【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間における当社を取り巻く環境は、第1四半期に引き続き、円安や資源高に直面しながらも、活動制限の緩和を受けた経済活動の活発化などにより、事業部門ごとに異なった影響を受ける結果となりました。例えば、外出機会の増加からくる外食チャネルでの採用が増えており、アサイーの需要が再拡大している一方でコロナ特需の反動減により小売店売上が減少するなど、売り場の変化に対応を余儀なくされました。一方で量販店を中心とした対応が遅れており、下期から来期にかけた新商品や販促キャンペーンを計画しております。また、長引く円安への対策としては、在庫を有効活用し主力原料の輸入量を調整することで、為替による影響を最小限に抑制することが出来ました。
このような状況の中、当第2四半期累計期間では、売上高は前年同期比100.7%の383,593千円、売上総利益は前年同期比103.9%の136,635千円となりました。急激な環境変化に柔軟に対応したことで、昨年並みの売上及び粗利益を確保できました。魅力的な新製品や販促キャンペーンが控えており、下期から来期にかけてさらに成長をドライブさせるべく取り組んでおります。昨年は実施していなかった成長投資を実施している関係で(6月30日開示内容: 6月30日開示:事業計画及び成長可能性に関する事項)、58,252千円の先行投資を行った影響で、営業利益は昨対で26,930千円の減益となりましたが、該当の先行投資額を除くと、粗利改善およびコスト削減により実質約31,000千円の利益改善となりました。アサイーリバイバル戦略では、アサイーの造血機能性や抗炎症機能性は引き続き軸としつつ、様々な媒体で取り上げられたアサイー全般の健康価値に関する情報を活用し、購入動機に繋げるなど、アサイー全体及び商品訴求の広告投下などによる露出の強化をおこなっております。これら露出はフェムテック市場への注目の高まりとともに、各種雑誌媒体やメディアで300件を超える、アサイーに関する情報や記事を掲載いただきました。また、研究開発に関しては、引き続きアサイーの造血機能について研究を行っており、順調に進行しております。既存戦略では、外食チャネルを中心に再拡大しているアサイーを使用したメニューを、他企業や他チャネルへ水平展開することで、点を線から面にする作業を進めております。アグロフォレストリーGX戦略では、6月より先行してオンラインショップで展開しておりましたCO₂削減量可視化の好評を受けて、食品業界初の商品への削減マーク・削減量の表示を検討しております。また、急激な環境変化への対応策として、成長をドライブさせる原資と適正な利益の確保を目的とした、一部商品の価格改定を計画することで、売上高を増加させつつ、適切な利益を確保する体制を構築してまいります。
また、当社では中長期成長戦略の中で、研究・開発を重要な取組みと位置付けております。当期は、アサイーに対する消費者のニーズを捉えた新商品の開発や、当社で売上の伸長を続けている商品の新シリーズの開発を進行して参りました。短期的には、台湾シリーズ第3段として現地で人気を博しているスイーツをボトリングした新商品が発売を控えており、大手取引先を中心とした展開を予定しております。アサイー関連商品では、飲料のみならず、アサイー需要の再深耕をすべく、自宅で手軽に取り入れられる新商品の開発が完了いたしました。新商品には、先に述べた通り、来春商品からCO₂削減量表示も予定しており、消費者への当社の取組みの可視化を推進して参ります。他、国内加工品をブラジル加工に切替ることで、円安環境下でも利益改善に寄与すべく開発を行っております。また、代替肉の品質改善を目的とした、「森の血液」(当社の登録商標)であるアサイーの有効成分による 特許出願(特願 2022― 118666)を行いました。本特許出願により、アサイーが植物性タンパク質訴求食品における血液代替原料となり得る新たな価値が創出されました。この発明によりアサイーがフルーツや嗜好品に留まらない「一般食材」として発展する可能性が見出され、用途が飛躍的に拡大することが見込まれます。 引き続き、本特許に関するアサイーの機能解明に向けて更なる研究を進めてまいります。
一方、販売費及び一般管理費につきましては、前年同期で32,020千円増加しました。その主な要因は、前事業年度より取り組んでおります5カ年計画を達成するための先行投資58,252千円になります。前年同期を上回ることとなりましたが、コスト削減においても約26,000千円の削減に成功しております。内訳として、物流コストとして、倉庫業者の選定や在庫消化促進により倉庫保管料が10,000千円減少、販促コストの有効活用により約6,000千円、業務委託費の削減が約10,000千円となっております。
結果として、営業損失は180,648千円(前年同期は営業損失153,718千円)、経常損失は182,322千円(前年同期は経常損失155,038千円)、当期純損失は182,797千円(前年同期は当期純損失155,718千円)となりました。
ⅰ.財政状態
当第2四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べて178,981千円減少したことで、1,335,331千円となりました。この主な要因は商品及び製品が26,140千円増えた一方、投資有価証券が124,975千円、現金及び預金が87,394千円、原材料及び貯蔵品が18,964千円減少したこと等によるものであります。
当第2四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて128,790千円増加したことで、335,517千円となりました。この主な要因は買掛金が135,265千円増加したこと等によるものであります。
