【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおり であります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、全体的には緩やかな回復基調で推移したものの、年度の終盤に新型コロナウイルス感染症が発生・拡大したことにより、景気は大幅に下押しされ、今後の先行きは不透明な状況となりました。また、海外経済においても米中貿易摩擦、英国のEU 離脱、中東の地政学リスク等に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による経済活動の大幅な縮小が懸念されております。当社を取り巻く事業環境については、石油業界では、燃費改善などの構造的な要因による国内需要減少への対応として、精製能力削減や稼働率の調整が行われており、石油化学業界では、国内のエチレン生産設備の稼働率は高い水準で維持されておりましたが、いずれも第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、製品需要の急速な減少が懸念される状況となりました。
また、非鉄金属業界では、銅価の下落やスマートフォン関連需要の在庫調整の影響がみられました。こうした状況下、当社グループでは、当期(2020 年3月期)も定期修理工事が堅調に推移する中、プラント強靭化対策工事、経年化対策や安定稼働のための改造・改修工事のほか、高機能製品の生産のための新規プラント建設工事などの受注確保に取り組むとともに、材料費や人件費、外注加工費の上昇要因に対して、直接工事費や経費の削減などにより個々の工事における収益性の向上に努めました。他方、当社は、2019年7月1日をもってJXエンジニアリング株式会社と合併し、同社の権利義務の一切を承継しました。これに伴い、当社の当連結会計年度末時点の資産、負債等が大幅に増加しました。当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染拡大防止のための移動の自粛や在宅勤務など事業活動の一部に制限が出たものの、懸念された業績への影響は、ほぼございませんでした。(財政状態)連結会計年度末における資産合計は、99,348,885千円で前連結会計年度末より、19,193,104千円増加しました。これは、現金及び預金が10,498,031千円減少し、受取手形・完成工事未収入金が15,398,203千円、未成工事支出金が6,099,630千円それぞれ増加したこと等によるものであります。当連結会計年度末における負債合計は、31,529,368千円で、前連結会計年度末より、637,971千円減少しました。これは、短期借入金が4,046,248千円増加し、電子記録債務が11,062,448千円減少したこと等によるものであります。当連結会計年度末における純資産合計は、67,819,517千円で前連結会計年度末より、19,831,075千円増加しました。これは、資本剰余金が10,156,120千円、利益剰余金が10,131,665千円それぞれ増加したこと等によるものであります。(経営成績)当社グループの連結の業績としましては、合併前の新興プランテック株式会社の前期との対比となりますが、受注高は前期比58.1%増の165,404,444千円、完成工事高は前期比44.4%増の140,578,849千円となりました。また、営業利益は10,040,059千円(前期比30.7%増)、経常利益は10,239,365千円(前期比29.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,258,106千円(前期比134.6%増)となりました。なお、受注高は2019年7月1日のJX エンジニアリング株式会社との合併時に、同社の受注残高をレイズネクスト株式会社の当期の受注高として受け入れたことにより、前期比で大幅に増加しております。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、合併によって生じた負ののれん発生益を計上したことから、前期比で大幅に増加しております。当社グループのうち、当社単体の業績につきましては、受注高は前期比61.2%増の155,350,618千円、完成工事高は前期比45.4%増の130,253,645千円となりました。また、営業利益は8,398,668千円(前期比28.8%増)、経常利益は8,893,694千円(前期比28.4%増)、当期純利益は11,579,904千円(前期比146.2%増)となりました。
受注高の工事種類別内訳 (単位:百万円)
受注高
前連結会計年度(2019年3月期)
当連結会計年度(2020年3月期)
前期比
増減率
エンジニアリング業
日常保全工事
26,050
31,281
5,230
20.1%
定期修理工事
44,567
48,840
4,273
9.6%
改造・改修工事
26,178
50,747
24,569
93.9%
新規設備工事
7,791
34,533
26,742
343.2%
合 計
104,588
165,404
60,815
58.1%
完成工事高の工事種類別内訳 (単位:百万円)
完成工事高
前連結会計年度(2019年3月期)
当連結会計年度(2020年3月期)
前期比
増減率
エンジニアリング業
日常保全工事
25,571
31,228
5,657
22.1%
定期修理工事
43,813
44,684
870
2.0%
改造・改修工事
22,476
41,947
19,470
86.6%
新規設備工事
5,333
22,598
17,264
323.7%
その他
136
120
△16
△12.0%
合 計
97,331
140,578
43,247
44.4%
(注)その他は、不動産の賃貸、保険代理店業務などであります。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10,453,248千円(前期比62.1%)減少し、期末残高は6,368,467千円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金収支は、6,384,779千円の支出(前年同期では9,842,906千円の収入)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益15,869,118千円、主な支出は、負ののれん発生益5,103,373千円、仕入れ債務の減少額15,269,548千円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金収支は、360,139千円の支出(前年同期では681,490千円の支出)となりました。主な支出は、有形及び無形固定資産の取得による支出1,159,712千円、主な収入は、投資有価証券の売却による収入777,744千円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金収支は、5,142,169千円の支出(前年同期では1,893,943千円の支出)となりました。主な支出は、短期借入金の純減少額2,936,000千円、配当金の支払額2,127,555千円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1) 受注実績事業セグメント別
区分
前連結会計年度(千円)
当連結会計年度(千円)
エンジニアリング業
石油・石油化学関係
66,962,246
98,560,158
一般工業関係
37,626,210
66,844,286
合計
104,588,456
165,404,444
2) 売上実績事業セグメント別
区分
前連結会計年度(千円)
当連結会計年度(千円)
エンジニアリング業
石油・石油化学関係
65,071,277
87,065,458
一般工業関係
32,123,902
53,393,309
計
97,195,179
140,458,768
その他の事業
136,506
120,081
合計
97,331,686
140,578,849
工事種類別(その他の事業除く)
区分
前連結会計年度(千円)
当連結会計年度(千円)
エンジニアリング業
日常保全工事
25,571,005
31,228,756
定期修理工事
43,813,896
44,684,878
改造・改修工事
22,476,919
41,947,105
新規設備工事
5,333,357
22,598,027
合計
97,195,179
140,458,768
