【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度の経営成績は、売上高19,376百万円(前期比46.6%増)、営業利益1,959百万円(前期比256.7%増)、経常利益1,655百万円(前期比413.7%増)、当期純利益1,155百万円(前期比405.1%増)となりました。
主要セグメントである不動産開発事業においては、新築分譲マンション「サンウッド瀬田一丁目」、「サンウッドウエリス品川御殿山(共同事業)」の全住戸の竣工引渡しが完了し、売上を計上いたしました。また、新築収益不動産「WHARFシリーズ」においては、一棟商業ビル「WHARF銀座4丁目プロジェクト(以下PJ)」、一棟賃貸マンション「WHARF志茂PJ」など、物件の立地や特性を生かし、市場のニーズに適した収益性の高い6物件全てが計画通りに引渡しが完了し、かつ、当初計画を上回る価格で売却できたことで、大幅な増収増益につながりました。
特に当期純利益においては、創業来過去最高となり、当期に公表した中期経営計画の初年度としては、想定を上回る実績となりました。
売上総利益率は18.4%となり、前期比で2.3ポイント上昇しました。これは主に、当期は不動産開発事業において新築収益不動産「WHARFシリーズ」が高利益率での売却できたPJ数が多かったこと、また、新築分譲マンション「サンウッド瀬田一丁目」が早期契約完売となり、利益を大きく確保できたことによるものであります。
販売費及び一般管理費は、1,607百万円(前期比2.0%増)となりました。これは主に、新築分譲マンションの販売進捗が好調に推移したことで広告宣伝費は減少しましたが、「WHARFシリーズ」や、不動産再生事業セグメントにおける中古収益不動産等の売上高増加に伴い、売却時の販売手数料が前期に比べて増加したことが要因であります。
販売面においては上記のとおり、新築分譲マンションの販売は顧客の需要を捉えた商品企画であったことで、特に「サンウッド瀬田一丁目」は販売活動開始から約2ヵ月で竣工前契約完売となり、また、「サンウッドウエリス品川御殿山(共同事業)」についても計画通りに販売が進捗し、両物件共に全住戸引渡が完了しました。次期に竣工引渡予定である「サンウッド元代々木町」「サンウッドフラッツ神田神保町」についても、契約状況は好調に進捗しております。新築収益不動産「WHARFシリーズ」においては、販売戦略が奏功し、当期竣工した「WHARF志茂PJ」「WHARF神宮前PJ」等の4PJ全てが竣工前に契約完売することができました。次期に竣工引渡予定である「WHARF板橋本町PJ」をはじめとする一棟賃貸マンション4PJも契約が完了しており、販売進捗は好調に推移しております。
仕入面においては、新築分譲マンション用地として「信濃町PJ」「西荻北PJ」「西尾久PJ」「吉祥寺南町PJ」「府中八幡町PJ」等を新たに取得しました。また、「WHARFシリーズ」用地として、「神宮前2丁目PJ」「渋谷円山町PJ」等も取得しました。この結果、当期末の棚卸資産の残高は前期末に比べ3,639百万円増加しており、中期経営計画達成に向け、仕入状況は順調に進捗しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。2022年9月に策定した中期経営計画を踏まえ、当事業年度より、「不動産開発事業」、「不動産再生事業」、「賃貸事業」の3つを報告セグメントといたしました。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
なお、各セグメントのセグメント利益は、売上総利益ベースの数値であります。
Ⅰ 不動産開発事業
当社の主要セグメントである不動産開発事業は、売上高は13,606百万円(前期比93.5%増)、セグメント利益は2,657百万円(前期比138.0%増)となりました。新築分譲マンションにおいては、当期に竣工した「サンウッド瀬田一丁目」「サンウッドウエリス品川御殿山(共同事業)」の全住戸の引渡しにより売上を計上しました。これにより新築分譲マンションの完成在庫は期末時点にてゼロとなりました。また、新築収益不動産「WHARFシリーズ」においては、前期に竣工引渡しを見込んでいた「WHARF赤坂田町PJ」「WHARF神田三崎町PJ」に加え、当期に竣工した「WHARF銀座4丁目PJ」「WHARF赤坂福吉町PJ」「WHARF志茂PJ」「WHARF神宮前PJ」の引渡しにより売上を計上しました。これらの新築収益不動産「WHARFシリーズ」は、前期に引渡しがなかったこともあり、大幅な増収増益となりました。
Ⅱ 不動産再生事業
不動産再生事業は、売上高4,984百万円(前期比12.1%減)、セグメント利益は604百万円(前期比16.9%減)となりました。中古区分マンションを取得し、改修した上で販売するリノベーション事業においては、販売は順調に進捗したものの、売上高は過去最高の業績となった前期にはわずかに届かない結果となりました。また、ここ数年新たな取組みとして行っている中古収益不動産を取得し、バリューアップした上で販売する事業は、前期に比べて売上高が拡大しております。前期は、賃貸事業セグメント資産の入れ替えを行い、賃貸マンション2棟を不動産再生事業において販売したことで、前期比では減収減益となりました。今後も資材高騰や内装工事代等の上昇が懸念されることなどを踏まえ、市況を注視しつつ、増収増益を目指してまいります。
Ⅲ 賃貸事業
