【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
イ.経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)における世界経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大、資源価格及び物流費の高騰、並びに従来からの半導体の供給不足等にウクライナ情勢によるサプライチェーンの混乱が拍車をかけたことに加えて、物価上昇による消費低迷の影響により、経済活動の停滞が鮮明になりました。米国経済は、資源価格の高騰等の影響によるインフレの進行に加えて、利上げペースの加速により個人消費が減速し停滞しました。欧州経済は、各国の都市封鎖をはじめとする感染予防対策の緩和による経済活動の正常化に一服感が見られ、エネルギー価格の高騰によるインフレやウクライナ情勢及びサプライチェーンの混乱、各国の利上げによる個人消費の低迷等の影響により減速しました。我が国経済は、感染予防対策の緩和による経済活動の正常化により緩やかに回復しましたが、各国の利上げの影響により大幅な円安が進行しました。新興国経済は、中国経済は回復傾向にあるものの、新型コロナウイルスの感染再拡大による都市封鎖に伴う経済活動の停滞等の影響により成長ペースは鈍く、全体として緩やかな回復に留まりました。
当社グループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、半導体の供給不足等による自動車の生産調整、また中国における都市封鎖によるサプライチェーン混乱の影響により減速が見られました。ライフ・インダストリー機器市場は、一部の用途において巣ごもり需要の一服により需要が減少しましたが全体として堅調に推移しました。
このような景況下、当社のモーター販売実績は、数量では前年同期比4.2%の減少、金額では前年同期比13.1%の増加となりました。これらの結果、当第3四半期売上高は、1,145億6千8百万円(前年同期比13.1%増)となり、その大半を占めるモーター売上高は、1,145億6千4百万円(前年同期比13.1%増)となっております。
セグメント別の売上高は、「日本」セグメントは98億4千4百万円(前年同期比5.4%増)、「アジア」セグメントは561億5千3百万円(前年同期比9.8%増)、「アメリカ」セグメントは211億1千4百万円(前年同期比13.3%増)、「ヨーロッパ」セグメントは274億5千6百万円(前年同期比23.5%増)であります。
営業利益につきましては、為替レートが前年同期と比べ円安で推移したことや売価・プロダクトミックスの改善等の増益要因はあったものの、販売数量の減少、市況品の上昇等の減益要因がこれを上回り、74億2千8百万円(前年同期比33.2%減)となりました。
セグメント別の利益又は損失は、「日本」セグメントは4億7千4百万円の損失(前年同期は45億6千4百万円の利益)、「アジア」セグメントは72億2千3百万円の利益(前年同期比2.7%減)、「アメリカ」セグメントは2億8千2百万円の損失(前年同期は5億7千万円の利益)、「ヨーロッパ」セグメントは1億3百万円の損失(前年同期は4億6千3百万円の損失)、セグメント間取引消去による調整額は10億6千5百万円(前年同期は△9億7千7百万円)であります。
経常利益は、営業利益が減少する一方、外貨建資産・負債の期末評価における円安に伴う為替差益の計上等により、201億1千3百万円(前年同期比29.5%増)となりました。税金等調整前四半期純利益は195億4百万円(前年同期比28.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は142億4千3百万円(前年同期比29.9%増)となりました。
次に、モーターの用途別市場動向と販売状況についてご説明いたします。
① 自動車電装機器市場
売上高は846億4千3百万円(前年同期比14.0%増)と増加しました。中型電装用途では、パワーウインドウ用は、ウクライナ情勢及び新型コロナウイルスの感染再拡大による中国の都市封鎖の影響により、電子部品の供給制約及び物流混乱が生じ、自動車生産が低迷したことを受け減少しました。一方でパワーシート用は堅調に推移、またパーキングブレーキ用等が搭載車種の拡大により増加し、円安の影響等も加わり全体として堅調に推移しました。小型電装用途では、ドアロック及びヘッドライト用は、自動車生産が低迷したことを受け減少した一方で、ミラー及びエアコンダンパー用が堅調に推移し、円安の影響等も加わり全体として増加しました。
② ライフ・インダストリー機器市場
売上高は299億2千万円(前年同期比10.6%増)と増加しました。事務機器用は在宅勤務の需要が継続し横ばい、理美容及び家電・工具・住設用は巣ごもり需要の一服により減少した一方で、健康・医療用は歯ブラシ用中高級セグメントの堅調な推移に加えて、人工呼吸器用をはじめとするマブチエレクトロマグ製品の貢献により大幅に増加し、円安の影響等も加わり全体として増加しました。
ロ.財政状態の分析
当第3四半期末における総資産は、前連結会計年度末に対して313億3千6百万円増加し、3,170億4千万円となりました。前連結会計年度末に対し変動の大きかった主なものは、棚卸資産の増加133億7千万円、有形固定資産の増加105億7千1百万円、受取手形及び売掛金の増加84億3千8百万円等であります。
負債合計は、前連結会計年度末に対して1億1千6百万円減少し、256億7千8百万円となりました。前連結会計年度末に対し変動の大きかった主なものは、その他の流動負債の増加13億6千9百万円、未払法人税等の減少19億1千7百万円等であります。
純資産合計は、前連結会計年度末に対して314億5千3百万円増加し、2,913億6千2百万円となりました。為替換算調整勘定が285億7百万円増加、利益剰余金が27億8千3百万円増加しました。
自己資本比率は、前連結会計年度末の90.9%から当第3四半期末は91.9%となっております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、39億9千3百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。