方針及び見積り
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要性がある会計方針及び見積りについて重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は45億円です。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定、又は著しく変更した主要な設備の新設計画は次のとおりです。
会社名事業所名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定金額
資金調達方法
着手及び
完了予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
着手
完了
FRUCOR SUNTORY AUSTRALIA PTY. LIMITED
オーストラリア
クイーンズランド
アジアパシフィック
飲料・酒類製造工場
39,461
12,259
自己資金
2023年
第1四半期
2025年
上半期
(注)1
Suntory PepsiCo Vietnam Beverage Pte. Ltd.
ベトナム
バクニン省
アジアパシフィック
飲料製造設備
3,308
–
自己資金
2023年
6月
2025年2月
(注)2
(注)1.完成後の清涼飲料及び酒類生産能力は、50百万ケース/年です。
2.完成後の清涼飲料生産能力の増加は、19百万ケース/年です。
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