【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年7月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、アフターコロナ期に移行し、社会経済活動の正常化を反映し、外国人観光客の受入れ緩和によるインバウンド需要が回復傾向にあるなど、景気は緩やかに回復しております。一方で、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっていることや、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるなど、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
北海道経済におきましても、公共工事、民間設備投資や個人消費も緩やかに持ち直しており、札幌大通公園のイベントである「さっぽろ大通ビアガーデン」や「さっぽろオータムフェスト2023」は4年ぶりに制限のない通常開催となり、観光業や飲食業を中心に経済活動は正常化に向けた動きがみられるようになりました。しかし、日本経済と同様の影響を受け、生産活動や雇用動向など一部に弱さが見られます。
また、当社の主要事業セグメントである広告・マーケティング事業の広告業界におきましては、経済活動正常化に伴う各企業のプロモーション活動の再開により、イベントや広告の需要が高まる傾向となる一方で、経済全般のデジタル化の流れを背景に各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への加速化が進み、マスメディア4媒体や折込みなどの紙媒体は減少基調が止まらない状況の中、インターネット広告分野のみが拡大し、増加基調が続いております。
このような環境の中、当社グループは、広告・マーケティング事業において、前年同期の業績に大きく寄与した北海道外の大型案件に係るデジタルマーケティング分野を中心とした売上高の減少等があったものの、観光コンサル分野のふるさと納税事業において、制度改正前の一時的な寄付額の増加影響もあり前年同期に比べ減収増益となりました。
以上により、当社グループの当第1四半期連結累計期間は、売上高が677,877千円(前年同期比 9.4%減)、売上総利益が201,579千円(同 18.5%増)となりました。また、営業利益66,107千円(同 34.6%増)、経常利益は72,129千円(同 31.3%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は46,709千円(同 26.5%増)となりました。
当第1四半期連結累計期間における報告セグメント別の業績の状況は次のとおりです。
1)広告・マーケティング事業
当社グループの主要事業セグメント分野である広告業界においては、アフターコロナ期に入り、社会・経済活動の正常化が進んだことで、企業のプロモーションが再開され、多くの広告媒体等の需要が高まる傾向となりました。特にインターネット広告分野は増加傾向が続き、マスメディア4媒体の広告費とほぼ同規模となり、今後も増加・拡大することが見込まれております。
北海道内においては、観光需要の回復傾向が見られるようになり、観光サービス分野ならびに企業による大型イベントが再開されるなど、経済活動及び個人消費も回復傾向となりました。このような環境の中、引き続き当社の強みであるデザイン力とマーケティング調査に基づいた企画提案力を生かした営業強化ならびにデジタルマーケティング分野の受注強化に努めたものの、前年同期の業績に大きく寄与していた北海道外の大型案件を補うまでの受注を獲得することができず、前年同期に比べ減収となりました。一方で、ふるさと納税事業を中心とした観光コンサル分野の拡充及び強化に積極的に取り組み、ふるさと納税の制度改正前の一時的な寄付額の増加も含め受託先自治体の寄付額増加に繋がったことでセグメント利益は増益となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は601,111千円(前年同期比 9.0%減)となり、セグメント利益は102,487千円(前年同期比 25.8%増)となりました。
<参考・当社グループにおける品目別の売上高>
商品品目別の売上高と前年同期との比較増減は次のとおりです。
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比
増減
新聞折込チラシの売上高
49,761千円
3.0%減
マスメディア4媒体の売上高
81,949千円
26.9%減
販促物の売上高
172,699千円
33.3%減
観光コンサルの売上高
227,774千円
194.2%増
インターネットの売上高
60,670千円
60.0%減
その他の売上高
8,256千円
7.4%減
セグメント売上高合計
601,111千円
9.0%減
(注)商品品目別の売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
2)債権投資事業
当社グループの債権投資事業は、不良債権化した金融債権のセカンダリー市場において投資対象債権を購入し収益化するものであります。不良債権の流動化マーケットは、2022年度は倒産企業件数及び負債総額ともに前年度から増加に転じ、2022年12月期において金融機関等から市場へ出た金融債権の取扱額は、年間11.4兆円と前期と比較して約0.6兆円(5.7%)増加し、またそれに比例し、取扱債権数も前年度より5.7%増加し、年間1,165万件となっております。(出所:2023年3月報道発表資料 法務省債権回収会社(サービサー)の業務状況について)
なお、2023年度上半期(4-9月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が4,324件(前年同期比37.6%増)、負債総額は1兆5,959億9,800万円(同8.3%減)となっております。件数は2年連続で前年同期を上回り、年度上半期では2019年度同期(4,256件)以来4年ぶりに4,000件台となっており、不良債権の処理市場は一定規模で今後も推移することが想定されます。(出所:2023年10月東京商工リサーチ 全国企業倒産状況)
当該事業セグメントにおいては、債権の集合体(グループ債権)の回収金額及び融資による営業貸付金利息を売上高としております。当第1四半期連結累計期間は順調な回収となりましたが、経年に伴い回収可能債権額が減少傾向にあることから、前年同期と比較して減収減益となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は7,549千円(前年同期比 43.0%減)となり、セグメント利益は2,395千円(前年同期比 44.3%減)となりました。
3)介護福祉事業
当社グループの介護福祉事業は、当第1四半期連結累計期間において、札幌市内にグループホーム2ヶ所、訪問介護(ヘルパー)ステーション1ヶ所、サービス付き高齢者向け住宅1ヶ所を運営し、グループホームの入居率は87.8%、サービス付き高齢者向け住宅の入居率は78.3%となりました。入居率は暦日による加重平均方式によって計算しております。
グループホームおよびサービス付き高齢者向け住宅ともに、空室に対する新規入居者の決定に時間を要し、前年同期に比べ入居率が低下しましたが、経費管理を徹底することにより、前年同期と比較して減収増益のセグメント損失となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は54,824千円(前年同期比 6.5%減)、セグメント損失は4,021千円(前年同期は4,084千円のセグメント損失)となりました。
4)ケアサービス事業
ケアサービス事業においては、継続して新規来院者を獲得できているものの、施術可能な従業員の退職等に伴う総来院数の減少等により、前年同期と比較して減収減益となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は14,867千円(前年同期比 15.9%減)、セグメント利益503千円(同 75.2%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当社グループの当第1四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度と比較して253,781千円増加し1,345,996千円となりました。その主な内訳は、売掛金が358,772千円及び制作支出金が59,594千円各々増加し、現金及び預金が149,714千円、営業貸付金が27,825千円各々減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度と比較して229千円減少し180,242千円となりました。その主な内訳は、有形固定資産が949千円増加し、無形固定資産が148千円及び繰延税金資産が1,020千円各々減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度と比較して224,615千円増加し865,493千円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金が238,981千円増加し、電子記録債務が6,432千円、未払法人税等が8,474千円各々減少したことよるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度と比較して28,936千円増加し660,745千円となりました。その主な内訳は、当第1四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益の計上46,709千円及び利益剰余金の配当による剰余金の減少19,260千円があったことにより利益剰余金が27,449千円増加したことによるものであります。
また、自己資本比率は42.5%(前連結会計年度末 48.8%)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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