【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。(1)
財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年7月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、2022年春以降、ウィズコロナの下、社会経済活動の正常化が進みつつあり、行動制限や入国制限が大きく緩和されたことによりサービス消費を中心に回復の動きがみられ、景気は持ち直しの動きを見せました。しかしながら、ウクライナ侵攻の長期化、円安や鳥インフルエンザの蔓延等により、すり身をはじめとした原材料価格や電気・ガス等エネルギー価格など多くのコストが想定をはるかに超えて上昇しています。また、当社を含めた多くの企業がコスト上昇分を補填するために価格改定を実施し、様々な物品の価格が上昇していることから、消費者の節約志向は強まっており、当社グループを取り巻く経営環境はかつてない厳しさとなっています。このような状況のもと、当社グループでは、“ICHIMASA30ビジョン”(2045年度のありたい姿)を目指し、2021年7月から2026年6月までの第二次中期経営計画の2年目を迎え、“国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ「成長軌道」を確実に実現する。”を基本方針として経営課題に取り組んでいます。また、地球環境の維持は企業活動の持続的な成長・発展のためには不可欠であり、「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の達成を目指し、当社グループもステークホルダーの皆さまと協働しながらサステナブルな課題の解決に取り組んでいます。この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高257億47百万円(前年年同四半期比6億92百万円(2.8%)の増加)、営業利益は89百万円(前年同四半期比7億52百万円(89.4%)の減少)、経常利益は1億25百万円(前年同四半期比7億57百万円(85.7%)の減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億74百万円(前年同四半期比4億94百万円(73.9%)の減少)となりました。
セグメントの状況は、次のとおりです。
①
水産練製品・惣菜事業売上は、2022年9月1日、2023年3月1日納品分よりお取引先さまの理解と協力のもと価格改定を行い、販売数量は前年同四半期を下回ったものの、価格改定による売価上昇の効果もあり前年同四半期を上回りました。年末のおせち商品は、主原料・副材料のすべてが国産の「純」シリーズの伊達巻や蒲鉾の売上が伸長しました。利益は、主原料であるすり身をはじめとした原材料価格が高止まりしていることや、鳥インフルエンザの影響による卵価の高騰、ウクライナ情勢や急激な円安などによる影響でエネルギーコストや油脂類、包装資材といった様々なコストも上昇していることから、前年同四半期を下回る結果となりました。以上の結果、当セグメントの売上高は222億34百万円(前年同四半期比7億87百万円(3.7%)の増加)、セグメント損失(営業損失)は1億70百万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)2億78百万円)となりました。
②
きのこ事業野菜市況は前年を上回り、きのこ市況に関しても前年を上回る推移でしたが、舞茸は他社増産の影響による供給過多状態もあり軟調な推移となりました。生産は、安定栽培や生産の効率化、品質管理体制の強化に努めるとともに、販売は、大容量商品や新発売の「希なり」の提案、外食・業務用筋への提案拡大により、消費喚起・販売強化に努めました。以上の結果、当セグメントの売上高は31億81百万円(前年同四半期比56百万円(1.8%)の減少)、セグメント利益(営業利益)は1億96百万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)5億29百万円)となりました。
③
その他(運送事業・倉庫事業)運送事業は、主に気象影響による輸入青果物の取扱数量の減少及び定期輸送便の一部終了により、売上は前年同四半期を下回りました。また、コスト削減へ向けた取組みによる固定費の縮減を行ってきましたが、売上の減少影響により、利益は前年同四半期を下回る結果となりました。倉庫事業は、荷主が価格高騰の影響を抑えるために原材料等を前倒しで購入、寄託したことから、前期を上回る高い在庫水準で推移したものの、荷動きが停滞したことにより入出庫料が減少したため、売上は前年同四半期を下回りました。一方、収益性改善に向けた庫内管理の最適化を着実に推し進めた結果、利益では前年同四半期を上回りました。以上の結果、報告セグメントに含まれないその他の売上高は3億31百万円(前年同四半期比37百万円(10.3%)の減少)、セグメント利益(営業利益)は60百万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)24百万円)となりました。
(2)
財政状態の分析①
流動資産当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は114億45百万円(前連結会計年度末比23億32百万円の増加)となりました。これは主に原材料及び貯蔵品並びに現金及び預金の増加によるものです。②
固定資産当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は193億32百万円(前連結会計年度末比31億49百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の減価償却の進行の一方、本社第二工場の建設及び構築物並びにリース資産の増加によるものです。③
流動負債当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は109億27百万円(前連結会計年度末比25億62百万円の増加)となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少の一方、短期借入金の増加によるものです。④
固定負債当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は61億58百万円(前連結会計年度末比30億90百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金及びその他の増加によるものです。⑤
純資産当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上の一方、配当金の支払いにより136億91百万円(前連結会計年度末比1億71百万円の減少)となり、自己資本比率は本社第二工場建設に伴い総資産が増加したため前連結会計年度末の54.8%から44.5%となりました。
(3)
経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)
事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(5)
研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億64百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。