【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、行政の各種政策や行動制限の緩和により経済活動の正常化に向けた動きが加速しました。その一方で、ロシアのウクライナ侵攻に起因した資源価格の高騰や物価の上昇が続いていることに加え、欧米を中心としたインフレ抑制のための金利引き上げの影響から世界的な景気後退懸念や金融不安が生じており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当社グループはアミューズメント関連事業、自動認識システム関連事業、ホテル・レストラン関連事業の各事業を通じてお客様の「満足」を勝ち取るために新たな付加価値の追求をしてまいりました。また、変化する市場環境に柔軟に対応するため、各事業会社の役割や責任の明確化、意思決定の迅速化を推し進めるとともに、人づくりや組織づくりの再構築を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高203億46百万円(前期比34.7%増)、営業利益41億26百万円(同161.4%増)、経常利益47億30百万円(同89.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益5億43百万円、特別損失に減損損失5億9百万円を計上したことから31億44百万円(同69.5%増)となりました。
セグメントの実績は次のとおりであります。
[アミューズメント関連事業]
アミューズメント関連事業の主な販売先であるパチンコ業界は、レジャーの多様化や少子高齢化による遊技人口の減少により、経営が立ち行かなくなったパチンコホールの閉店・廃業が相次ぎ、M&Aによる業界再編が進む中で2022年11月から次世代遊技機といわれるスマートパチスロ(以下「スマスロ」)の導入が始まりました。スマスロやスマートパチンコ(以下「スマパチ」)に代表されるスマート遊技機は、玉やメダルを触れずに遊べる遊技機で新しいゲーム性に期待を寄せる遊技ファンだけでなく、感染症対策強化やギャンブル等依存症対策強化、不正防止、パチンコホールの負担軽減等、パチンコ業界に変革をもたらす遊技機として業界全体で期待されております。スマスロは、導入前から市場の期待感が高く、導入後も高稼働を見せていることから市場への導入が進み、周辺機器の設備更新も好調に推移しました。その一方で、半導体をはじめとする部材の調達面においては少しずつ改善しているものの、供給が追い付かない傾向にありました。
このような状況の中、当社グループは、半導体等の部材不足の課題に直面しながら製品の安定供給に向けて最大限努めてまいりました。引き合いの強いスマート遊技機専用ユニット「スマートユニット」を中心に、主力製品である少人数でホール運営が可能なパーソナルPCシステム(以下「パーソナル」)及び遊技データ等の収集・AI分析が可能な「マースユニコン」等、トータルシステムでの提案・販売を行ってまいりました。
当連結会計年度におけるパーソナルの売上実績は27店舗、当連結会計年度末時点における導入(実稼働)店舗数は累計1,420店舗(市場シェア21.9%)となりました。また、パーソナルやスマートユニットを含めたプリペイドカードシステムの売上実績は63店舗、導入(実稼働)店舗数は累計1,535店舗(市場シェア23.7%)となりました。
空気の力で紙幣を搬送する業界随一のAir紙幣搬送システム及びハイスペックモデルの立体Air紙幣搬送システムは、セキュリティの強化やホール業務の省力化等の導入効果が期待されていますが、スマート遊技機の入替工事が先行し大型案件が少なかったため、導入件数は限定的となりました。また、景品交換業務における省力化や利便性を追求したセルフPOSやクオリティの高い接客が可能なマーススマートウォッチⅢ等、きめ細やかな製品及び付加サービスの提案・販売を行い、商品力のある製品を通じてお客様満足・信頼獲得に努めてまいりました。スマート遊技機の導入に合わせて設備の更新需要が漸く動きつつあり、今後の新規出店や大型改装工事の案件に向けた販売に注力してまいります。
この結果、アミューズメント関連事業の売上高は、133億95百万円(前期比48.8%増)、セグメント利益は39億63百万円(同115.7%増)となりました。
[自動認識システム関連事業]
自動認識システムは、RFID、バーコード、X線検査装置等を媒体として各種データを自動的に取り込み・認識ができるため、自動化・省人化及びDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現には欠かせないキーデバイスの一つとして、需要が高まっております。
当社グループでは特にFA市場、物流市場、アミューズメント市場、健診市場を中心に提案販売活動を行ってまいりました。また、今期リリースしましたUHF帯RFIDトンネルタイプ一括読取装置「MGT-001」、自社製高分解能マルチフォーカス開放管を搭載したX線検査装置「MUX-3410」、物流・製造分野でのDXを推進する「UHFフォークシステム」等の拡販に努め、高い技術力を通じて多様なニーズや課題解決に最適なソリューションを提供してまいりました。
この結果、自動認識システム関連事業の売上高は、51億26百万円(前期比4.3%増)、セグメント利益は6億26百万円(同9.3%増)となりました。
[ホテル・レストラン関連事業]
ホテル業界ならびに外食業界は、新型コロナウイルス感染症からの社会経済活動の正常化が進み、入国規制の大幅緩和や円安効果によるインバウンド需要が増加する等、取り巻く環境は徐々に回復してきました。しかしながら、原材料費・光熱費の高騰による利益率の低下、更に深刻な人材不足もあり、本格的な回復には時間を要するものと思われます。
このような状況の中、「マースガーデンホテル博多」及び「マースガーデンウッド御殿場」では、全国旅行支援や行動制限の緩和の影響を受けて、昨秋以降の稼働率が大幅に改善しました。また、レストラン事業では、特に東京銀座エリアの「銀明翠GINZA」「銀座松月」がレストラン予約サイトのクチコミで高評価・表彰される等、業績は好調に推移しました。
