【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)は、ロシア、ウクライナ紛争などの影響により世界的に高額な絵画や宝石の取引が少なくなったことでグループ売上高は前期を僅かに下回りましたが、社会情勢や景気、不景気に左右されないブライダルジュエリー事業単体では国内外共に前年同期を上回る売上高、利益を計上し業績を牽引致しました。また、ブライダルジュエリー事業が堅調に推移している事でグループ全体の営業利益も前年同期を上回りました。経常利益に関してはシンガポール事業への先行投資による費用増と営業外収益(為替差益)の影響で前年同期を下回りましたが、基幹事業における利益創出はより堅実なものとなっております。
当第2四半期連結累計期間におけるグループの業績は、売上高99億48百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益14億54百万円(前年同期比4.0%増)、経常利益15億47百万円(前年同期比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7億23百万円(前年同期比21.9%減)となりました。
2024年3月期は売上重視の経営から利益重視の経営に変革し、引き続き主力であるジュエリー・アート・オークション事業の国内外における堅実な成長展開を推進すると共に、不採算事業であるヘルス&ビューティー事業(ラ・パルレ)とスポーツ事業(CRAZY)に関しては、業績が回復しても当社が考える友好的合併企業の条件『経常利益率10%』が見込めない為、清算の対象となり2023年11月10日の取締役会決議にて全員一致で2社の売却方針を決定致しました。現在具体的に複数の売却先候補と条件交渉を進めております。また、企業パートナー連合を組成して各事業を補完、強化する友好的合併案件も並行して進めており、秘密保持契約を締結し具体的な細部の煮詰めに入っているものが3件、その他3件ほどの案件も積極的に進めております。
当社は、「みんなの夢の企業グループ NEW ARTはアートの持てるすべての力であなたを美と健康と幸せに導きます」という企業理念のもとに、2024年3月期の期末配当は2023年7月18日に発表させていただきましたとおり、1株につき70円の普通配当に感謝特別配当30円を加算した1株につき100円を予定しております。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ジュエリー・アート・オークション事業
当第2四半期連結累計期間におけるジュエリー・アート・オークション事業の売上高は90億3百万円(前年同期比0.9%増)、セグメント利益は19億35百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間のジュエリー事業においては、長引くロシア、ウクライナ紛争の影響や円安によるダイヤモンドの仕入値アップや金、プラチナ相場の上昇などもある中、前年同期を上回る売上、利益をあげることができました。要因として国内新規出店地区の売上増と海外店舗の売上増があげられます。4月14日の銀座ダイヤモンドシライシ/エクセルコダイヤモンド仙台パルコ2店のオープンを皮切りに5月に沖縄パルコシティ店、9月に松江店、10月にはアイネス福山店をオープンし今期4店舗の新規出店を果たしました。また、海外事業(台北忠孝店、板橋店、桃園店、新竹店、台中店、台南店、香港尖沙咀 The ONE店)に関しても安定した利益をあげられる体制が整い、新たな新規出店を見据える事で更なる利益の拡大を見込んでおります。2023年7月13日に発表した中期経営計画のとおり国内未出店地区に年間5店舗、3年間で15店舗、また同時に台湾、香港に年間1~2店舗の出店を予定しております。今後もグループの基幹事業として経済情勢をみながら積極的な成長展開と製造部門の強化を行い、利益創出をしてまいります。
オークション事業においては、定期的な国内オークションの開催にて利益を創出しており、今後は海外のオークション事業者との業務提携・資本提携を視野に入れた緊密な連携を図り、今後もNEW ARTグループの柱となるよう、国際的なオークションハウスとして積極的に事業を展開してまいります。
②ヘルス&ビューティー事業
当第2四半期連結累計期間におけるヘルス&ビューティー事業の売上高は7億78百万円(前年同期比35.0%減)、セグメント損失は2億40百万円(前期同期はセグメント損失1億32百万円)となりました。
当第2四半期連結累計期間は、抜本的な改革として不採算4店舗及び一部オフィスの解約を進め経費削減に努めましたが事業縮小に伴う売上の減少も進み前年同期を上回る損失を計上する結果となりました。業績が回復しても当社が考える友好的合併企業の条件『経常利益率10%』が見込めない為、清算の対象となり2023年11月10日の取締役会決議にて全員一致で友好的合併売却方針を決定致しました。現在具体的に複数の企業と従業員の待遇面等条件交渉を進めております。
③その他事業
当第2四半期連結累計期間におけるその他事業の売上高は1億95百万円(前年同期比29.3%増)、セグメント損失16百万円(前期同期はセグメント損失48百万円)となりました。
スポーツ事業においては、「CRAZY」ブランドで展開しているゴルフクラブの販路を拡げるため、新商品の開発や試打会などの営業活動を行いましたが、業績の回復には至らず前年同期を上回る損失を計上する結果となりました。業績が回復しても当社が考える友好的合併企業の条件『経常利益率10%』が見込めない為、清算の対象となり2023年11月10日の取締役会決議にて全員一致で友好的合併売却方針を決定致しました。現在具体的に複数の企業と従業員の待遇面等条件交渉を進めております。