(注) 1 当社グループでは、エンジニアリング業以外は受注生産を行っておりません。2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載を省略しております。3 主な相手先別の完成工事高および総完成工事高に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
完成工事高(千円)
割合(%)
完成工事高(千円)
割合(%)
ENEOS㈱
34,669,289
35.6
52,251,807
37.2
4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。5 JXTGエネルギー株式会社は、2020年6月25日にENEOS株式会社に商号変更されております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日現在の資産、負債及び期間中の収益、費用の報告額に影響する判断および見積りが要求され、過去の実績および状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。当社グループは特に以下の会計方針の適用において見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。また、会計上の見積を行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 [注記事項](追加情報)(新型コロナウイルス感染症拡大の影響)」に記載しております。
1)貸倒引当金当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定の債権については、保守的に見積った回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。取引先の財政状態及び業績が見込以上に悪化した場合等、貸倒懸念債権等の特定の債権の回収可能性の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。2)工事損失引当金当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における未引渡工事のうち損失の発生が見込まれ、且つ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事損失発生の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において工事損失の追加計上が必要となる可能性があります。3)完成工事補償引当金当社グループは、完成工事に係る瑕疵担保等の費用に備えるため、過去の経験割合に基づく一定の算定基準を基礎に、期末日現在において予定されている瑕疵担保等の費用を合理的に見積った補償見込額を加味して完成工事補償引当金として計上しております。瑕疵担保等の費用の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において補償損失の追加計上が必要となる可能性があります。4)退職給付に係る負債当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、見積りを反映した各種の仮定に基づく数理計算により算出された退職給付に係る負債を計上しております。これらの各種仮定には、割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率等が含まれており、実際の結果が見積りの前提と異なる場合、または前提が変更された場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において退職給付債務および費用に影響する可能性があります。5)繰延税金資産当社グループは、期末日後将来的に発生する課税所得を見積り、当該課税所得に係わる税金負担を軽減する効果を有すると判断した回収可能額を繰延税金資産として計上しております。将来課税所得の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産の調整額の計上により損益に影響する可能性があります。6)完成工事高及び完成工事原価の計上基準当社グループは、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事について、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事収益総額、工事原価総額及び工事進捗率の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において工事損益に影響する可能性があります。7)固定資産の減損当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価格を下回る場合には、帳簿価格を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、並びに減損損失の認識及び測定の前提となる割引前将来キャッシュ・フローの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注高(エンジニアリング業)は前期比58.1%増の165,404,444千円、完成工事高は同44.4%増の140,578,849千円、経常利益は同29.0%増の10,239,365千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同134.6%増の12,258,106千円となりました。1)受注高および完成工事高受注高(エンジニアリング業)が前期比で60,815,987千円、完成工事高が同43,247,163千円それぞれ増加しました。受注高は、2019年7月1日のJXエンジニアリング株式会社との合併時に、同社の受注残高をレイズネクスト株式会社の当期の受注高として受け入れたことにより、大幅に増加いたしました。完成工事高は、受注高の要因に連動して増加いたしました。2)営業利益営業利益は、上記の完成工事高の増加に伴い、前期比で2,356,558千円増加の10,040,059千円となりました。3)営業外損益営業外損益においては、支払利息、為替差損の増加により、利益が前期比で56,562千円減少いたしました。4)特別損益特別損益においては、投資有価証券売却益、負ののれん発生益の計上により、利益が前期比で5,719,886千円増加いたしました。5)親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益が増加したことにより前期比で7,032,829千円増加いたしました。
・経営成績に重要な影響を与える要因経営成績に重要な影響を与える要因については、2.「事業等のリスク」に記載したとおりであります。当社グループを取り巻く環境は、国内の石油製品の需要減少、国内生産設備の能力余剰対策の一環としてメンテナンス費用および設備投資の抑制により、経営環境は楽観できない状況が続くものと予想されます。
・資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10,453,248千円(62.1%)減少し、期末残高は6,368,467千円となりました。概要については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー施策として、JXエンジニアリンク株式会社との経営統合により、新規分野、新規事業への参入により、健全なキャッシュ・フローを維持できる収益の確保に努めてまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、金融機関との取引関係の維持、調達先の分散など、資金調達リスクを軽減するため様々な対策をとっております。
・ 経営戦略の現状と見通し当社グループは、1.「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおり、レイズネクスト株式会社として、第1次中期計画を策定し、2019年度から2020年度までの2年間を統合シナジー効果創出のための融合期間と捉え、経営目標の達成と企業価値の向上に向けて着実に施策を実行してまいります。なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、現時点で業績に与える影響を合理的に算出することが困難なことから業績予想には織り込んでおりません。
