【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、海外でのインフレ抑止としての急速な利上げの影響による大幅な円安やウクライナ情勢等を受けた資源価格の上昇、また、米国銀行の経営破綻をきっかけとして金融システムへの不安等がありましたが、ウィズコロナの下で行動制限緩和などにより国内での経済活動が活発化し、緩やかながらも景気は正常化へと近づきました。
日本経済の先行きにつきましては、経済・社会活動の正常化が進むなかで、金融政策・成長戦略の一体的な推進を通じた本格的な経済回復軌道への復帰が期待されます。一方、世界的な金融引き締めが続くなかでの海外景気の下振れが日本経済を下押しするリスクが存在しております。また、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の上昇や供給面への制約に加えて、金融資本市場の変動による影響には十分に注意する必要があります。
このような経済環境のもと、ITサービス市場におきましては幅広い業種にわたり事業の拡大や競争力を目的としたITへの投資意欲は高く、投資への拡大基調は継続しているものと思われます。世界的な物価上昇や一部供給面での制約による、企業の業況判断には慎重な見方が出るなかでも、社会のデジタル化に対応するための需要等、事業の拡大、競争力の強化に向けたITへの投資意欲は幅広い業種において高まっており、IT投資需要へり継続的成長が期待されます。
このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、過年度から引き続き収益構造の改善に取り組むとともに、グループ全体の重点テーマとして、「マーケティング」、「イノベーション」、「人材育成」の3テーマを設定し、さらには、グループ全体の企業価値向上を進めてまいりました。
また、2022年6月27日付にて開示いたしました「事業計画及び成長可能性に関する事項」において記載のとおり、デジタル・コミュニケーション基盤の提供に注力し、技術提供からもたらす技術の価値提供へ自ら変化し、お客様への価値提供活動を徹底的に強化し、当社グループ全体にて新たな非連続的な成長を目指してまいりました。
当社グループの活動方針として掲げます、「売りやすく、作りやすく、使いやすい」を基本とし、マーケティング(認知向上)や顧客ニーズに寄り添う支援体制の強化、プロダクト開発に取り組んでまいりました。その中心となります主力製品が、自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」及びクラウド電話サービス「telmee(テルミー)」並びにWebサイトやコンテンツを構築・管理・更新できるシステム「SITE PUBLIS(サイト パブリス)」であり、「使いやすさ」と「拡張性」の高い「SITE PUBLIS Connect(サイト パブリス コネクト)」の事業展開をさらに積極的に推進してまいります。
当連結会計年度の事業活動により次の成果が得られております。
<commubo>
・宅配ボックスの問合せ窓口にボイスボット「commubo(コミュボ)」をテスト導入
・ボイスボット・サービスのcommuboがリスト発信機能を強化し、コールセンターのアウトバンド業務の生産性向上を強力に支援
・ソフトフロントジャパンとKDDIエボルバ、自然会話AIロボット「commubo(コミュボ)」のパートナー連携
優れた会話力と高パフォーマンスの「ボイスボット」アウトバンドコールを提供開始
・ボイスボット「commubo(コミュボ)」による食督促業務に特化した電話自動架電パッケージ「ぺリマ」の販売を開始
・保証サービスを提供するニッポンインシュアが督促業務の効率化に向けて「commubo(コミュボ)」を導入
<telmee>
・「telmee(テルミー)」 03番号等の固定電話(0AB-J 番号)に対応
・Brekeke製品の正規販売代理店としてSIP/VoIPサーバーソフトウェアを販売開始
<LivyTalk>
・Android版ソフトフォン「LivyTalk vl.3.0」をリリース
<SITE PUBLIS>
・SITE PUBLIS Conect(サイト パブリス コネクト)の製品開発・販売開始
・新規顧客として大手オフィス家具メーカーをはじめとした、海運業、輸送用機器メーカー、事務機器・光学
機器メーカー、警備業、自動車メーカー等、複数のエンドユーザーへの導入
・セールスパートナー制度を一新するとともに、新たなるセールスパートナーとして、大手制作会社、中堅制
作会社、システムインテグレイターとの取引を開始
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高763,829千円(前連結会計年度比102.2%増)、営業損失52,159千円(前連結会計年度は17,621千円の営業損失)、経常損失51,820千円(前連結会計年度は34,248千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失59,408千円(前連結会計年度は29,059千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
売上高につきましては、前連結会計年度において株式会社サイト・パブリスを子会社化したことにより当連結会計年度において通期業績を反映したことから売上規模が拡大いたしました。
また、「commubo」の導入実績が順調に推移したこと及び「commubo」・「telmee」の月額利用料が増加し、「SITE PUBLIS」の保守運用サービス料の安定的収益を得ることができました。
のれんの償却費用の計上、「SITE PUBLIS Connect」の減価償却費用の計上に加え、企業ブランド価値向上を目的としたマーケティング費用及び基幹システム更新への投資等から、営業損失、経常損失、当期純損失となりました。
当社グループは、コミュニケーション・プラットフォーム関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の使用44,861千円、投資活動による資金の使用78,461千円、財務活動による資金の使用12,191千円により、前連結会計年度末に比べ135,514千円減少し、157,003千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は44,861千円(前連結会計年度は9,163千円の獲得)となりました。これは主に、減価償却費51,821千円、のれん償却額35,558千円などの資金増加要因があった一方で、売上債権及び契約資産の増加額100,796千円、税金等調整前当期純損失52,213千円などの資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は78,461千円(前連結会計年度は39,820千円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出77,492千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は12,191千円(前連結会計年度は26,361千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出12,108千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
コミュニケーション・プラットフォーム関連事業
373,375
236.0
(注)金額は、製造原価によって算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
コミュニケーション・プラットフォーム関連事業
531,591
398.10
80,271
362.83
(注)ソフトウエアの受託開発に係る受注実績を記載しており、コミュニケーション・プラットフォーム関連事業全ての受注実績を記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
コミュニケーション・プラットフォーム関連事業
763,829