賃貸事業は、売上高は455百万円(前期比9.5%増)、セグメント利益は272百万円(前期比13.4%増)となりました。当事業は長期保有を目的とした賃貸用不動産の賃貸収入のほか、不動産開発事業における開発開始前の不動産から生じる賃貸収入や、中古収益不動産再生事業の保有中に得られる賃貸収入等の売上を計上しております。各セグメントにおける不動産の取得や売却及び開発の開始等により、売上高及びセグメント利益は増減しますが、現在保有中の物件の稼働率は、引き続き好調に推移しており、安定的な収益を確保しております。
Ⅳ その他
リフォーム、仲介等のその他に含まれる事業の売上高は329百万円(前期比233.8%増)、セグメント利益は32百万円(前期比19.7%減)となりました。新築分譲マンションの設計変更工事の売上高は増加しましたが、利益率の高い仲介事業の手数料収入が減少したことで、増収減益となりました。
前事業年度
(自
2021年4月1日
至
2022年3月31日)
当事業年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
増減
(増減率)
売上高
13,215百万円
19,376百万円
6,161百万円
(46.6%)
営業利益
549
1,959
1,410
(256.7%)
経常利益
322
1,655
1,333
(413.7%)
当期純利益
228
1,155
927
(405.1%)
また、財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は30,326百万円となり、前事業年度末に比べ3,782百万円増加しました。これは主に不動産開発事業における新規物件の仕入等に伴い仕掛品が3,632百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は24,640百万円となり、前事業年度末に比べ2,802百万円増加しました。これは主に不動産開発事業の新規事業用地の仕入等に伴い借入金が1,564百万円増加したこと、買掛金が518百万円増加したこと及び未払法人税等が446百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は5,686百万円となり、前事業年度末に比べ980百万円増加しました。これは主に当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。これにより自己資本比率は18.7%となり、前事業年度末比で1.0ポイント上昇しました。
前事業年度
(2022年3月31日)
当事業年度
(2023年3月31日)
増減
(増減率)
資産合計
26,543百万円
30,326百万円
3,782百万円
(14.3%)
負債合計
21,837
24,640
2,802
(12.8%)
純資産合計
4,706
5,686
980
(20.8%)
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の「現金及び現金同等物」(以下「資金」という。)は2,377百万円となり、前事業年度末に比べ456百万円増加しました。不動産開発事業において複数プロジェクトの売上を計上したことにより資金を獲得し、その資金の一部を当該プロジェクトに係る借入金の返済に充当いたしました。また、当事業年度は多くの新規プロジェクトの事業用地を仕入れ、それに伴う借入れを行っております。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は830百万円(前期比87.0%減)となりました。これは、多くの新規プロジェクトの仕入に伴う棚卸資産の増加により資金が減少したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は79百万円(前期比1,248.7%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出により資金が減少したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は1,367百万円(前期比79.0%減)となりました。これは、新規プロジェクトの仕入に伴い借入金が増加し、資金が増加したことが主な要因であります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
2020年3月期
(参考)
2021年3月期
(参考)
2022年3月期
2023年3月期
自己資本比率(%)
21.1
23.7
17.7
18.7
時価ベースの自己資本比率(%)
9.6
13.8
9.5
10.8
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
96.1
15.5
-
-
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
0.9
5.5
-
-
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(1) 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(2) キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(3) 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いはキャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 2022年3月期及び2023年3月期は営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