当第2四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて307,772千円減少したことで、999,813千円となりました。この主な要因は四半期純損失182,797千円及びその他有価証券評価差額金が124,975千円減少したことによるものであります。
ⅱ.経営成績
当社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。事業部門別の売上高は次のとおりであります。当第2四半期会計期間より商流等を鑑み区分を変更しております。また、当第2四半期累計期間については、当期首より区分変更し、前年同期比についても同様に区分変更した上で比較しております。
リテール事業部門に関しては、量販店では主力品の面拡大に遅れが出る中、その他商品でカバーすることで全体では売上高が増加する一方で、質販店(プレミアム業態)ではコロナ特需の反動が高単価業態に関しては逆風となり、売上高は減少いたしました。商品面では、主力のフルッタアサイーシリーズが、新商品のフルッタアサイーEPOFe®発売の影響もあり、売上だけでなく、利益面でも貢献しております。また、昨年台湾シリーズとして発売されました台湾フルーツティーの取り扱い企業が引き続き増加していることや、ココナッツヨーグルトが堅調に推移しているなど、アサイー以外の商品販売も順調に推移しております。この好評を受けて、今下期に台湾シリーズとしての新商品発売などを予定しております。この結果、リテール事業部門全体の売上高は149,996千円(前年同期比89.9%)となりました。
ダイレクトマーケティング(DM)事業部門に関しては、チャネルとしてコロナ特需の反動減が見込まれる中、自社ECだけでなく、大手プラットフォームへの取り組み強化を行い、新規顧客獲得に向けた販売促進活動や定期購入への誘導を行うことにより、売上高は微増という結果となりました。また、2022年6月よりCO₂削減量の可視化の取り組みをエコアクションポイントという形で開始し、一定の評価を頂いております。今後は、商品への削減量表示も視野に入れ、新たな価値を付加した取り組みを継続しております。また、当社といたしましては、このECチャネルでの伸びは、事業全体の成長をドライブさせるために欠かせないものだと考えており、大手プラットフォームへの出店・取り組み強化、チャネル特性に合った常温品の商品開発などを早急に進めてまいります。この結果、ダイレクトマーケティング事業部門全体の売上高は65,128千円(前年同期比100.5%)となりました。
業務用事業部門に関しては、外食向け原料販売では、活動制限の緩和を受けた経済活動の活発化の追い風もあり、大手カフェチェーンやレストランチェーンへの新規メニュー採用が増えたことにより、売上高は前年同期より大幅に増加、市場の伸びを大きく上回る実績となりました。また、個店向けの業務用通販サイトBIZWEBも同様に好調に推移しており、チェーン・個店など各方面からアサイーの需要が再拡大しております。また、メーカー向け原料販売でも、大手小売業向け商品への原料採用など、外食同様に需要が再拡大の兆しが見えてきており、売上、利益共に貢献しました。この結果、業務用事業部門の売上高は162,023千円(前年同期比108.8%)となりました。
海外事業部門に関しては、昨シーズンのカカオ豆生産量が増加したことが今年度にも好影響を与えているのに加え、昨年から続いているコンテナ不足や港湾機能の低下による運航遅延が、徐々に正常化してきていることにより、今シーズンの輸入も計画通り進んでおり、売上高は前年同期より大幅に増加となりました。また、当期売上高におけるCO₂削減量は675トンとなっており、当社カカオビジネスはCO₂削減量の観点から見ても大きな役割を担っております。引き続きCAMTAと協力しながらカカオ豆の増産に取り組むことで、さらなる売上拡大を図っていきます。この結果、海外事業部門の売上高は6,445千円(前年同期は529千円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動において91,765千円資金を使用、投資活動において372千円資金を使用、財務活動において150千円資金を使用したことで、前事業年度末に比べ87,394千円減少し、当第2四半期会計期間末は470,723千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動に使用した資金は、91,765千円(前年同期は82,930千円の使用)となりました。これは仕入債務の増加140,849千円があった一方で、税引前四半期純損失182,322千円の計上及び棚卸資産の増加62,817千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は、372千円(前年同期は372千円の使用)となりました。これは、保険積立金の積立による支出372千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は、150千円(前年同期は172,792千円の獲得)となりました。これは資金調達費用の支払いによる支出150千円があったことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、9,448千円であります。
なお、当第2四半期累計期間における当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。