【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)における世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢に起因する原材料及びエネルギー価格の上昇や、労働人口の減少等による人件費の上昇、世界的な根強いインフレに伴う金融引き締めによる景気減速の懸念等、先行きが不透明な状況が継続しております。
当社グループの属する外食産業について、国内においては、新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変更され、人流の回復や、入国規制の解除に伴うインバウンドの回復により、経済活動が徐々に活発になっている一方で、原材料及びエネルギー価格の上昇や人件費の上昇、昨年から続く円安、物価高騰に伴う景気減速の懸念等、引き続き厳しい経済状況にあります。海外においては、地政学的な不安定要素において、原材料及びエネルギー価格の高騰が懸念されるとともに、インフレに伴う金融引き締めによる景気減速が懸念され、引き続き注視が必要な状況にある点は国内と同様であります。
このような状況のもと、当社グループでは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、国内においては、コラボイベントの開催、期間限定商品の販売、全国各地でのイベント出店、メディア露出増加が集客につながったほか、引き続きモバイルオーダーやタブレットオーダーの導入等、DX施策に取り組んだことで、利益率の改善を図っております。また、原材料や人件費等のコスト上昇に対応すべく、前事業年度に続き、2023年7月に価格改定を実施いたしました。2023年10月には、8年ぶりに看板商品である「白丸元味」、「赤丸新味」、3年ぶりに「からか麺」のリニューアルを実施いたします。
海外においては、期間限定商品の販売やデザートメニューの導入、グランドメニューの見直し等により集客を図るとともに、原材料等のコスト上昇に対応した価格改定の実施、国内同様にタブレットオーダー等のDX施策によるコスト低減に引き続き取り組み、収益性を改善しております。
商品販売につきましては、引き続き、国内では一風堂関連商品のB2B営業の強化を行うとともに、海外では、食の多様性に対応した「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの輸出販売の拡大に取り組んでおります。
当第2四半期連結会計期間末の店舗数はライセンス形態での展開を含め、当社グループ合計で279店舗(国内142店舗、海外137店舗、前期末比国内3店舗増、海外3店舗増)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は14,879百万円(前年同四半期比27.3%増)となりました。営業損益は1,350百万円の利益(前年同四半期比68.9%増)となりました。経常損益は1,491百万円の利益(前年同四半期比60.4%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,032百万円(前年同四半期比48.7%増)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
セグメント別の業績の概要
<国内店舗運営事業>
国内店舗運営事業につきましては、「一風堂」ブランドにおいて7店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて2店舗、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて2店舗閉店したことから、当第2四半期連結会計期間末における店舗数は142店舗(前期末比3店舗増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変更され、人流の回復や、入国規制の解除に伴うインバウンドの回復が売上に貢献いたしました。さらに、G7広島サミットにおけるプラントベースラーメンの提供や、期間限定商品の販売、全国各地にて開催されたイベントへの出店、大阪の人気ラーメン店「人類みな麺類」とのイベント「人類みな一風堂」のコラボラーメン提供時の長蛇の列等がSNS上で話題となり、メディア露出の増加が集客に繋がりました。また、引き続きモバイルオーダーやタブレットオーダーの導入等、DX施策に取り組み、利益率の改善を図っていきます。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、6,612百万円(前年同四半期比23.7%増)となりました。セグメント損益は、609百万円の利益(前年同四半期比225.8%増)となりました。
<海外店舗運営事業>
海外店舗運営事業につきましては、フランスに2店舗、マレーシアに1店舗、中国に1店舗、台湾に1店舗、インドネシアに1店舗、フィリピンに1店舗出店した一方で、香港で2店舗、マレーシアで1店舗、中国で1店舗閉店したことから、当第2四半期連結会計期間末の店舗数は137店舗(前期末比3店舗増)となりました。
当第2四半期連結累計期間の当セグメントにおける対象期間(2023年1月~2023年6月)の状況は、インフレの影響により原材料価格の高騰や、賃金・物流費の上昇等に見舞われる中、各エリアにおいて価格改定やコスト調整を行い、利益率の改善を行いました。また、期間限定商品の販売やデザートメニューの導入、グランドメニューの見直し等により集客を増加させるとともに、国内と同様に引き続きタブレットオーダー等のDX施策導入による業務効率の向上を図っております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、6,711百万円(前年同四半期比33.9%増)となりました。セグメント損益は、745百万円の利益(前年同四半期比30.4%増)となりました。