③ 販売及び受注の実績
a.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
区分
当事業年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
金額(千円)
増減率(%)
(1) 不動産開発事業
13,606,818
93.5
(2) 不動産再生事業
4,984,171
△12.1
(3) 賃貸事業
455,355
9.5
(4) その他の事業
329,733
233.8
合計
19,376,078
46.6
b.契約実績
当事業年度の契約実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
区分
当事業年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
期首契約残高
期中契約高
増減率
期末契約残高
増減率
金額(千円)
金額(千円)
(%)
金額(千円)
(%)
(1) 不動産開発事業
4,193,776
19,144,921
147.5
9,731,879
132.1
(2) 不動産再生事業
223,139
4,962,931
△13.3
201,899
△9.5
(3) 賃貸事業
-
455,355
9.5
-
-
(4) その他の事業
54,958
352,569
157.0
77,794
41.6
合計
4,471,874
24,915,778
77.9
10,011,573
123.9
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の財政状況及び経営成績等は、以下のとおりであります。
a.経営成績の分析
当社の経営成績の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
販売費及び一般管理費は、新築分譲マンションの販売においては、販売開始時期に広告宣伝費が多く発生しますが、竣工引渡時期に対して約1年以上先行して販売活動を行うため、売上計上と費用計上の事業年度がずれる傾向があります。次期以降の事業計画に変更があった場合には、当該事業年度影響があります。
b.財政状態の分析
当事業年度末における資産合計は30,326百万円(前期末比3,782百万円増)、負債合計は24,640百万円(前期末比2,802百万円増)、純資産合計は5,686百万円(前期末比980百万円増)となりました。
不動産開発事業において複数物件を売却し、当該物件に係る借入金を返済しました。前事業年度から引続き仕入が好調に進捗したことで、棚卸資産は3,639百万円増加しました。これらの仕入に伴い、借入金は1,564百万円増加しております。
不動産開発事業は土地の取得から販売まで相当の期間を要するため、保有期間中は棚卸資産及び借入金の残高が大きくなります。その影響で自己資本比率は低下する傾向がありますが、当事業年度末においては創業来最高の当期純利益を計上したことで、自己資本比率は18.7%となり、前事業年度末比で1.0ポイント上昇しました。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、中期経営計画(2023年3月期~2028年3月期)を策定し、2028年3月期に売上高30,000百万円、経常利益2,100百万円を目標として掲げております。
当事業年度の目標値である売上高18,240百万円、経常利益930百万円に対し、実績値は19,376百万円(達成率106.2%)、経常利益1,655百万円(達成率178.1%)となり、好調な滑り出しとなりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社の事業資金需要のうち、主なものは不動産開発事業における事業用地の取得費及び建築費のほか、不動産再生事業における中古不動産の取得費、各事業における販売費及び一般管理費等の運転資金であります。また、投資を目的とした資金需要は、賃貸事業における収益物件の取得費等があります。
当社は事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、主に金融機関からの借入により資金調達をしております。不動産開発事業は用地の取得から売却による資金回収までに相当の期間を要するため、個々のプロジェクトに応じ、その大半を長期借入金にて調達しております。これにより、借入金残高は総資産に対し高い割合となる傾向がありますが、プロジェクトの規模及び期間に連動して借入を実行しているため、安定した財務バランスであると考えております。なお、当事業年度末における棚卸資産の残高は22,996百万円、有形固定資産の賃貸用不動産の残高は4,505百万円、借入金及び社債等を含む有利子負債の残高は21,265百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該の見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等
注記事項
(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
