【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場について、株式会社電通の調べによれば、2021年のインターネット広告費は、新型コロナウイルス感染症の影響が下半期にかけて緩和し、広告市場全体が大きく回復した結果、2兆7,052億円(前年比21.4%増)に達し、「マスコミ四媒体広告費」の総計2兆4,538億円を初めて上回りました。
また、「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」および「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、動画広告やソーシャル広告の伸びが成長を後押しし、2兆1,571億円(同22.8%増)となり、このうち、インターネット広告媒体費において取引の主流となっている運用型広告費は、1兆8,382億円(同26.3%増)となり、インターネット広告媒体費全体の85.2%となりました。
こうした環境のもと当社グループでは、①メディアコミュニケーションを中心に広告の販売及びソリューションを提供する「マーケティングソリューション事業」、②広告配信プラットフォームを運営する「アドプラットフォーム事業」、③メディア・ソリューションの提供や、EC・ゲーム・人材領域でのサービスを運営する「コンシューマー事業」の3セグメントにおいて事業を展開し、持続的な成長を実現するべく当社グループ全体での垂直統合を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高25,940百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は運用型テレビCMプラットフォーム「テレシー」やD2C領域での積極的な先行投資のため広告宣伝費が増加したこと等により2,418百万円(同51.4%減)、経常利益3,036百万円(同45.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益による特別利益を計上したこと等により3,035百万円(同2.2%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。
また、当連結会計年度より、従来の「パートナーセールス事業」セグメントを「マーケティングソリューション事業」セグメントに名称を変更しているほか、組織再編に伴い、「マーケティングソリューション事業」セグメント及び「アドプラットフォーム事業」セグメントに含まれていた一部の事業について、両セグメント間で区分を変更しております。そのため、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告セグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
また、当連結会計年度より、組織再編に伴い、共通費の配賦方法を一部見直し、事業セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、共通費の配賦方法の一部見直しによる影響が軽微であるため、変更前の共通費の配賦方法により開示しております。
(マーケティングソリューション事業)
マーケティングソリューション事業では、メディアコミュニケーションを中心に広告枠の販売及びソリューションの提供を行っております。運用型広告や販促・EC関連サービスへの取り組みに加え、自社商材・ソリューションの販売拡大等による新たな収益源の獲得や販売体制の強化への取り組みを行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度におけるマーケティングソリューション事業の売上高は、大手広告主の広告出稿需要が落ち込んだこと等により11,712百万円(前年同期比6.1%減)、セグメント利益は、積極的な人員採用により人件費や採用費が増加したこと等により1,985百万円(同37.2%減)となりました。
(アドプラットフォーム事業)
アドプラットフォーム事業では、運用型広告プラットフォームとして「Zucks」、「PORTO」、「テレシー」等の運営を、メディア支援サービスとして「fluct」等の運営を行っております。各プラットフォーム及びサービスにおける機能の向上・拡充に取り組むとともに、顧客企業の需要を取り込み、堅調に推移いたしました。
この結果、当連結会計年度におけるアドプラットフォーム事業の売上高は7,088百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益は、運用型テレビCMプラットフォーム「テレシー」の積極的な先行投資のための広告宣伝費が増加したこと等により944百万円(同37.1%減)となりました。
(コンシューマー事業)
コンシューマー事業では、「ECナビ」「PeX」「デジコ」を中心としたメディア・ソリューションの提供のほか、EC・ゲーム・人材領域等でのサービスの運営を行っております。メディア・ソリューションにおいては、既存メディアの規模拡大に取り組み、EC・ゲーム・人材領域等においては、特に成長しているD2C領域への取り組み強化を推進するための積極的な先行投資を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度におけるコンシューマー事業の売上高は7,176百万円(前年同期比7.2%増)、セグメント損失は、D2C領域での積極的な先行投資のため広告宣伝費が増加したこと等により511百万円(前年同期はセグメント利益312百万円)となりました。
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産の額は、前連結会計年度末より4,936百万円減少し、50,440百万円となりました。これは、主に現金及び預金並びに売掛金の減少によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の額は、前連結会計年度末より4,650百万円減少し、22,969百万円となりました。これは、主に買掛金と未払法人税等及び賞与引当金の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の額は、前連結会計年度末より285百万円減少し、27,471百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したものの、その他有価証券評価差額金が減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,929百万円減少し、16,101百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,886百万円の減少(前年同期間は7,102百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上により増加したものの、法人税等の支払額及び賞与引当金の減少により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは698百万円の減少(前年同期間は765百万円の減少)となりました。主な要因は、有価証券及び投資有価証券の取得による支出により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2,504百万円の減少(前年同期間は1,215百万円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払及び自己株式の取得により資金が減少したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は多岐にわたっており、受注生産形態をとらない事業も多いことから、セグメント別に生産の規模及び受注の規模を金額あるいは数量で示すことが馴染まないため、記載しておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
マーケティングソリューション事業(百万円)
11,712
△6.1%
アドプラットフォーム事業(百万円)
7,052
+6.1%
コンシューマー事業(百万円)
7,176
+7.2%
合計(百万円)
25,940
+0.5%
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.直近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
㈱電通デジタル
3,919
15.2
3,452
13.2
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における経営成績等の状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
また、2019年2月14日に公表した、2019年から2022年までの4ヶ年の中期経営計画「CARTA 2022」の初年度から4年目となる当連結会計年度までの達成・進捗状況は以下のとおりです。
期 間
EBITDA
(百万円)
計 画
実 績
2019年1月1日~2019年12月31日
3,100
4,084
2020年1月1日~2020年12月31日
3,700
4,527
2021年1月1日~2021年12月31日
4,500
6,703
2022年1月1日~2022年12月31日
7,600
6,093
※ EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)は、税金等調整前当期純利益に支払利息、減価償却費、償却費、のれん償却費、固定資産除却損、減損損失及び前渡金評価損を加えた金額です。
※ 2022年の計画数値は、当初計画の6,000百万円を2021年に1年前倒しで達成したことを受けて7,600百万円に上方修正したものです。
最重要指標であるEBITDAは、初年度から3年目までの連結会計年度において当初の計画を上回る実績で進捗しておりましたが、最終年度となる当連結会計年度においては計画を下回る結果となりました。これは主に、積極的な人材採用とプロモーション等により販管費が増加したことにより営業利益が減益したことによるものであります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
資金需要及び資金調達につきましては、当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービス及び新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施致します。
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