【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和により経済活動の再開が進み、ペントアップ需要(繰越需要)、円安によるインバウンド消費の増加、自動車産業の供給制約の緩和などにより、回復基調で推移しました。
一方、海外の経済や物価動向、ウクライナ情勢、中東の地政学リスクが顕在化するなど、世界的なリセッション(景気後退)につながる恐れがあり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす建設業界におきましては、公共投資は底堅さを維持し、民間設備投資が着実に進み、建設需要は増加傾向です。他方、建設資材価格が総じて高い価格水準にあることに加え、慢性的な労働者不足から労務費も上昇の傾向がみられ、引き続き経営環境への影響を注視する状況が続いております。また、不動産業界におきましては、住宅需要は堅調に推移しているものの、建築資材価格の高騰により販売価格相場の上昇傾向がみられ、物件の割高感が増しており、住宅需要はその影響を受け始めております。住宅ローン金利は低水準を維持しているものの、事業環境の変化の兆しを注視する必要があります。
このような背景のもと、当社グループは、ESG経営に積極的に取り組むとともに、土壌汚染対策事業におきましては、リスク管理型手法や責任施工保証の提案、工事品質管理、工事原価管理の徹底、DXの推進による業務効率化などの施策を推進しております。ブラウンフィールド活用事業におきましては、土壌汚染問題に直面する事業用地等を積極的に取得し、市場のニーズに合わせ、企画開発力を生かして付加価値を高めた形で、お客様に対し再販することに努めております。また、自然エネルギー事業におきましては、FITに頼らないビジネスモデルとして、工場、物流倉庫、ホームセンター等へのPPAモデルの提案を積極的に展開しております。
その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は5,482,836千円(前年同四半期比2.7%減)となりました。経常利益は548,945千円(同64.1%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は321,387千円(同67.0%減)となりました。
以下に各セグメントの状況を報告いたします。
①土壌汚染対策事業
当第2四半期連結累計期間の売上高は2,149,970千円(同17.5%減)となり、セグメント利益は31,271千円(同91.0%減)となりました。
国内では土壌汚染対策工事の引き合いは、引き続き堅調さを維持しておりますが、完全浄化以外の選択肢を求める顧客が増えており、土壌汚染の管理を目的とする経済的な対策(リスク管理型手法)や土壌調査と対策工事をセットにし対策費用の総額を保証して実施する責任施工など差別化された提案に注力しております。稼働中の工場の長期化する地下水汚染に対するリスク管理型手法の有力工法として米社から新たに導入した原位置透過壁工法(プルームストップ工法)については、第一号案件を実施工中です。株式会社エンバイオ・エンジニアリングが保有する原位置化学酸化技術とプルームストップ工法を組み合わせたハイブリッド工法は、東京都の「地下水汚染拡大防止技術支援」で推奨する技術メニューに認定されました。受注に関してはほぼ計画どおりに進捗しておりますが、大型案件で顧客都合による着工遅延が発生したことに加えて、前年と比べて高利益率の案件が少ないことから、前年同四半期比で減収減益となりました。
中国では日系企業の工場移転や事業撤退に伴う土壌汚染対策に注力しております。引き合い件数は増えてきたものの、日系企業の工場売却先の中国資本が主導権を持つケースが散見され、予断を許さない受注環境になってきました。
②ブラウンフィールド活用事業
当第2四半期連結累計期間の売上高は2,423,177千円(同10.4%増)となり、セグメント利益は250,734千円(同67.9%減)となりました。
株式会社エンバイオ・リアルエステートでは引き続き仕入れ競争が激化している中、大手や中小の仲介業者に相対で進められる案件の情報収集を積極的に行い、目黒区内のメッキ工場跡地を含む12物件を仕入れました。また、販売においては6物件の販売を行いました。なお、関西エリア(京都)で初の土壌汚染地を購入し、今後は関西エリアの情報収集も行っていく予定です。
大規模な土壌汚染地を扱う株式会社土地再生投資では、仕入れはありませんでしたが、1件のコンサル受注および3件の受注斡旋を行いました。大規模な厚木市内案件の売却があったため増収となりましたが、前期のような高利益率案件の販売がなかったため減益となりました。
③自然エネルギー事業
当第2四半期連結累計期間の売上高は909,689千円(同8.8%増)となり、セグメント利益は244,630千円(同19.5%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間末日における国内外の再生可能エネルギー発電所は開発中含め48か所、総発電量48MWとなっております。九州電力管内、中国電力管内、東北電力管内において出力制御の影響を受け、売電収入が計画を下回ったものの、新たに開始した再エネ電力を供給するサービスの営業が好調に推移したため増収となりました。また、宮城県に設置している太陽光発電所(リース物件)1箇所にて設備の故障が発生し、利益を圧迫したため減益となりました。なお、当該故障による逸失利益は第3四半期連結会計期間以降に保険金収入で補填される見込みであります。
クリーンエネルギーの需要は依然として高く、海外を含む新規案件の情報収集、セカンダリー発電所やコーポレートPPA案件、再生可能エネルギーを用いた新たなビジネススキームの検討に注力しております。その一環として、Alamport Renewables Pte. Ltd., との資本業務提携によりインドネシアでの再生可能エネルギー事業の検討を開始しております。
[国内]
株式会社シーアールイーが開発する物流施設「LogiSquare(ロジスクエア)」の屋根を活用した太陽光発電所(ロジスクエア白井、ロジスクエア枚方)の商業運転を2023年11月に予定しております。
脱炭素社会の実現に向け、CO2削減に取り組む企業向けに、非化石証書の販売や再エネ電力を供給するサービスを開始しました。
[海外]
ヨルダンにおいて、引き続き水資源開発の可能性を調査しております。またトルコにて開始しているバイオマス発電事業のフル稼働の早期実現に向け注力しております。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における資産につきましては、総資産は18,265,083千円となり、前連結会計年度末に比べ915,127千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が942,555千円、受取手形、売掛金及び契約資産が615,049千円及び現金及び預金が522,394千円増加したものの、棚卸資産が893,214千円及び投資その他の資産が167,487千円減少したことによるものであります。
負債につきましては、10,003,996千円と前連結会計年度末に比べ488,718千円減少いたしました。これは主に短期借入金が481,583千円、長期借入金が361,621千円及び買掛金が238,456千円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が1,477,969千円減少したことによるものであります。
純資産につきましては、8,261,086千円と前連結会計年度末に比べ1,403,845千円増加いたしました。これは主に資本金528,000千円、資本剰余金528,663千円及び利益剰余金が262,699千円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フロー状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ522,393千円増加し、3,321,029千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、獲得した資金は1,022,064千円(前年同四半期比52.0%減)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額883,032千円、税金等調整前四半期純利益547,533千円及び売上債権の増加額613,037千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、使用した資金は789,128千円(前年同四半期比0.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出679,755千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、獲得した資金は337,487千円(前年同四半期は224,788千円の使用)となりました。これは主に、株式の発行による収入1,056,000千円、長期借入による収入921,985千円、短期借入金の純増加額481,583千円及び長期借入金の返済による支出2,038,332千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,676千円であります。
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