202.2
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度においては、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
相手先
前連結会計年度
(自
2021年4月1日
至
2022年3月31日)
当連結会計年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社オプテージ
52,366
13.9
-
-
ライフティ株式会社
39,114
10.4
-
-
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月30日)現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、創業以来の当社固有のコミュニケーション関連の技術・事業の伸展・深耕による事業拡大へと原点回帰し、ボイスコンピューティングを中心としたコミュニケーション領域での事業拡大に向け、事業基盤の確立を進めてまいりました。当連結会計年度においては、連結子会社である株式会社ソフトフロントジャパンが主力商品として、ボイスコンピューティング分野にて展開する自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」におきまして、コールセンター業務を営む大手企業を中心に引き合いも多く寄せられております。今後においても、電話による営業アポイントメントの獲得、企業の代表電話の受付、通販・テレビショッピングの注文受付など様々な利用シーンへの展開が期待されております。
また、コンテンツ・マネジメント・システムとWebページ制作・構築・保守などの関連サービスを提供する株式会社サイト・パブリスにおきましては、「SITE PUBLIS Connect(サイトパブリスコネクト)」を開発し、販売を開始いたしており、様々なDXツールとの連係機能を今後も追加開発することにより顧客の利便性向上し導入が広がるものと認識しております。
当社グループは、ボイスコンピューティングに加え、コンテンツマネージメントシステムを提供していくことで、より一層のデジタル・コミュニケーション基盤の強化を図り事業展開を進めてまいります。
以上の結果、経営成績及び財政状態は次のとおりとなりました。
a.経営成績
(売上高)
売上高につきましては、763,829千円となりました。
(売上原価)
売上原価につきましては、399,127千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、416,861千円となりました。
(営業損益)
営業損益につきましては、売上総利益が364,701千円となり、販売費及び一般管理費を416,861千円計上したため、52,159千円の営業損失を計上いたしました。
(営業外損益)
営業外損益につきましては、営業外収益1,320千円を計上し、営業外費用981千円を計上いたしました。
(経常損益)
経常損益につきましては、営業外収益1,320千円及び営業外費用981千円を計上したため、51,820千円の経常損失を計上いたしました。
(特別損益)
特別損益につきましては、固定資産除却損を計上したことにより、特別損失を393千円計上いたしました。
(税金等調整前当期純損益)
税金等調整前当期純損益につきましては、特別損失393千円を計上したため、52,213千円の税金等調整前当期純損失を計上いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、法人税、住民税及び事業税1,016千円、法人税等調整額7,154千円、非支配株主に帰属する当期純損失976千円を計上したことにより、59,408千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上いたしました。
b.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は397,082千円となり、前連結会計年度末に比べ30,536千円減少いたしました。これは主に、売掛金が59,876千円、契約資産が40,920千円増加した一方で、現金及び預金が135,514千円減少したことによるものであります。固定資産は375,834千円となり、前連結会計年度末に比べ16,243千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが56,359千円増加した一方で、のれんが35,558千円、ソフトウエア仮勘定が29,510千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は112,108千円となり、前連結会計年度末に比べ24,621千円増加いたしました。これは主に、営業未払金が17,002千円増加したことによるものであります。固定負債は165,391千円となり、前連結会計年度末に比べ11,233千円減少いたしました。これは、長期借入金が11,233千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は495,416千円となり、前連結会計年度末に比べ60,168千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が59,408千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.8%(前連結会計年度末は58.9%)となりました。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、既存事業の再構築と事業基盤の強化が重要となります。
当社は、既存事業のうち、当社のコア事業であるボイスコンピューティング事業とコミュニケーション・プラットフォーム事業に経営資源を投下し、事業を拡大してまいります。
具体的には、様々なシステム環境に電話の機能を安価にかつスピーディに組み込んでサービス提供することを可能とするクラウドサービス「telmee(テルミー)」の需要が自治体や各種事業者で顕在化しており、サービスの拡販に力を入れてまいります。また、今後の急成長分野として期待するボイスコンピューティング分野において展開する自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」の提供により、コールセンター業務への対応、電話による営業アポイントメントの獲得、企業の代表電話の受付、通販・テレビショッピングの注文受付など様々な利用シーンへの展開が期待され、同様にサービスの拡販に力を入れてまいります。
専門知識がなくてもWebサイトやコンテンツを構築管理・更新できるソフトウェアとページ制作・構築・保守などの関連サービスを提供する株式会社サイト・パブリスにおいて、さらにこれからの時代に即したソフトウエア開発を行い、企業と、お客様、従業員、パートナーなどあらゆるステークホルダーをつなぐコミュニケーション基盤としてさらなる拡販を図るとともに、ボイスコンピューティング事業とのシナジーを創出することに力を入れてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の使用44,861千円、投資活動による資金の使用78,461千円、財務活動による資金の使用12,191千円により、157,003千円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、新製品・サービスの提供に向けて開発を行っており、また、その開発を迅速に進めるためにM&A等を含めた投資を行うことも視野に入れており、資金需要の発生が見込まれます。これらの資金需要により、新株の発行などの資金調達を実行する可能性があります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りを用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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