【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。1
提出会社の代表者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
(1) 経営成績の分析当社グループは当第2四半期連結累計期間においては、売上・営業損益は増収増益、経常損益・親会社に帰属する四半期純損益は減益となりました。これは連結セグメント各事業が好調で営業利益が黒字化したものの、Digital Finance事業において「のれん」の一括減損を行なったこと、連結子会社において増資のための費用があり、経常利益並びに純利益を押し下げたものです。売上高は4,715,501千円(前年同期比20.3%増)、営業利益は126,391千円(前年同期は営業損失8,123千円)、経常損失は143,061千円(前年同期は経常利益106,594千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は140,571千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益10,991千円)となりました。営業利益につきましては製造業である食品事業、ゴム事業やスポーツ事業は、電気代金、燃料費、原料高などの影響を大きく受けました。その中で、食品事業が利益貢献を大幅に伸ばしました。また、ゴム事業も新しい連結子会社の売上高や利益を取り込んで利益貢献を大幅に増加させました。コロナ禍からの市場回復が遅れているスポーツ事業ですが、新規事業が好調であり、セグメント利益化を果たしました。また、コンテンツ事業も好調に推移しておりますが、前期一時的要因で極めて高い利益水準であった反動で下振れ要因となりました。経常損失につきましては、持分法による投資損失(243,406千円)が大きく影響いたしました。これはDigital Finance事業の業績と進出先各国の政治経済情勢を勘案して483,024千円ののれんの減損を行うことにし、一方でリゾート事業等業績好調だった持分法投資利益と相殺して持分法投資損失243,406千円を計上することになったこと、連結子会社ウェッジホールディングスによる増資に伴う株式交付費用31,589千円も押し下げの一因となったものです。当社といたしましては、短期的な景気判断や収益について一つ一つ適切に対処しつつも、中長期的視点で経済成長する地域に適切に投資し、当社の成長を目指しております。なお、上記金額に消費税等は含まれておりません。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(食品事業)当事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、増収増益となりました。当第2四半期連結累計期間における売上高は2,480,213千円(前年同期比9.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は216,055千円(前年同期比86.5%増)となりました。当事業は、明日香食品株式会社並びに同子会社グループが営む、「ちょっと食べる」喜びを毎日世界へをミッションに、和菓子等、とりわけあんこ餅、わらび餅等の餅類、団子類、などの開発製造に独自性を持つ事業であります。昨今進むインフレの影響で国内消費は縮小、消費者のスーパーマーケットでの購買行動が減退しておりますが、「お得感」を失わずに特徴ある商品をお届けし、SNS等でのマーケティング・ブランディングを積極的に推進するなどの戦略を推し進めました結果、当第2四半期連結累計期間における業績につきましては売上高が増加しました。費用面では、原材料・資材の高騰が強く、製造コストを上昇させております。エネルギー価格に関しては前年同期を下回ってきましたがまだ例年に比べ高い状態です。日本の食品業界においても値上げが浸透しつつありますが、日配和菓子は市場規模に比して競争が激しく、また毎日食べていただくための「お得感」を重視する自社ミッションを果たすために、その製造コスト上昇分を販売価格に完全に転嫁をしておりません。しかし、当第2四半期連結累計期間においては、この数年来の生産効率の改善が功を奏し、また商品構成の見直しも進み、上記売上増と相まって増益となりました。最近では、SNSを活用した当社商品のブランディングに注力してまいりましたことも影響し、戦略商品の拡販が進んでおります。『「わらび餅」の明日香野』、『こし自慢明日香野』『桜餅(道明寺)の明日香野』が定着しつつあり、今後のさらなる拡販につながるものと期待をしております。SNSから波及して今年もマスメディアでも継続的に取り上げられております。これらにより、中期経営計画アクセルプランⅢ「再発進」の基本方針である「ついで買いから指名買いされる企業」を果たし、業績の拡大を図ってまいります。
