【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
第3四半期累計期間における当社を取り巻く環境は、引き続き円安や資源高による影響を受けながらも、前年比で増収増益となりました。主な要因として、在庫を有効活用し主力原料の輸入量を調整した一方で、アサイー需要が再拡大する中、一部商品の値上げを行いながらも、当社製品の導入を推し進められたことが、結果として円安市況における前年比での増収増益となっております。
当第3四半期累計期間では、売上高は568,355千円(前年同期比102.3%)、売上総利益は207,552千円(前年同期比110.4%)となり、第3四半期期間(10月-12月)においては、昨年を上回る約10,000千円(前年同期比106.2%)の売上増加及び約14,000千円(前年同期比125.7%)の売上総利益を確保することができました。費用については、前述の成長投資の継続により、67,370千円の先行投資を行いましたが、それを除くと70,454千円の利益改善となっております。
急激な環境変化に柔軟に対応し、魅力的な新製品や販促キャンペーンを投下したことにより第4四半期から来期にかけても、さらに成長をドライブさせるべく引き続き取り組んでおります。特に短期的には、香港発祥の台湾で人気を博しているスイーツをボトリングした新商品「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」を発売し、大手会員制倉庫店を中心に好調に推移しております。
アサイーリバイバル戦略では、アサイーの造血機能性や抗炎症機能性は引き続き軸としつつ、盛り上がりを見せているフェムテック市場に向けて展示会などへの参加を積極的に行い、フルッタアサイーEPOFe®がFemtech Japan Award2022でブロンズ賞を受賞し、食品として唯一の受賞となるなど話題を集めています。また、研究開発に関しては、引き続きアサイーの造血機能について研究を行っており、順調に進行しております。既存戦略では、引き続き外食チャネルが好調に推移し、アサイーの再拡大をけん引していることに加え、スムージーやゼリーなど一般食品向けの原料採用も増加傾向にあり、再拡大の傾向がさらに強まりつつあります。
アグロフォレストリーGX戦略では、食品業界初の商品へのCO₂削減マーク・削減量の表示した商品の準備を進めており、第4四半期には新商品の発売を予定しております。また、サステナブルな資源調達への興味・関心がより一層高まる中、今までの製造メーカー中心の取引から、小売業など他業種からの依頼を受ける機会も多くなってきており、アグロフォレストリーが注目されつつある中で、これらの時代の流れを確実に取り込み、将来のプラットフォーム化に向けて取り組んでまいります。他、各戦略を支える研究・開発面では、急激な市況変化に柔軟に対応するため、国内加工品をブラジル加工に切り替えることによるコストダウンを計画しております。
一方、販売費及び一般管理費につきましては、第3四半期期間(10月-12月)においては、約5,000千円の削減ができているものの、前年同期で26,469千円増加しました。その主な要因は、前事業年度より取り組んでおります5カ年計画を達成するための先行投資の増加33,370千円になります。前年同期を上回ることとなりましたが、コスト削減においても約7,000千円の削減に成功しております。内訳として、物流コストとして、倉庫業者の選定や在庫消化促進により倉庫保管料が10,000千円減少しておりますが、販売促進による販促コストの増加が3,000千円あります。
結果として、第3四半期期間(10月-12月)では、営業損失は81,311千円(前年同期は営業損失101,368千円)、経常損失は、72,699千円(前年同期は102,830千円)となり、第3四半期累計期間では、営業損失は261,960千円(前年同期は営業損失255,086千円)、営業外収益として為替相場の変動により為替差益7,400千円計上しており、経常損失は255,021千円(前年同期は経常損失257,868千円)、当期純損失は255,734千円(前年同期は当期純損失258,818千円)となりました。
ⅰ.財政状態
当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ273,392千円減少したことで、1,240,921千円となりました。この主な要因は現金及び預金が168,452千円及び投資有価証券の時価評価額が124,975千円減少したこと等によるものであります。
当第3四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて107,317千円増加したことで、314,044千円となりました。この主な要因は買掛金が90,707千円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて380,710千円減少したことで、926,876千円となりました。この主な要因は四半期純損失が255,734千円及びその他有価証券評価差額金が124,975千円減少したこと等によるものであります。
