【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に引き下げられ、行動制限が解除されたことにより、個人消費や設備投資が改善し経済活動は正常化に向かいました。また、円安や海外からの入国制限の解除を背景に訪日外国人が増加し、インバウンド需要も急速に回復してきました。その一方で、国際情勢に起因する世界的な物価上昇や原材料価格の高騰、急速な円安等で国内物価は上昇傾向にあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループはアミューズメント関連事業、自動認識システム関連事業、ホテル・レストラン関連事業の各事業を通じてお客様の「満足」を勝ち取るために新たな付加価値の追求をしてまいりました。また、変化する市場環境に柔軟に対応するため、各事業会社の役割や責任の明確化、意思決定の迅速化を推し進めるとともに、人づくりや組織づくりの再構築を図ってまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高173億49百万円(前年同四半期比131.3%増)、営業利益58億26百万円(同575.4%増)、経常利益63億8百万円(同426.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益43億56百万円(同427.9%増)となりました。
セグメントの実績は次のとおりであります。
[アミューズメント関連事業]
アミューズメント関連事業の主な販売先であるパチンコ業界は、レジャーの多様化や少子高齢化による遊技人口の減少により業績の低迷した中小規模パチンコホールの閉店・廃業が増加し厳しい経営環境が続く一方で、大手企業による新規出店やM&A等による業界再編等が進みました。こうした中、昨年11月にスマートパチスロ、本年4月にスマートパチンコがリリースされたことを受け、遊技客数は回復傾向にあり、長らく停滞していた周辺設備の更新需要も高まってきました。年末に向けて新規出店や大型改装も予定されており、スマート遊技機(スマートパチンコ、スマートパチスロ)を中心とした周辺設備の投資が今後も継続するものと見込まれます。
このような状況の中、当社グループではスマート遊技機専用ユニット「スマートユニット」を中心に、少人数でホール運営が可能なパーソナルPCシステム(以下「パーソナル」)及び遊技データ等の収集・AI分析が可能な「マースユニコン」等、豊富なラインナップを武器にトータルシステムでの提案・販売を行ってまいりました。前期から続いていた部材不足については、調達経路の拡大・見直しや生産体制の強化等により改善し、スマートユニットの販売は好調に推移いたしました。
当第2四半期連結累計期間におけるプリペイドカードシステム(パーソナルやスマートユニットを含む)の売上実績は23店舗、導入(実稼働)店舗数は累計1,491店舗(市場シェア23.6%)となりました。
空気の力で紙幣を搬送する業界随一のAir紙幣搬送システム及びハイスペックモデルの立体Air紙幣搬送システムは、セキュリティの強化やホール業務の省力化等の導入効果が高く評価され、新規出店案件や居抜き案件の獲得に繋がりました。また、景品交換業務における省力化や利便性を追求したセルフPOSやクオリティの高い接客が可能なマーススマートウォッチⅢ等、きめ細やかな製品及び付加サービスの提案・販売を行い、商品力のある製品を通じてお客様満足・信頼獲得に努めてまいりました。
この結果、アミューズメント関連事業の売上高は、140億1百万円(前期比221.2%増)、セグメント利益は58億26百万円(同548.1%増)となりました。
[自動認識システム関連事業]
自動認識システムは、RFID、バーコード、X線検査装置等を媒体として各種データを自動的に取り込み・認識ができるため、自動化・省人化及びDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現には欠かせないキーデバイスの一つとして、需要が高まっております。その一方で、中国経済の減速を受けて顧客の投資意欲は低迷してきました。
当社グループでは特にFA市場、物流市場、アミューズメント市場を中心に提案販売活動を行ってまいりました。
目視による検査判別を低コストで自動化した画像処理システム「MoMaVi(モマビ)」やバーコード読取・OCR・有無検査の機能を搭載した固定式コード&ビジョンシステム「MCV-F1000」等の新製品をリリースし、製造・物流DXを支援する製品・ソリューションの拡販に努めてまいりました。
この結果、自動認識システム関連事業の売上高は、22億98百万円(前期比2.0%減)、セグメント利益は1億63百万円(同43.0%減)となりました。
[ホテル・レストラン関連事業]
ホテル業界ならびに外食業界は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による行動制限解除や円安の影響等により、国内旅行客やインバウンド需要が急速に回復し、全体の業況はコロナ禍前の水準に戻りつつあります。しかしながら、人手不足や外国人観光客の受入環境の整備、観光客の過度な増加により地元住民の生活や自然環境に悪影響を及ぼすオーバーツーリズム等の対策が喫緊の課題となっております。