(スポーツ事業)当事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、増収増益となりました。当第2四半期連結累計期間における売上高は580,868千円(前年同期比10.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は2,443千円(前年同期はセグメント損失8,053千円)となりました。当該事業は依然新型コロナウイルス感染症規制緩和後の回復が遅れており、第1四半期から引き続き当第2四半期連結累計期間への影響も大きくなっております。当事業は、創業事業でありますアカエムソフトテニスボールを中心とした、ソフトテニス関連事業とテニスクラブ再生運営事業を柱としております。当事業の当第2四半期連結累計期間における業績につきましては、従来事業が横ばいである一方で新規事業が売上高利益ともに大幅に貢献いたしました。ソフトテニスにおきましては、中高の部活動がコロナ禍以前の活気を取り戻すことができておらず、ソフトテニスボールの使用頻度が増えないことが影響し、ソフトテニスボールの販売が低調に推移しました。さらに東京都で年間猛暑日の最多記録が出されるなど記録的な暑さにより、熱中症対策で屋外での部活動時間に制限がかかったことも、消耗品であるソフトテニスボールの売上にマイナス要因として影響を与えたと考えております。テニスクラブ再生運営事業の事業環境は、フィットネスジムなどの会員数がコロナ禍以前と比べると全国的に低迷しております中、当社テニスクラブは2019年に比して会員数を増加させております。現在、新規会員獲得において会員数の増加は鈍い状態となっておりますが、退会者が極めて低い率で推移しており、顧客満足が増進していると考えております。その一方、新規事業が成長して利益貢献をいたしました。昨年から開始した旅行事業が順調に拡大し、新規輸入販売商品などが売上や利益を押し上げる要因となりました。当第3四半期以降においても、市場を自ら活発にする活動に注力し、ソフトテニスボールの販売強化、テニススクールでの新規ユーザーの獲得を進めるとともに、新規事業を拡大して業績の成長を図ってまいります。(ゴム事業)当事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、増収増益となりました。当第2四半期連結累計期間における売上高1,309,277千円(前年同期比64.6%増)となり、セグメント利益(営業利益)は108,262千円(前年同期比692.2%増)となりました。当事業は、当社グループの創業以来の事業で、ゴムの配合・加工技術に独自性をもつ事業であり、日本国内のみならず、タイ王国、マレーシア、ベトナム社会主義共和国などにおいて事業展開をしております。当事業の当第2四半期連結累計期間における業績につきましては、未だ光熱費や輸入原料の高騰が利益を圧迫しておりますが、前連結会計年度末に取り込んだ、連結子会社の損益が取り込まれたことにより、売上高、セグメント利益ともに増加しております。また、従来事業でありますゴムライニング防食施工において、東日本における大手施工会社としてオンリーワン企業としての地位が確立され、積極的に営業拡大を進めました結果、製缶を含めた大型案件を受注し、売上高・利益率ともに好調を維持いたしました。今後も安定的に成長を目指すことが可能であると考えております。プレス関連商品につきましても、エネルギー・輸入原材料の価格高騰にともなって、昨年から値上げが行われており、今後利益率が改善すると考えております。ゴムライニング防食施工はゴム事業の中で収益性と競争力が高い事業です。今後は更に残存者利益を享受できる地位を確立しておりますので、ゴム事業内におけるゴムライニング防食施工への選択と集中を進めることで売上高と利益を増加させられると考えております。当該事業は国内民間設備投資に強く連動する事業であり、特に円安の追い風を受けた、製造業の各顧客の設備投資が活況となっており、受注は順調な予想となっております。当事業は景気悪化に対して半年程度遅行して影響が出る業種であり、今後も注意してまいります。(コンテンツ事業)当事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、増収減益となりました。当第2四半期連結累計期間における売上高は333,048千円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は63,737千円(前年同期比40.8%減)となりました。当事業は、主にゲームの企画開発や漫画やアニメ、ゲーム等のエンターテインメント関連の書籍及び電子書籍の企画編集、様々なコンテンツを商品・イベント化する企画開発など、コンテンツ商品の企画開発分野で独自性を持って展開しております。現在、当社の祖業でありますコンテンツ事業においては長年の不振を払しょくし、過去10年以上かけて戦略的に事業を選択集中させるとともに海外事業を含めて新規事業に取り組み、営業拡大を図り、同時に生産性の改善、コストの適正化を図ってまいりました成果が実を結んでいる結果、堅調に推移しております。前期に一過性の利益率の高い売上高があったことにより、今期の利益が下がりましたが、事業は順調に推移していると考えております。当事業の当連結会計年度における業績につきましては、ゲーム企画開発、書籍編集、その他コンテンツ関連企画開発等の受注が安定的に増加していることに加え、事業経費が適切に配分されて事業が利益貢献を果たしております。