【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の業績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和が進み、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた動きが浸透することによって国内経済活動が徐々に正常化へ向かう一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う原油価格の高騰、円安進行による輸入価格の上昇、世界的な金融引き締めなどにより、景気は依然として不透明な状況が続きました。
このような環境下で、当社グループは強みである「STOCK」の強化のため、これまで構築してきた基盤からもたらされる継続的な収益の維持に努めるとともに、新たな商材の開発に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高135億61百万円(前期比2.7%増)、営業利益5億70百万円(前期比18.3%減)、経常利益5億48百万円(前期比26.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億33百万円(前期比47.4%減)となりました。
A BGマーケティング事業
5G対応通信端末の普及や関連サービスの高度化、さらに、一部の通信事業者においてオンライン手続の強化やキャリアショップの統廃合の方針が掲げられるなど、モバイル市場は変革の時期にあります。
このような動向を受けて販売代理店の役割も変化しつつある中、当社グループは、引き続き通信端末販売の代理店展開及び直営店舗での販売の展開に努めてまいりました。オンラインによる新たな販路の開拓を企図して独自のWEBメディアの運営に取り組む一方で、実際の販売ショップにもなお大きな需要が見込まれると判断し、商業施設等の好立地への出店を継続するなど、次期以降を見据えた投資に注力いたしました。また、サービスが複雑化し高い専門性が求められる販売ショップに特化した人材派遣においても、人材確保等の事業拡大に努めました。
この結果、売上高は103億65百万円(前期比0.3%増)、営業利益1億59百万円(前期比43.8%減)となりました。
B B to Bイノベーション事業
現在の主軸であるオフィス文具通販の代理店展開に関しては、コロナ禍における継続的な営業活動の自粛やテレワークの実施に起因してオフィス文具の需要が減少したことなどにより大きな影響を受けております。このような中で新たな収益基盤を構築するため、環境サステナ事業の展開にて培われた医療法人や社会福祉法人の顧客網へ訴求する新たなサービスの開発や、新規商材のテストマーケティングに取り組みました。
この結果、売上高は7億12百万円(前期比8.5%減)、営業利益61百万円(前期比78.5%減)となりました。
C 環境サステナ事業
現在の主軸であるLED照明機器の販売・レンタルにおきましては、数期に亘る営業活動の結果として当社グループの提供するサービスを利用する医療施設の規模は30,000床を超え、これらの顧客から月々のレンタル料を受領することにより、堅調な利益を確保しております。
電力小売やエネルギー利用状況等に関するコンサルティングサービスでは、原油価格の高騰を受けた電気料金の高騰により新規顧客獲得に向けた営業活動は見合わせているものの、既に獲得した顧客から発生する収益は一定規模に達しております。また、太陽光発電やウォーターパックの販売によっても安定的な収益がもたらされております。
以上に加えて、政府が普及を推進する電気自動車(EV)について、利用拡大に不可欠なEV充電器の設置サポート及び充電専用システムを提供する子会社であるアルファチャージ株式会社を2022年12月に新たに設立いたしました。
この結果、売上高は24億95百万円(前期比18.4%増)、営業利益3億49百万円(前期比170.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローについては、営業活動により6億91百万円増加し、投資活動により10億51百万円減少し、財務活動により1億51百万円増加しました。その結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末より2億6百万円の減少となり、当連結会計年度末残高は25億68百万円(前期比7.5%減)となりました。なお、上記の内容には新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額を含んでおります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果獲得した資金は、6億91百万円(前期は4億91百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益4億44百万円、減価償却費の計上額2億65百万円、仕入債務の増加額89百万円、減損損失の計上額85百万円の増加要因に対し、法人税等の支払額3億29百万円、売上債権の増加額1億43百万円等の減少要因があったことによるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果使用した資金は、10億51百万円(前期は83百万円の使用)となりました。これは、貸付金の回収による収入2億6百万円等の増加要因に対し、貸付による支出5億円、有形固定資産取得による支出3億63百万円、事業譲受による支出2億円、無形固定資産の取得による支出1億10百万円、差入保証金の差入による支出1億4百万円等の減少要因があったことによるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果獲得した資金は、1億51百万円(前期は3億99百万円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入4億円、短期借入金の純増減額1億80百万円の増加要因に対し、長期借入金の返済による支出3億83百万円、配当金の支払額42百万円等の減少要因があったことによるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