このような状況の中、「マースガーデンホテル博多」及び「マースガーデンウッド御殿場」では、会員制度であるマースガーデンクラブの入会促進やSNSを活用した集客、ダイナミックプライシングによる適切な価格施策を行い、収益向上に取り組んでまいりました。「マースガーデンウッド御殿場」では、四季折々の庭園を望みながら本格イタリアン料理を楽しめるレストラン『フェニーチェ』を3年半ぶりにリニューアルオープンいたしました。
また、レストラン事業では、東京銀座エリアの「銀明翠GINZA」「銀座松月」を中心に質の良いおもてなしと料理で付加価値を高めブランド力の向上に努めてまいりました。
この結果、ホテル・レストラン関連事業の売上高は、10億49百万円(前期比31.8%増)、セグメント損失は49百万円(前期は1億57百万円のセグメント損失)となりました。
(2)財政状態に関する分析
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は762億34百万円となり、前連結会計年度末と比較して123億11百万円増加いたしました。
流動資産は440億67百万円となり、前連結会計年度末と比較して89億45百万円増加いたしました。その増加の主な内訳は、現金及び預金が51億80百万円増加し278億81百万円、商品及び製品が19億11百万円増加し40億95百万円、原材料及び貯蔵品が14億45百万円増加し46億92百万円となりました。
固定資産は321億66百万円となり、前連結会計年度末と比較して33億66百万円増加いたしました。その増加の主な内訳は、投資有価証券が31億86百万円増加し146億57百万円となりました。
流動負債は85億38百万円となり、前連結会計年度末と比較して30億71百万円増加いたしました。その増加の主な内訳は、支払手形及び買掛金が16億65百万円増加し45億23百万円、未払法人税等が12億24百万円増加し22億76百万円となりました。
固定負債は23億15百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億67百万円増加いたしました。その増加の主な内訳は、退職給付に係る負債が12百万円増加し5億98百万円となりました。
純資産は653億80百万円となり、前連結会計年度末と比較して90億73百万円増加いたしました。その増加の主な内訳は、利益剰余金が37億81百万円増加し549億26百万円、自己株式が23億6百万円減少し△103億48百万円、その他有価証券評価差額金が21億8百万円増加し37億50百万円となりました。
自己資本比率は85.7%となり、前連結会計年度末と比較して2.4ポイント減少いたしました。
(キャッシュ・フローの状況)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は278億81百万円となり、前連結会計年度末と比較して51億80百万円増加いたしました。
当第2四半期連結累計期間における「営業活動によるキャッシュ・フロー」は38億13百万円の収入(前年同四半期は8億99百万円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益63億89百万円等によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は5億6百万円の支出(前年同四半期は17億26百万円の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出5億67百万円等によるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は18億49百万円の収入(前年同四半期は12億36百万円の支出)となりました。主な要因は、自己株式の売却による収入24億円等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はあ
りません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4億93百万円(前年同四半期比8.6%増)であります。
当第2四半期連結累計期間における主要な成果として、次の項目をあげることができます。
① アミューズメント関連事業
当第2四半期連結累計期間における主な成果はありませんが、主にプリペイドカードシステムや景品管理システム等に関連する新製品の商品化を目指して開発を進めております。
② 自動認識システム関連事業
バーコード読取・OCR・有無検査の機能を搭載した固定式コード&ビジョンシステム「MCV-F1000」の商品化
③ ホテル・レストラン関連事業
この事業は、研究開発活動を行っておりません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、アミューズメント関連事業の生産、仕入、受注、販売が著しく増加しております。これは主にスマート遊技機を中心に専用ユニット等の周辺設備に対する需要が拡大しているためであります。詳細につきましては、「(1)業績の状況」をご参照ください。
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