また、同事業が企画開発した各種コンテンツ商品、カードゲームや書籍の人気が高く、ロイヤリティ収入なども順調でした。また、各種の開示でお知らせいたしておりますように、海外展開を積極的に進めることで、本格的な事業拡大につなげる方針を継続してまいります。(Digital Finance事業)当事業は連結セグメントではなく、持分法適用関連会社の事業になっておりますが、当社グループの重要な事業であるため解説しております。当事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、増収減益となりました。これは当該事業の業績と進出先各国の政治経済情勢、特にミャンマーにおける政治経済情勢やラオスにおける経済情勢等、を勘案して483,024千円ののれんの減損を一括で行うことにいたしました。当第2四半期連結累計期間における売上高は2,145,134千円(前年同期比11.9%増)、投資損失(注)は312,059千円(前年同期は投資利益27,494千円)となりました。(注)連結損益として取り込んだ持分法投資損失当第2四半期連結累計期間におきましては、コロナ禍からの復興に入ったカンボジア並びにタイ王国と、極端に進んだ通貨安や政情不安によって経済苦境にあるミャンマー、ラオス、並びにスリランカに大きく分かれました。カンボジア並びにタイにおいては既に新規契約が増加しており、売上高並びに利益を増加させるに至っております。一方で、経済苦境にあるミャンマー並びにラオスでは輸入に頼るオートバイ等の価格が2倍以上になるなど極端に高騰しており、潜在顧客の購買意欲の減少並びに相対的な返済能力の低下があり、リースなどを拡大させるべき状況にありません。一方ミャンマー並びにスリランカではリースだけではなく、個人への直接貸付も中核事業として行っており、この分野においては現状需要が堅調で、貸付を増加させ好調となりつつあります。過去5年間、コロナ禍並びに同事業を行うGroup Lease PCL.が大型の裁判を行っていたこと、などから全営業国において保守的なリスクマネジメントのために新規貸付を抑制し、回収に注力してきました。この結果、営業貸付金が減少し、現金預金が増加して、売上高・利益ともに減少してきていました。今後は、上記国別商品別の状況に応じて、新たな再成長を開始いたしております。また今回のれんの減損を行ったことで今後継続的なのれんの償却がなくなり、利益押し上げ効果があると考えております。(リゾート事業)当事業は連結セグメントではなく、持分法適用関連会社の事業になっておりますが、当社グループの重要な資産を保有しているため解説しております。当事業の当第2四半期連結累計期間における業績は増収増益となりました。当第2四半期連結累計期間における売上高は406,100千円(前年同期比139.4%増)、投資利益(注)は66,266千円(前年同期は投資損失21,070千円)となりました。(注)連結損益として取り込んだ持分法投資利益当事業はタイ王国ピピ島においてリゾートホテルであるZeavola Resortを運営しております。欧米の富裕層を中心にした顧客層から支持を受ける環境に配慮した循環型のサステイナブルリゾートとして多くの表彰を受賞するファイブスターリゾートとして、高単価の宿泊・サービス収入を得ております。当事業については3ヶ月遅れでの連結財務諸表への反映がなされており、当第2四半期連結累計期間へは2023年1月から2023年6月までの6ヶ月間の業績が反映されております。新型コロナウイルスの影響により外国人の入国は厳しく制限されていたため、同ホテルは2020年4月から11月まではほぼ営業がなされておりませんでした。その一方で、従業員への給与支払、設備維持費、減価償却費などが重く、損失を計上しておりました。一方でタイ政府の入国規制緩和により、2021年12月に営業を開始しました。当期は宿泊客が増加しており、例年以上の満室率が継続しております。これにより当第2四半期連結累計期間においては前年同期を大きく上回る売上高増収となりました。特に同リゾートはこれまでも世界的なホテル賞を受賞してきておりますが、2023年においてもWORLD LUXURY HOTEL AWARDSでLuxury Boutique Resort 2022(アジア地域)及びLuxury Sustainable Resort 2023(全世界)を受賞いたしました。これらにより前年同期よりも売上高利益共に予想を超えて大幅に増加しております。予想を超える客足が継続しており、今後とも好調を見込んでおります。今後は閑散期においてホテルの完全稼働、5つ星ステータス保持のための設備投資等を行う予定であり、これによって宿泊単価の上昇も見込んでおります。