A 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
5Gマーケティング事業
5,343,531
102.0
B to Bイノベーション事業
12,020
47.8
環境サステナ事業
1,079,223
79.1
合計
6,434,776
97.1
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
B 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
5Gマーケティング事業
10,365,946
100.3
B to Bイノベーション事業
711,275
91.5
環境サステナ事業
2,484,295
118.3
合計
13,561,517
102.7
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
KDDI株式会社
1,599,746
12.1
2,047,873
15.1
楽天モバイル株式会社
-
-
1,702,513
12.6
テレコムサービス株式会社
-
-
1,509,309
11.1
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A 経営成績等の分析・検討
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の業績等の概要」に記載のとおり、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高はほぼ前連結会計年度と同水準を維持した一方で、各段階利益はいずれも前連結会計年度を下回っております。
要因といたしましては、売上高に関しては各事業において前連結会計年度と同様の規模での営業活動を継続した一方で、5Gマーケティング事業では販売店舗が実在することの意義を重視して好立地への出店を継続したこと、B to Bイノベーション事業では新商材や新サービスの開発・周知に取り組んだことであり、すなわち従来の収益基盤の強化や新たな収益基盤の構築のための投資活動によるものであります。
長期化したコロナ禍から徐々にではありますが社会活動等が正常化に進み始めた当連結会計年度において、積極的な投資を継続しつつ期初に見込んだ以上の利益を上げる結果となり、業績は概ね計画通りに推移したものと評価しております。
財政状態については、以下のとおりであります。
(流動資産)
流動資産の増加(前連結会計年度末比2億43百万円増)は、短期貸付金が2億86百万円、リース債権及びリース投資資産が81百万円、売掛金が63百万円、商品が21百万円、未収入金が17百万円増加し、現金及び預金が2億27百万円減少したことが主たる要因であります。
(固定資産)
固定資産の増加(前連結会計年度末比3億63百万円増)は、機械及び装置が2億45百万円、のれんが1億9百万円、差入保証金が85百万円、繰延税金資産が59百万円増加し、工具、器具及び備品が85百万円、顧客関連資産が42百万円減少したことが主たる要因であります。
(流動負債)
流動負債の増加(前連結会計年度末比4億3百万円増)は、その他の流動負債が2億28百万円、短期借入金が1億80百万円、買掛金が89百万円、未払金が7百万円増加し、未払法人税等が1億10百万円減少したことが主たる要因であります。
(固定負債)
固定負債の増加(前連結会計年度末比13百万円増)は、長期借入金が10百万円増加したことが主たる要因であります。
(純資産)
純資産合計は、51億47百万円(前連結会計年度末比1億88百万円増)となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2億33百万円増加し、配当金の支払により利益剰余金等が42百万円減少したことが主たる要因であります。
B 経営成績に重要な影響を与える要因の分析・検討
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。特に、現在の当社を支える主力事業の5Gマーケティング事業及びB to Bイノベーション事業は、いずれも通信事業者の代理店、カウネットの代理店という立場で運営するものであり、その商材の提供元に業績が大きく左右されうるという側面を有しております。
そのため、当社グループでは短期的には厳しい業績が見込まれるとしても、将来の成長のため、環境サステナ事業において特定の取引先に依存しない収益基盤の確保に引き続き注力しております。
C 資本の財源及び資金の流動性の分析・検討
(a) 財務戦略及び経営資源の配分に関する基本的な考え方
当社グループにおいては、健全な財務体質の維持と将来的な成長のバランスを重視しつつ、企業価値の向上のため、より成長性が高いと判断した事業へ戦略的に投資し、当社のビジネスモデルの根幹である安定的な収益基盤をより強化していくことを財務戦略の基本方針としております。