<商品販売事業>
商品販売事業につきましては、国内では、コンビニエンスストアにおける「冷だしとんこつラーメン」、「赤丸とんこつラーメン」の発売や、2022年12月より国際線の機内食に採用されている「一風堂プラントベースラーメン~プラとん(Pla-ton)」が好調な販売を維持していることに加え、2023年8月に麺の製造工程で発生する端材を利用したクラフトビール「KAEDAMA ALE」の販売を開始いたしました。今後も売上高増加のために、引き続き、主力の一風堂関連商品のラインナップ及び販売チャネルの拡大に引き続き取り組んでおります。海外では、前期から好調に推移している「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプを筆頭に、一風堂商品の販売チャネル拡大を図っております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,556百万円(前年同四半期比16.9%増)となりました。セグメント損益は、原材料価格の上昇等の影響により売上原価が増加したことで、195百万円(前年同四半期比1.1%減)となりました。
なお、当第2四半期連結会計期間末における当社グループのセグメント別、国別、及びブランド別の店舗数の分布は下図のとおりであります。
セグメント
国名
ブランド
前期末店舗数
増減
第2四半期末店舗数
内.ライセンス
契約先
内.ライセンス
契約先
国内店舗運営事業
日本
一風堂
106
22
5
111
23
RAMEN EXPRESS
22
0
-2
20
0
因幡うどん
7
0
0
7
0
その他
4
0
0
4
0
国内小計
139
22
3
142
23
海外店舗運営事業
アメリカ
IPPUDO
7
0
0
7
0
その他
4
0
0
4
0
シンガポール
IPPUDO
11
0
0
11
0
IPPUDO EXPRESS
2
0
0
2
0
中国(含む香港)
IPPUDO
19
19
-2
17
17
その他
1
1
0
1
1
台湾
IPPUDO
14
0
1
15
0
IPPUDO EXPRESS
2
0
0
2
0
オーストラリア
IPPUDO
10
3
0
10
3
その他
2
0
0
2
0
マレーシア
IPPUDO
11
11
0
11
11
タイ
IPPUDO
21
21
0
21
21
フィリピン
IPPUDO
10
10
1
11
11
インドネシア
IPPUDO
8
0
1
9
0
イギリス
IPPUDO
4
0
0
4
0
フランス
IPPUDO
3
0
2
5
0
ミャンマー
IPPUDO
2
2
0
2
2
ベトナム
IPPUDO
1
1
0
1
1
ニュージーランド
IPPUDO
2
2
0
2
2
海外小計
134
70
3
137
69
全社合計
273
92
6
279
92
(3)財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ833百万円減少し16,644百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が174百万円増加したこと、棚卸資産が80百万円増加したこと、出店等により有形固定資産が411百万円増加したこと、現金及び預金が1,601百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,533百万円減少し8,304百万円となりました。これは主に、未払法人税等が177百万円増加したこと、有利子負債が1,964百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ699百万円増加し8,339百万円となり、自己資本比率は50.1%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金が1,032百万円増加したこと、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が15百万円増加したこと、為替換算調整勘定が240百万円増加したこと、配当金の支払いによる利益剰余金が451百万円減少したこと、自己株式を154百万円取得したこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,825百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,449百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、獲得した資金は1,332百万円(前第2四半期連結累計期間は784百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益1,445百万円の計上、減価償却費434百万円等の非資金的費用の計上があった一方で、売上債権の増加160百万円、未払消費税の減少106百万円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、支出した資金は631百万円(前第2四半期連結累計期間は632百万円の支出)となりました。これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出643百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、支出した資金は2,633百万円(前第2四半期連結累計期間は15百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減少2,460百万円、配当金の支払450百万円があったこと等によるものであります。