(2) 財政状態の分析(資産)当第2四半期連結会計期間末における資産残高は、7,430,076千円(前連結会計年度末比673,217千円増)となり、流動資産は、3,847,954千円(前連結会計年度末比929,551千円増)、固定資産は、3,582,122千円(前連結会計年度末比256,333千円減)となりました。流動資産増加の主な原因は、当社連結子会社の株式会社ウェッジホールディングスにおける第三者割当増資等による現金及び預金の増加(前連結会計年度末比766,174千円増)、主に食品事業及びゴム事業において売上が好調に推移したことによる受取手形及び売掛金の増加(前連結会計年度末比162,587千円増)、未収入金の増加(前連結会計年度末比24,105千円増)、主に為替の影響等による短期貸付金の増加(前連結会計年度末比27,215千円増)といった増加要因、主に売掛債権等の増加による貸倒引当金の増加(前連結会計年度末比47,324千円増)の減少要因によるものです。固定資産減少の主な原因は、償却によるのれんの減少(前連結会計年度末比17,942千円減)、持分法適用関連会社の評価減による関係会社株式の減少(前連結会計年度末比245,658千円減)によるものです。(負債)当第2四半期連結会計期間末における負債残高は、3,969,630千円(前連結会計年度末比127,721千円増)となり、流動負債は、2,671,546千円(前連結会計年度末比88,487千円増)、固定負債は、1,298,083千円(前連結会計年度末比39,234千円増)となりました。流動負債増加の主な原因は、主に食品事業、スポーツ事業及びゴム事業において仕入増、材料価格の高騰による影響等による支払手形及び買掛金の増加(前連結会計年度末比196,307千円増)、為替等の影響による未払費用の増加(前連結会計年度末比32,161千円増)の増加要因、返済による短期借入金の減少(前連結会計年度末比82,186千円減)、納付による未払法人税等の減少(前連結会計年度末比18,972千円減)及び未払消費税等の減少(前連結会計年度末比55,189千円減)といった減少要因によるのです。固定負債増加の主な原因は、借入等による長期借入金の増加(前連結会計年度末比34,344千円増)によるものです。(純資産)当第2四半期連結会計期間末における純資産残高は、3,460,446千円(前連結会計年度末比545,496千円増)となりました。純資産増加の主な原因は、親会社株主に帰属する四半期純損失計上による利益剰余金の減少(前連結会計年度末比140,571千円減)の減少要因、当社連結子会社の株式会社ウェッジホールディングスにおける第三者割当増資等による当社持分の減少に伴う資本剰余金の増加(前連結会計年度末比95,115千円増)、非支配株主持分の増加(前連結会計年度末比589,802千円増)といった増加要因によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ763,730千円増加し、1,255,288千円(前年同期比916,152千円増)となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、111,846千円(前年同期は85,935千円の増加)となりました。これは、主に仕入増、材料価格の高騰等による仕入債務の増加274,325千円(前年同期は20,415千円の減少)、株式の発行による株式交付費31,589千円(前年同期は―千円)、非資金勘定として計上された減価償却費18,900千円(前年同期は18,482千円)、のれん償却費17,942千円(前年同期は17,942千円)、貸倒引当金の増加25,478千円(前年同期は212千円の減少)、持分法による投資損失243,406千円(前年同期は持分法による投資利益9,527千円)、貸倒引当金繰入額21,654千円(前年同期は30,240千円)といった増加要因、為替差益30,050千円(前年同期は101,922千円)、売上が好調に推移したことによる売上債権の増加158,426千円(前年同期は158,636千円の減少)、法人税等の支払30,391千円(前年同期は25,837千円)といった減少要因によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、8,820千円(前年同期は24,407千円の減少)となりました。これは、主として貸付金の回収による資金の増加3,844千円(前年同期は1,073千円)の増加要因、定期預金の預入による資金の減少3,600千円(前年同期は―千円)、有形固定資産の取得による資金の減少8,756千円(前年同期は17,450千円)といった減少要因によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の増加は、661,612千円(前年同期は99,266千円の減少)となりました。これは、主として当社連結子会社の株式会社ウェッジホールディングスにおける第三者割当増資による非支配株主への株式の発行による資金の増加69,300千円(前年同期は―千円)並びに新株予約権の行使による非支配株主への株式の発行による資金の増加639,800千円(前年同期は―千円)、長期借入金の借入による資金の増加50,000千円(前年同期は―千円)といった増加要因、短期借入の返済による資金の減少83,571千円(前年同期は78,779千円)、長期借入金の返済による資金の減少10,834千円(前年同期は17,408千円)といった減少要因によるものであります。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は12,926千円であります。