この結果、ホテル・レストラン関連事業の売上高は、18億24百万円(前期比53.8%増)、セグメント損失は2億40百万円(前期は5億74百万円のセグメント損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、227億円となり、前連結会計年度末より33億3百万円減少(前期比12.7%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、9億43百万円(前連結会計年度末は35億67百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益47億60百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、21億6百万円(前連結会計年度末は4億23百万円の収入)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出28億30百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、21億63百万円(前連結会計年度末は12億95百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額11億70百万円、自己株式の取得による支出9億96百万円等によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前期比(%)
アミューズメント関連事業(千円)
6,482,197
406.5
自動認識システム関連事業(千円)
1,443,410
102.0
ホテル・レストラン関連事業(千円)
-
-
合計(千円)
7,925,607
263.4
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前期比(%)
アミューズメント関連事業(千円)
156,884
100.4
自動認識システム関連事業(千円)
1,828,406
120.0
ホテル・レストラン関連事業(千円)
52,976
111.2
合計(千円)
2,038,267
118.0
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(3)受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前期比(%)
アミューズメント関連事業(千円)
13,395,587
148.8
自動認識システム関連事業(千円)
5,126,923
104.3
ホテル・レストラン関連事業(千円)
1,824,148
153.8
合計(千円)
20,346,659
134.7
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自
2021年4月1日
至
2022年3月31日)
当連結会計年度
(自
2022年4月1日
至
2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社ダイナム
1,640,293
10.9
2,716,879
13.4
経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当事業年度における当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しておりますので、記載は省略しております。
① 貸倒引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を繰入計上しております。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
② 有価証券の減損
当社グループが保有する有価証券について市場価格のあるものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損については、個別銘柄ごとに回復の可能性を総合的に検討し実施することとしております。また、市場価格のないものについては、実質価額が著しく低下し、かつ、回復する見込みがないと判断した場合には減損処理を行っております。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は203億46百万円(前期比34.7%増)、販売費及び一般管理費は71億10百万円(同3.3%増)、営業利益は41億26百万円(同161.4%増)、経常利益は47億30百万円(同89.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億44百万円(同69.5%増)となりました。なお、セグメント別の分析は、第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] 「経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」の項目を参照ください。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
流動資産
当連結会計年度末の流動資産の残高は351億22百万円(前連結会計年度末339億70百万円)となり、11億51百万円増加しました。増加の主な内訳は、原材料及び貯蔵品(12億25百万円から32億47百万円へ20億22百万円増加)であります。
固定資産
当連結会計年度末の固定資産の残高は288億円(前連結会計年度末261億64百万円)となり、26億36百万円増加しました。増加の主な内訳は、投資有価証券(92億24百万円から114億71百万円へ22億46百万円増加)、土地(84億43百万円から96億28百万円へ11億85百万円増加)であります。
流動負債
当連結会計年度末の流動負債の残高は54億67百万円(前連結会計年度末36億43百万円)となり、18億23百万円増加しました。増加の主な内訳は、支払手形及び買掛金(13億21百万円から28億58百万円へ15億36百万円増加)、未払法人税等(8億41百万円から10億52百万円へ2億10百万円増加)であります。
固定負債
当連結会計年度末の固定負債の残高は21億48百万円(前連結会計年度末22億49百万円)となり、1億1百万円減少しました。減少の主な内訳は、リース債務(4億74百万円から2億94百万円へ1億79百万円減少)であります。
純資産
当連結会計年度末の純資産の残高は563億7百万円(前連結会計年度末542億41百万円)となり、20億65百万円増加しました。その増加の主な内訳は、利益剰余金(492億37百万円から511億44百万円へ19億6百万円増加)、その他有価証券評価差額金(7億26百万円から16億41百万円へ9億15百万円増加)であります。
(4) キャッシュ・フローの分析
第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
第2 [事業の状況] 3 [事業等のリスク]に記載のとおりであります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、運転資金及び投資資金は基本的に自己資金で賄うこととしており、フリーキャッシュ・フローの状況や流動比率から見ても、事業運営に必要な資金を調達することは可能と考えております。
(7) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
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