【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績
当第1四半期連結会計期間より、「重要なヘッジ会計の方法」の変更に関する会計方針の変更を行っており、遡及処理後の数値で比較分析を行っております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、昨年度から継続する光熱費や生活必需品の値上げ等の家計を圧迫する要因等があったものの、新型コロナウイルス感染症の感染症法の分類が「5類」となり、4年ぶりに行動制限のない大型連休を迎える等、経済活動が正常化に向かう方向性にありました。世界経済においては、各国での物価上昇の動向と中央銀行の利上げ判断の睨み合いや、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等があり、先行きが不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、昨年以来、原材料価格の高騰や為替レートの円安基調等を背景として、値上げの傾向が継続しております。このことから消費者の節約志向等が生じております。一方で、外食産業は、外食への消費マインドの上昇やインバウンド需要の復活等により、回復傾向にありました。
このような状況下、当社グループは、感染症対策を継続し、厳格な生産管理体制の維持・管理を行う中で、経済環境の変化に対応したマーケティング施策等に取り組みました。中期経営計画「ONE Kadoya 2025」の施策の一環として、当社製品を使用したメニューにより、ごまの魅力や用途多様性を訴求するカフェ「goma to(ゴマト)」やごまに関する情報交換が可能な双方向性のあるファンコミュニティサイト「ごまラボ」の運営等により、消費者との直接的な接点を持つ施策を行う他、「かどやの純正ごま油」の発売55周年を記念したキャンペーンを展開しております。「かどやの純正ごま油」に関連したエピソードを募集するプレゼント企画を行う等、需要の喚起のみならず、「かどやファン」を獲得するための積極的な取り組みを実施しております。
ごま油事業におきましては、家庭用は外食の回復による内食需要の減少や2023年3月に実施した一部製品の販売価格是正の影響等により、販売数量は前年同期比で減少しております。業務用は2023年3月に実施した製品の販売価格是正に伴う買い溜め需要の反動等により、販売数量は前年同期比で減少しております。輸出用は前年同時期において、海上輸送コンテナ不足の解消に伴い、滞っていた船積みが急速に実現した特殊要因等があったため、販売数量は前年同期比で減少しております。
以上により、ごま油事業全体の販売数量は前年同期比88.5%、販売金額は前年同期比96.0%となりました。
食品ごま事業におきましては、昨年度10月に実施しました製品の販売価格の是正を、家庭用食品ごまに強みを持つ子会社であるカタギ食品では、2023年4月に再度実施しております。この影響等により、販売数量は全てのカテゴリーにおいて前年同期比で減少し、食品ごま事業全体の販売数量は前年同期比93.1%となりましたが、カタギ食品における再度の販売価格是正の取り組みの成果等もあり、販売金額は前年同期比102.2%となりました。
一方、コスト面におきまして、売上原価は販売数量の減少等があったものの、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増や光熱費の上昇等により、前年同期比102.9%となりました。また、販売費及び一般管理費は、2023年2月に行った本社事務所の移転に伴う賃借料や減価償却費の増等があったものの、販売数量の減少等に伴う支払運賃及び保管料の減や広告宣伝費の使用減等により、前年同期比98.5%となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高8,703百万円(前年同期比227百万円減)、経常利益は1,015百万円(前年同期比451百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は669百万円(前年同期比343百万円減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ごま油事業
ごま油事業におきましては、家庭用は、「かどやの純正ごま油」が発売55周年となるため、「愛されて55周年 かどやから皆様へ 感謝の純正ごま油キャンペーン」を展開しております。「かどやの純正ごま油」に関連したエピソードを募集し、人気作品をアニメーション化する企画や応募者に当社の創業の地である香川県小豆島のホテル宿泊券等の賞品を抽選でプレゼントする等、需要の喚起及び「かどやファン」の創出を図る施策を行っております。しかしながら、外食の回復による内食需要の減少や2023年3月に実施した一部製品の販売価格是正の影響等により、販売数量は前年同期に比べ減少しております。
業務用は、外食産業における環境の回復等があったものの、2023年3月に実施した製品の販売価格是正に係る買い溜め需要の反動等もあり、販売数量は前年同期に比べ減少しております。
また、輸出用は、販促の実施等を行ったものの、前年同時期において、海上輸送コンテナ不足の解消に伴い、滞っていた船積みが急速に実現した特殊要因等により、販売数量は前年同期に比べ減少しました。
一方、コスト面では、売上原価は、販売数量の減少や袖ケ浦工場の償却進行に伴う減価償却費の減等があったものの、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増や光熱費の上昇等により、前年同期に比べ増加しました。また、販売費及び一般管理費は、2023年2月に行った本社事務所の移転に伴う賃借料や減価償却費の増等があったものの、販売数量の減少等に伴う支払運賃及び保管料の減や広告宣伝費の使用減等により、前年同期に比べ減少しました。
以上の結果、売上高は6,654百万円(前年同期比271百万円減)、セグメント利益は786百万円(前年同期比385百万円減)となりました。
②食品ごま事業
食品ごま事業におきまして、製品の販売価格是正を昨年10月と子会社であるカタギ食品においては再度2023年4月に行っており、全体として販売数量の減少要因となっております。また、家庭用では食品各種の値上げ局面下で販促回数が減少、業務用ではねりごまの総菜向け需要が低調に推移したこと等により、販売数量はそれぞれ前年同期比で減少しました。以上により、食品ごま事業全体の販売数量は前年同期比で減少しましたが、製品の販売価格是正の影響等で販売金額は前年同期比で増加となりました。
一方、コスト面では、売上原価は販売数量の減少等があったものの、原料相場の上昇及び為替レートの円安基調等に伴う原料代の大幅な増や光熱費の上昇等により、前年同期に比べ増加しております。また、販売費及び一般管理費は、販売数量の減少等に伴う支払運賃及び保管料の減や広告宣伝費の使用減等があったものの、2023年4月に行った子会社であるカタギ食品との東京事務所統合に伴う費用の発生や2023年2月に行った本社事務所の移転に伴う賃借料や減価償却費の増等により、前年同期に比べ増加しました。
以上の結果、売上高は2,020百万円(前年同期比45百万円増)、セグメント利益は126百万円(前年同期比8百万円増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,117百万円減少しました。これは原材料及び貯蔵品が1,594百万円、商品及び製品が332百万円増加するなどの増加要因があったものの、現金及び預金が2,763百万円、有形固定資産が262百万円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ980百万円減少しました。これは支払手形及び買掛金が368百万円、賞与引当金が369百万円、未払法人税等が351百万円減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ136百万円減少しました。これは繰延ヘッジ損益が81百万円増加するなどの増加要因があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益669百万円の計上と配当金の支払い921百万円の加減算により利益剰余金が252百万円減少したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,763百万円減少し、4,107百万円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,829百万円の支出(前年同期比858百万円支出増)となりました。これは税金等調整前四半期純利益1,015百万円、減価償却費の計上額336百万円などの増加要因があったものの、棚卸資産の増加額1,999百万円、法人税等の支払額438百万円、仕入債務の減少額358百万円、賞与引当金の減少額369百万円などの減少要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、153百万円の支出(前年同期比38百万円支出減)となりました。
これはITインフラに係る設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が117百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、780百万円の支出(前年同期比62百万円支出減)となりました。これは配当金の支払い780百万円等によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、27百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。