【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの感染再燃を繰り返しているものの落ち込んでいた経済活動の再開が進みつつありますが、ウクライナ情勢等を背景に世界的には金利上昇や物価高騰の影響が顕在化しつつ、国内消費も抑制され需要面が回復するまでには至っていない状況にあります。
そのような経済環境のなか、当連結会計年度は建設コンサルタント事業、ファッションブランド事業及び投資事業においては売上高が前期より減少したことを受け、売上高は721百万円(前期比28.1%減)と大幅な減少となりました。しかし、建設コンサルタント事業において採算性の低い大型案件が未発生であったこと及びファッションブランド事業において工場稼働率が改善したことにより、いずれの事業も原価率は前期を下回り収益性が改善する結果となりました。そして、固定費の圧縮にも努め、販売費及び一般管理費も357百万円(前期比15.6%減)と前期からさらなる削減を果たしました。しかし、売上高の減少に伴う利益の減少を賄うには至らず、当連結会計年度は104百万円の営業損失(前期は150百万円の営業損失)となりました。
営業外収益については、受取利息4百万円、保険解約返戻金3百万円及び補助金収入3百万円等を計上した結果、24百万円となりました。営業外費用は、主として借入金に係る利息113百万円を計上したことにより129百万円となりました。この結果、209百万円の経常損失(前期は222百万円の経常損失)となりました。
特別利益については、投資事業において投資物件を売却したことにより固定資産売却益896百万円を計上したほか、長期借入金の返済に伴い金利スワップを解約して解約益を77百万円計上した結果、特別利益は975百万円となりました。特別損失については拠点集約に伴う固定資産除却損42百万円を計上した結果42百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は723百万円(前期は176百万円の税金等調整前当期純損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は468百万円(前期は224百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と前期と異なり、最終的には黒字へ転じました。当連結会計年度におけるセグメント別の取り組みと業績につきましては、次のとおりです。
建設コンサルタント事業
建設コンサルタント事業においては、ダムの維持管理や長期保全などを目的としたダム長寿命化計画に伴う維持管理・更新業務を中心に受注しました。民間事業においても既設構造物の点検や安全性評価など防災・減災関連業務の受注が増えております。引き続き、防災・減災対策関連業務及びダム、河川、砂防分野の維持管理、設備更新業務等を中心とした継続性の高い業務の受注を目指してまいります。また、これまでの受注実績や技術者の経験を活かした業務サポート、業務連携等により協力体制を強化することで、生産性の向上及び受注シェアの拡大を図ります。
当連結会計年度は、受注高が当初の予定通り推移し完成案件を予定どおり取込めたものの、大型案件は未発生であったため売上高は361百万円(前期比40.9%減)と前期と比較して減少する結果となりました。しかし、採算性の低い大型案件が未発生であったことから原価率は前期を下回る結果となったほか、固定費の削減により販売費及び一般管理費についても前期を下回る結果となりました。これらの結果、当連結会計年度は70百万円の営業利益(前期は41百万円の営業損失)と、前期と異なり黒字に転じました。
ファッションブランド事業
新型コロナウイルス感染症拡大防止による行動制限の緩和等により経済社会活動の正常化が多少進んだことで景気の持ち直しの動きがみられましたが、感染拡大防止に配慮した規模を縮小したセレモニー開催が多く、また国内消費も抑制されていることから厳しい経営環境下にあり、売上高は224百万円(前期比10.0%減)と、前期を若干下回る結果となりました。しかし、軽井沢工場の稼働率の向上により原価率が前期より改善したほか、固定費の削減に努めた結果販売費及び一般管理費も前期より減少いたしました。この結果、23百万円の営業利益(前期は147百万円の営業損失)と、前期と異なり黒字に転じました。
投資事業
当連結会計年度においては、主力物件が前期から未稼働となった影響が継続したものの、急激な円安の影響により売上高は136百万円(前期比5.0%減)とほぼ前期並みの水準となりました。しかし、未稼働物件の固定費の負担が当初の想定を上回ることになったことが影響し、当連結会計年度は100百万円の営業損失(前期は6百万円の営業損失)と前期よりも大幅な損失を計上する結果となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,032百万円となり、前期末に比べ433百万円増加(前期比72.2%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は185百万円(前期は77百万円の支出)となりました。主な資金の減少要因としては、固定資産売却益△896百万円、法人税等の支払額△81百万円及び未収入金の増減額△39百万円等、支出項目の合計額が収入項目(税金等調整前当期純利益723百万円減価償却費81百万円及び固定資産除却損等)の合計額を上回ったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は2,714百万円(前期は757百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入2,668百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は2,195百万円(前期は124百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済△2,112百万円及び配当金の支払△93百万円によるものです。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
建設コンサルタント事業(千円)
11,381
39.0
ファッションブランド事業(千円)
70,520
96.3
合計
81,901
80.0
(注)投資事業につきましては、該当事項はありません。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
建設コンサルタント事業
282,305
62.7
274,043
77.6
合計
282,305
62.7
274,043
77.6
(注)ファッションブランド事業及び投資事業につきましては、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
建設コンサルタント事業(千円)
361,145
59.0
ファッションブランド事業(千円)
224,671
89.9
投資事業(千円)
136,074
94.9
合計
721,890
71.8
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該割合が10%未満のため記載を省略しています。
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項については当連結会計年度末時点において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っています。
なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、翌連結会計年度もこの影響は続くことが想定されますが、いずれ徐々に回復に転じるものと仮定して会計上の見積りを行っています。ただし、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの仮定と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析
経営成績
(売上高及び営業利益)
建設コンサルタント事業においては、受注高が当初の予定通り推移し完成案件を予定どおり取込めたものの、大型案件は未発生であったため売上高は前期と比較して減少する結果となりました。
ファッションブランド事業においては新型コロナウイルス感染症拡大防止による行動制限の緩和等により経済社会活動の正常化が多少進んだことで景気の持ち直しの動きがみられましたが、感染拡大防止に配慮した規模を縮小したセレモニー開催が多く、また国内消費も抑制されていることから厳しい経営環境下にあり、売上高は前期とほぼ同水準となりました。
投資事業においては主力物件が前期から未稼働となった影響が継続したものの、急激な円安の影響により売上高は前期とほぼ同水準となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は721百万円と前期と比較して大幅に減少する結果となりました。
しかし、建設コンサルタント事業では採算性の低い大型案件が未発生であったこと、ファッションブランド事業において軽井沢工場の稼働率が改善したことから、前期と比較するとそれぞれの事業の採算性は改善し、原価率は前期よりも低減する結果となりました。また、販売費及び一般管理費については357百万円と前年よりも大幅に減少させました。しかし、売上高の減少に伴う粗利の減少を賄うには至らず、前期よりも改善したものの、前期に引続き104百万円の営業損失となりました。
なお、セグメントごとの売上高及び営業損益の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しています。
(営業外損益及び経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、前期より6百万円増加し24百万円となりました。為替差益は発生しなかったものの、補助金収入3百万円及び保険解約返戻金3百万円を計上した結果、前期よりも増加する結果となりました。
当連結会計年度の営業外費用は、前期より38百万円増加し129百万円となりました。これは、為替レートの変動により支払利息が25百万円増加したことに加え、為替差損11百万円を計上したことによるものです。この結果、209百万円の経常損失となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度は連結子会社の投資物件の売却により固定資産売却益を896百万円計上したほか、長期借入金の返済に伴い金利スワップを解約して解約益を77百万円計上しました。この結果、当連結会計年度の特別利益は前期より882百万円増加した975百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、拠点集約に伴う固定資産除却損42百万円を計上した結果、前期より4百万円減少した42百万円となりました。この結果、723百万円の税金等調整前当期純利益となりました。
(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における法人税等合計額(法人税等調整額を含む)は、前期より206百万円増加し254百万円となりました。これは、連結子会社において固定資産の売却に伴い課税所得が増加し、法人税が大幅に増加したことが主要因です。一方で繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、繰延税金資産に係る評価性引当額が増加したことにより、法人税等調整額は前期と異なりマイナスとなりました。
この結果、最終的には468百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。前連結会計年度と異なり、当連結会計年度は最終損益が利益となりました。
財政状態
当連結会計年度末における総資産は6,218百万円で前期末に比べ203百万円減少し、負債は890百万円で前期末と比べ1,378百万円減少し、純資産は5,328百万円で前期末と比べ1,175百万円の増加となりました。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産の残高は4,168百万円となりました。対前期比で261.7%、3,016百万円増加しました。主な要因は、「現金及び預金」が501百万円増加したほか、投資事業における投資物件の売却に伴い、「未収入金」が2,546百万円増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産の残高は2,050百万円となりました。対前期比で61.0%、3,219百万円減少しました。主な要因は投資事業における収益物件の売却により有形固定資産が3,168百万円減少したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債の残高は641百万円となりました。対前期比で205.0%、430百万円増加しました。主な要因は「1年内返済予定の長期借入金」及び「未払法人税等」がそれぞれ268百万円、179百万円増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債の残高は249百万円となりました。対前期比で87.8%、1,809百万円減少しました。主な要因は「長期借入金」が返済により1,760百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の増加1,175百万円の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益468百万円の計上、配当金支払による利益剰余金の減少92百万円、新株予約権の減少12百万円、自己株式の減少20百万円及び期末換算レートの変動に伴う為替換算調整勘定の増加801百万円です。
キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況及びその分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金のほか、投資事業における収益物件取得のための設備資金等です。
当社グループは事業運営上必要な資金を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針としています。当連結会計年度の現金及び預金は、資産合計の21.7%を占める1,349百万円となっています。
当該残高及びこれまでの借入実績から勘案すると、現状の事業活動の維持の観点からは、将来資金に関して十分な財源が確保されていると考えています。
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