健全な財務体質の維持に関しては自己資本比率の水準を50%以上に保ちつつも、慎重に社内にて検討した上で当社が適切と判断する程度の担保があるなど投資に対しての回収可能性が高いと見込まれる場合においては、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるとともに、成長のための投資活動を優先して実行しております。
また、株主還元についても「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、経営の重要課題として位置づけ、盤石な収益基盤の拡大に伴って、安定的な配当を継続するとともに、長期的には配当性向の拡大にも努めてまいります。
(b) 資金需要の主な内容
当連結会計年度における当社グループの主な資金需要といたしましては、5Gマーケティング事業においては、通信端末の仕入れや携帯電話販売店舗の出店費用、環境サステナ事業におけるレンタル・販売対象であるLED照明機器等の商品・在庫の仕入、また設置工事費用などがございます。
(c) 資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を調達する手法といたしましては、自己資金や必要に応じて借入金の活用に加えて、当社事業の収益モデルの特性からキャッシュポジションを上昇させるために取引先からの将来収益債権の流動化なども行っております。
(d) 分析・検討
当連結会計年度におきましても、前年度までと同様、市況を鑑みて既存の事業活動の遂行に加えて、新たな収益基盤の確保のため、新商材の展開等のため投資活動も進めてまいりました。当社グループの現状を踏まえて、効果的に資金を運用できたと考えております。
なお、次期においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大を念頭におきつつも、引き続き長期的な成長を見据えた積極的な投資活動を継続してまいります。
D セグメントごとの分析・検討
(a) 5Gマーケティング事業
5Gマーケティング事業につきましては、当社グループを支える主力事業ではあるものの、事業自体が成熟段階に達していることにより、急激な成長が見込めるものではございません。そのような中で将来の安定収益を確保するため、好立地への出店を継続するなど実際の販売店舗網の強化に努めるとともに、独自のWEBメディアの運営などオンラインによる新たな販路の開拓にも取り組みました。
出店等の投資活動の結果として、前連結会計年度と比較して売上高はほぼ変わらないものの、営業利益が減少しました。
(b) B to Bマーケティング事業
オフィス文具通販市場におきましては、従来の競合他社に加えて大手インターネット通販事業者の参入があるなど、顧客側の選択肢が多様化し、より厳しい環境になっていくことに加えて、コロナ禍を受けて一定規模の企業においてはテレワークが定着したことにより需要自体も従前の規模には回復しないことが見込まれます。
そのような中で、オフィス文具通販の代理店展開においては引き続き既存登録顧客の稼働促進に注力するとともに、新たな収益基盤の構築のため、医療法人や社会福祉法人に特化した経営改善等のコンサルティングサービスなどの新商材の開発・周知に取り組みました。
これらの要因により、前連結会計年度と比較して売上高及び営業利益のいずれも減少しております。
(c) 環境サステナ事業
本事業においては、蛍光灯からの置き換えが進んでいるLED照明機器の販売・レンタルを、数期にわたり主力商材として積極的に展開しております。置き換えへの障壁となる初期導入費用の高額化に対して、レンタルという形式は優位性が高く、着実に当社提供の照明機器の設置先施設は増加しており、これまでの投資を回収する段階へと移行しております。
また、従来から進めておりましたウォーターパックの販売、ソーラーパネルを活用した売電では、引き続き堅調な利益を確保しております。加えて、電気料金の高騰により新規顧客獲得に向けた営業活動を見合わせている電力小売やエネルギー利用状況等に関するコンサルティングサービスについても、既に獲得した顧客から発生する収益は一定規模に達しております。
これらにより堅調にSTOCK収益が確保された結果として、前連結会計年度と比較して売上高、営業利益ともに増加しております。
E 経営指標の達成状況に関する分析・検討
当社グループにおいては株主利益の増大を重視していることから、「収益性」「資本効率」の双方を高める為に、連結売上高営業利益率及び連結ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標として位置づけております。そのような中、当該経営指標を高める強固な基盤を作り出す為に、昨今においては「安定した継続性」の構築を第一義とし、「STOCK」型の収益構造の構築を進め、売上高営業利益率5%、連結ROE(株主資本当期純利益率)10%を中長期における目標と定めております。
当連結会計年度における目標の達成状況といたしましては、連結売上高営業利益率は4.21%、連結ROE(株主資本当期純利益率)は4.63%となっております。前年比では減少はしているものの、前年度の業績に関しては当社グループにおいて想定した規模での投資活動ができなかった結果としての利益増だと認識しているため、当連結会計年度時点での達成度といたしましては想定内で推移しております。
次期においては、コロナ禍が収束に向かいつつある中で積極的に営業活動を展開するとともに、投資の結果からより強固なものとなった収益基盤から発生する利益の増加が期待できるため、連結売上高営業利益率は4.54%、連結ROE(株主資本当期純利益率)は7.20%と増加することを見込んでおります。引き続き、これら数値目標の達成に注力してまいります。
