【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績の状況
当社グループは、お客さまの嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客さまとともに新たなおいしさ、健やかさ、楽しさを創造し続けそれぞれの市場で最も愛される会社となることを目指すという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、品質の向上に取り組みました。また、各エリアにおいて事業構造改革を進め、収益力の強化にも取り組みました。
当第1四半期連結会計期間においては、日本における人流回復及び海外主要市場における需要増が継続する中、全セグメントでコアブランドへの集中活動を継続した結果、主要国において引き続き販売数量が伸長しました。
売上収益は、日本における2022年10月からのPET製品の価格改定及び海外における機動的な価格改定を含めたRGM(レベニューグロースマネジメント)が寄与し、全セグメントで増収となりました。
営業利益は、原材料高及び為替変動によるコスト増の影響を受けましたが、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により吸収し、当社グループ合計で増益となりました。
当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~3月31日)の連結売上収益は3,372億円(前年同期比13.9%増、為替中立8.4%増)、連結営業利益は264億円(前年同期比22.0%増、為替中立12.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は146億円(前年同期比18.1%増、為替中立9.3%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、組織変更に伴い、従来「アジアパシフィック事業」に含めていたアフリカ事業を、当第1四半期連結累計期間より「アジアパシフィック事業」から「欧州事業」に組み替えています。これに伴い以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
[日本事業]
2022年10月からの価格改定の影響を受ける中、人流の回復や好天の影響もあり、当第1四半期連結会計期間の飲料市場(当社推定)は前年同期並みとなりました。当社販売数量は、水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心にコアブランド強化に取り組み、新商品発売やマーケティング活動が貢献した結果、前年同期を上回り、引き続き市場シェアを拡大しました。
「サントリー天然水」は、ブランド全体の販売数量が前年同期を上回りました。ミネラルウォーターでは、大容量PET製品が価格改定の影響を受けましたが、小容量PET製品は引き続き好調に推移しました。3月に発売した「サントリー天然水 きりっと果実 ピンクグレープフルーツ&マスカット」も販売数量の増分に寄与しました。「BOSS」は、ブランド全体の販売数量が前年同期を上回りました。SOT缶が好調に推移したことに加え、3月に発売した「ボス カフェイン」も増分に寄与しました。無糖茶カテゴリーでは、「伊右衛門」は、3月にリニューアルを実施し活動を強化しましたが、大容量PET製品が価格改定の影響を大きく受けたことにより、ブランド全体の販売数量が前年同期を下回りました。「GREEN DA・KA・RA」は、昨年のリニューアル以降引き続き好調に推移していることに加え、新商品の「やさしいルイボス」が寄与したこともあり、3月単月で過去最高の販売数量を達成しました。
売上収益は、2022年10月からの価格改定効果が大きく寄与したことにより、増収となりました。
セグメント利益については、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により原材料高及び為替変動の影響を吸収し、増益となりました。
日本事業の売上収益は1,458億円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は36億円(前年同期比39.0%増)となりました。
[アジアパシフィック事業]
アジアパシフィックでは、清涼飲料事業及び健康食品事業のコアブランド集中活動を継続しました。健康食品事業の事業環境の回復に時間がかかっている中、引き続きベトナム清涼飲料事業の力強い伸長が事業を大きく牽引したことに加え、オセアニア清涼飲料事業も好調に推移しました。
売上収益は、販売数量の伸長に加え、主要市場における機動的な価格改定も寄与し、増収となりました。
セグメント利益については、健康食品事業の売上収益減少の影響を大きく受け、為替中立で減益となりました。
主要事業別には、ベトナムでは、主力のエナジードリンク「Sting」、茶飲料「TEA+」を含め、主要ブランドの販売数量が大きく伸長しました。タイでは低糖製品を含めた「PEPSI」及び「TEA+」が好調に推移し、販売数量が伸長しました。健康食品事業では、インフレ影響による需要の減少が続いている中、主力の「BRAND’S Essence of Chicken」のマーケティング活動の徹底、2022年10月のリニューアル実施などにより、販売トレンドは徐々に回復してきております。オセアニアでは、主力ブランドであるエナジードリンク「V」のマーケティング活動強化や、「BOSS」の販売数量が前年同期と比べ二桁成長したことが寄与し、ニュージーランド及びオーストラリアで引き続き販売数量が前年同期を上回りました。
アジアパシフィック事業の売上収益は899億円(前年同期比11.9%増、為替中立1.7%増)、セグメント利益は118億円(前年同期比2.9%増、為替中立6.8%減)となりました。
[欧州事業]
欧州では、主要国における堅調な需要の継続や、好天の影響を受ける中、コアブランド集中活動を強化し、フランス、英国、スペインともに販売数量が伸長しました。
売上収益は、主要国における価格改定も寄与し増収となりました。
セグメント利益については、原材料高やエネルギー価格上昇の影響を受けましたが、売上収益の伸長及びコスト削減活動により吸収し、増益となりました。
主要国別には、フランスでは、家庭用及び業務用において堅調な需要が継続しました。主力ブランド「Oasis」、「Schweppes」及び「Orangina」の販売数量が引き続き大きく伸長し、シェアを拡大しました。英国では、主力ブランド「Lucozade」及び「Ribena」が堅調に推移しました。スペインでは、好天の影響を受ける中、業務用の需要拡大が継続したことにより、主力ブランド「Schweppes」の販売数量が前年同期と比べ二桁増と大きく伸長しました。
欧州事業の売上収益は686億円(前年同期比23.0%増、為替中立16.0%増)、セグメント利益は104億円(前年同期比43.5%増、為替中立36.7%増)となりました。
[米州事業]
米州では、堅調な需要が継続する中、主力炭酸カテゴリー及び非炭酸カテゴリーの活動を強化したことに加え、「Gatorade」の販路拡大も寄与し、販売数量は堅調に推移しました。
売上収益は、価格改定を含めたRGMも寄与し、増収となりました。
セグメント利益については、売上収益の伸長により、原材料価格並びに物流費及び人件費高騰の影響を吸収し、増益となりました。
米州事業の売上収益は329億円(前年同期比27.2%増、為替中立11.7%増)、セグメント利益は37億円(前年同期比22.0%増、為替中立7.2%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、棚卸資産、無形資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ128億円増加して1兆7,961億円となりました。
負債は、仕入債務及びその他の債務、未払法人所得税等の減少等により、前連結会計年度末に比べ115億円減少して7,118億円となりました。
資本合計は、その他の資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末に比べ243億円増加して1兆844億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ185億円減少し、1,821億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益265億円、減価償却費及び償却費179億円、売上債権及びその他の債権の減少76億円等に対し、棚卸資産の増加153億円、仕入債務及びその他の債務の減少102億円等により、資金の収入は前年同四半期と比べ181億円減少し、126億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出147億円等により、資金の支出は前年同四半期と比べ22億円増加し、142億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払131億円、リース負債の返済による支出37億円等により、資金の支出は前年同四半期と比べ166億円減少し、176億円の支出となりました。
(4) 重要性がある会計方針及び見積り
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要性がある会計方針及び見積りについて重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、21億円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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