ⅱ.経営成績
当社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。事業部門別の売上高は次のとおりであります。当第3四半期会計期間より商流等を鑑み区分を変更しております。また、当第3四半期累計期間については、当期首より区分変更し、前年同期比についても同様に区分変更した上で比較しております。
リテール事業部門に関しては、量販店では主力のフルッタアサイーシリーズを中心に採用店舗が増加しており、売上高が増加する一方で、質販店(プレミアム業態)では新型コロナウイルス感染症の反動が高単価業態に関しては逆風となり、売上高は減少いたしました。一方で、大手会員制倉庫店を中心に、前述の新商品「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」を発売し、売上拡大に貢献いたしました。同商品は、発売直後から多くのメディアにも取り上げられており、今後も売上の伸張が見込まれるため、他のチャネル含め今後も積極的に拡売してまいります。
また、同様の台湾製造品である台湾フルーツティーの取り扱い企業が引き続き増加していることや、ココナッツヨーグルトが堅調に推移しているなど、アサイー以外の商品販売も順調に推移しております。
この結果、リテール事業部門全体の売上高は、第3四半期期間(10月-12月)において12,426千円(前年同期比116%)増加し、当第3四半期累計期間において236,361千円(前年同期比98.2%)となりました。
業務用事業部門に関しては、外食向け原料販売では、引き続き経済活動の活発化の追い風もあり、大手カフェチェーンやレストランチェーン向けの販売は好調に推移しておりますが、一方で個店向けの業務用通販サイトBIZWEBにおいては10月に実施した価格改定の影響もあり、伸びが鈍化する結果となりました。今後は、アサイーの従来の価値訴求に加え、代替肉をはじめとした植物性タンパク質訴求食品における血液代替原料となり得る価値の訴求や、アマゾンフルーツを活用したアプリケーション開発の強化により、新たな価値訴求を武器に展開してまいります。
また、メーカー向け原料販売では、一般食品向けに関しては、大手小売業向け商品への採用などもあり好調に推移しておりますが、健康食品向けに関しては厳しい状況が続いております。
この結果、業務用事業部門の売上高は、第3四半期期間(10月-12月)において63千円(前年同期比100.1%)増加し、当第3四半期累計期間において223,453千円(前年同期比106.3%)となりました。
DM(ダイレクトマーケティング)事業部門に関しては、チャネルとして新型コロナウイルス感染症の反動減が続く中、自社ECだけでなく、大手プラットフォームへの取り組み強化を行いましたが、当第3四半期より実施した価格改定による影響を受けた結果、売上高は横ばいという結果となりました。当社といたしましては、アサイーを中心とした健康価値に優れた原料をベースとした事業の成長において、このECチャネルでの伸びは欠かせないものだと考えており、プラットフォームでの拡売、チャネル特性に合った商品開発などを早急に進めております。前述の新商品「楊枝甘露(ヨンジーガムロ)」に関しても、ECチャネル戦略の見直しによる露出強化で、第4四半期に売上拡大に貢献する見込みであります。
また、CO₂削減量の可視化取り組みをさらに推進すべく、食品業界初の商品への削減マーク・削減量の表示した商品の先行発売を第4四半期にECにて予定しております。
この結果、DM事業部門全体の売上高は、第3四半期期間(10月-12月)において261千円(前年同期比99%)減少し、当第3四半期累計期間において92,879千円(前年同期比100.1%)となりました。
海外事業部門に関しては、主力のカカオ豆が昨シーズン豊作であったのに対し、今シーズンは現地ブラジルが天候不順に見舞われており、年度合計では昨年を上回る予定となっているものの、収穫量の減少による、売上減少が見込まれます。当社カカオビジネスはCO₂削減量の観点から見ても大きな役割を担っており、引き続きCAMTAと協力しながらカカオ豆の増産に取り組んでまいります。
また、全世界的な原料の不足や高騰する現状に対して、当社の特徴である現地生産者と直接繋がっているという利点を活かし、当社にしかできないソリューションを提供することで、売上拡大を図ってまいります。
この結果、海外事業部門の売上高は、第3四半期期間(10月-12月)において1,479千円(前年同期比86%)減少し、当第3四半期累計期間において15,661千円(前年同期比139.5%)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、14,793千円であります。
なお、当第3四半期累計期間における当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。