【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)
財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5月に感染症法上の分類において5類に移行されるなど、新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限や入国規制が撤廃され、社会全体でアフターコロナに向けた動きが加速したことで、景気に穏やかな回復が見られました。景気の回復は外食需要の回復や、鉄道・航空旅客数増加、宿泊業の活況等にも現れ、渡航制限解除や円安による割安感も手伝い訪日外国人による消費拡大が、内需を押し上げております。一方、訪日外国人の増加も見られる中で、ALPS処理水放出の影響により8月後半から影響が見られる等新たな問題に加えて、ウクライナ危機による世界的な資源価格の高騰や日米金利差拡大を背景とした歴史的な円安の進行、これに伴う原材料やエネルギー価格の値上げ圧力にさらされるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。外食業界におきましては、需要回復の兆しが見られるものの、急速な円安の進行や人材不足、原材料価格や物価の高騰によるコストの上昇に加え、深夜時間帯を中心とした消費の回復が鈍いことから、依然として厳しい経営環境にあります。このような環境の中、当社グループにおきましては消費環境の変化に対応し、市場や顧客のニーズに合った業態や商品の開発、顧客体験のさらなる改善に努めております。「食のあるべき姿を追求する」というグループ共通のミッションのもと、「塚田農場」業態に頼らないブランドポートフォリオの強化を進めるとともに、生産者との継続的な深い関わりに基づく付加価値の高い商品開発に取り組むなど、事業構造の転換に努めております。また、回復基調にある国内消費やインバウンド需要の高まりによって、既存店売上高が大きく回復していることから、今後回復が見込めないと見込める店舗の撤退や、コロナ禍で客数増加のために投じたマーケティング費用(広告費・販促費など)やその他の固定費を見直すとともに、既存事業の更なるDX化や、本部人員の配置転換等を行い、本部コストの削減と収益構造の改善に努め、業績の早期回復の取組みに着手しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は9,947百万円(前年同期比31.0%増)、営業損失は450百万円(前年同四半期は営業損失1,230百万円)、経常損失は394百万円(前年同四半期は経常損失641百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は411百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失669百万円)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。① 生産流通事業生産流通事業では、「生販直結モデル」の一部として、地鶏の生産事業及び、鮮魚・青果物などの流通事業を行っております。当社グループでは宮崎県、鹿児島県、北海道で地鶏の生産を行なっておりますが、円安の進行やエネルギー価格の高騰により、飼料価格が高騰し、地鶏の生産コストも上昇しております。しかしながら、当社独自の「生販直結モデル」によって、中間流通を持たないことから、原材料価格の高騰をタイムリーに販売価格に反映させるなど、このような環境下においても安定した事業展開を可能にしております。直近では、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更されたことから、販売事業の売上高が増加したことにより、地鶏の生産量や野菜の流通量は徐々に増加しており、加えて、地鶏のグループ外への販売も堅調に推移しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は624百万円(前年同期比17.5%増)、セグメント損失は21百万円(前年同四半期はセグメント損失49百万円)となりました。
② 販売事業販売事業では、「生販直結モデル」の一部として、主に外食店舗を運営しております。当第2四半期連結累計期間の全店舗の売上高が、前年同期比32.4%となりました。これは、日本国内での人流の回復、並びに飲み会や宴会需要の回復が見られたことで、国内飲食事業においては、コロナ禍でも堅調に推移をしていた中高級業態に加え、売上高の戻りが遅れていた「塚田農場」「四十八漁場」などの居酒屋業態の業績が大きく回復いたしました。また、アフターコロナでの顧客の行動変化に対応するため、「塚田農場」2店舗を「炭火焼鳥 塚田農場」に業態変更いたしました。海外飲食事業については、飲食需要の落ち込みの影響を受けている国が多い中、特に香港が中国国内の景気悪化に加えて、ALPS処理水の放出により日本食を敬遠する動きが見られるなど新たな問題も出てきております。一方で、好調を維持するインドネシアではジャカルタ近郊のショッピングモールに4号店を9月に出店しており、堅調に推移をしております。また、中食事業においては、前期に実施した宅配弁当のラインナップの見直しや販売先の拡大などが奏功し、業績が順調に推移いたしました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は9,772百万円(前年同期比32.4%増)、セグメント損失は428百万円(前年同四半期はセグメント損失1,181百万円)となりました。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度に比べ532百万円減少し、8,607百万円となりました。これは主に借入金の返済や税金等の支払いにより現金及び預金が328百万円減少したことによります。負債につきましては、前連結会計年度に比べ469百万円減少し、負債合計は8,552百万円となりました。これは借入金の返済や税金等の支払いによるものであります純資産につきましては、前連結会計年度に比べ63百万円減少し、純資産合計は55百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純損失411百万円によるものと、新株の発行による資本金及び資本準備金の増加312百万円によるものです。
(2)
キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より328百万円減少し、1,489百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において営業活動により減少した資金は51百万円となりました。これは主に減価償却費の計上225百万円及び未払金の増加186百万円があった一方で、税金等調整前四半期純損失△405百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において投資活動により使用した資金は209百万円となりました。これは主に店舗改装による有形固定資産の取得による支出△227百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において財務活動により減少した資金は95百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出△2,364百万円及び短期借入れによる収入2,294百万円によるものであります。
(3)
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。