軽井沢リゾート開発事業においては友好的合併をしたホテル軽井沢エレガンスがインバウンドの回復もあり業績は順調に推移しております。その他建築家隈研吾氏設計の高級分譲レジデンス事業は2024年度の売り出しに向けて着々と計画が進行中です。また、当社は旧軽井沢エリア、および中軽井沢エリアに合計約22,000㎡に及ぶ敷地を有しております。先般、国土交通省が発表した今年度の基準地価でも軽井沢は全国平均に比べ非常に高い上昇率を記録しております。現在もその値上がりは続いており、決して一過性ではない安定した需要が軽井沢という高級リゾート地域を高く評価しており、この傾向は現在も続いております。また、これらの土地は事業のために取得したものであり、土地の高騰を狙った投機的な取得ではありませんが、結果的にこれらの土地がもたらす大きな含み益(当社が所有している土地は実勢販売価格で年率15%値上がりをしており、時価6,950百万円の土地が15%値上がりした場合、年間で6,950百万円×15%=10億4,250万円の含み益が毎年発生)は、当社の財務基盤を一層強固なものにしています。そしてこの含み益は、現在進行中の高級分譲レジデンス事業の売り出し価格に大きく生かされていきます。以上のことから今後の軽井沢リゾート開発事業は更なる収益の拡大が見込まれております。
(注)各セグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高または振替高を調整前の金額で記載しています。
当社グループのセグメント別売上は、以下のとおりであります。
セグメントの名称
販売・サービスの名称など
当第2四半期連結累計期間
(自 2023年4月1日
至 2023年9月30日)
(千円)
前年同期
増減率
(%)
構成比
(%)
ジュエリー・アート・
オークション事業
ブライダルジュエリーの製造・販売、ブライダル関連サービス、美術品の販売、アートオークションの運営等
9,003,491
0.9
90.5
ヘルス&ビューティー
事業
エステティックサロンの運営、化粧品及び健康食品等の製造・販売
748,896
△37.0
7.5
その他事業
クレジット事業、ゴルフ用品の製造・販売、関連スポーツ用品の開発・製造、ホテル・結婚式場の運営・リゾート開発事業
195,624
29.3
2.0
合 計
9,948,012
△3.1
100.0
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(資産の部)
流動資産は、前連結会計年度末比12億22百万円減少(前連結会計年度末比9.3%減)し、118億81百万円となりました。これは、商品及び製品の増加5億26百万円がありました一方で、現金及び預金の減少17億46百万円などによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末比8億14百万円増加(同8.8%増)し、101億3百万円となりました。これは、土地などの有形固定資産の増加12億円がありました一方で、繰延税金資産などの投資その他の資産の減少3億61百万円などによるものであります。 この結果、総資産は前連結会計年度末比4億8百万円減少(同1.8%減)し、219億85百万円となりました。
(負債の部)
流動負債は、前連結会計年度末比5億28百万円増加(前連結会計年度末比5.9%増)し、94億23百万円となりました。これは、短期借入金の増加5億89百万円などによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末比41百万円増加(同1.0%増)し、41億43百万円となりました。これは、長期借入金の増加1億67百万円がありました一方で、資産除去債務の減少46百万円などによるものであります。 この結果、負債合計は前連結会計年度末比5億70百万円増加(同4.4%増)し、135億66百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は、前連結会計年度末比9億78百万円減少(前連結会計年度末比10.4%減)し、84億19百万円となりました。これは、剰余金の配当15億36百万円及び為替換算調整勘定の減少1億39百万円がありました一方で、親会社株主に帰属する当四半期純利益7億23百万円などによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は37.4%(前連結会計年度末は41.2%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金という)は、前連結会計年度末に比べ、17億64百万円減少し、8億63百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、80百万円(前年同期は12億99百万円の資金の獲得)となりました。これは主として、法人税等の支払額11億78百万円、棚卸資産の増加5億57百万円及び売上債権の増加1億71百万円による資金の減少がありました一方で、税金等調整前四半期純利益14億61百万円及び法人税等の還付額3億16百万円による資金の増加などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、10億63百万円(前年同期比8億39百万円増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出12億43百万円がありました一方で、長期貸付金の回収による収入2億29百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、6億47百万円(前年同期比16億35百万円減)となりました。これは主として、配当金の支払額15億29百万円がありました一方で、長期借入れによる収入8億42百万円などによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としています。
当第2四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、85億47百万円であります。また、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は8億63百万円となりました。これらのいわゆる手元流動性残高につきましては、当社の財政状態及び金融環境に応じ変動しています。
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