【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する中で、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、世界情勢に伴う影響や中国経済の先行き懸念などのリスク、物価上昇、金融資本市場の変動等に注意する必要があります。
当社グループが属する自動車業界におきましては、新車登録台数(軽自動車含む)は、185万台(乗用のみ、貨物・バス等除く)となり、前年同期比18.3%の増加となりました。中古車登録台数(軽自動車含む)は、258万台(乗用のみ、貨物・バス等除く)となり、前年同期比2.4%の増加となりました(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会、一般社団法人全国軽自動車協会連合会)。
このような環境の中で当社グループは、「自動車流通事業」においては、『顧客ファースト』のスローガンのもとに、お客様と直接取引する「買取直販」を積極的に推進しております。長期在庫車両等の処分や良質車両の仕入強化を行った効果により利益率が向上しております。また、保証やメンテナンスパッケージなど多様化するお客様のニーズに対応するサービスを強化することによる付帯収益の向上とともに、車検や保険などのアフターサービスの充実を図り、納車後のお客様との継続的な取引を強化することにより、各営業拠点の販売及び車両粗利が改善しております。
商用車関連におきましては、カーチス倶楽部会員や法人顧客を対象とした新たな顧客層の開拓により、トラックなどの取引を拡大しております。
海外関連におきましては、諸外国との輸出取引の動きが回復しており、特にバングラデシュ等においては活発な取引を行っております。また、円安の影響もあり、海外向けの車両販売は前年同期1,256百万円から1,428百万円に増収となっております。中国に設立しました合弁会社である青島新馳汽車有限公司につきましては、2023年4月に新華錦集団有限公司及び山東膠東航空城投資有限公司とともに投資枠組み契約意向書を締結し、本格的な稼働に向けた体制整備を進めております。また、2023年9月に海外での自動車の販売、製造ならびに現地における市場開発のための企画及びコンサルティング業を行うことを目的として株式会社カーチスキャピタルマネージメントを設立し、当社は18%の出資を行っております。同社の事業第一弾として、チャド共和国において、チャド商工会議所より、自動車整備の業務の依頼を受け、自動車の整備、販売等を、協業により行う合弁会社の設立を目的とした基本合意書を締結いたしました。
「カーチスファンドを活用したリースバック関連事業」においては、金融機関、大手物流業者との連携及びカーチス倶楽部会員を通じた運送事業者等への事業の認知度向上を進めており、セグメント利益は48百万円(前年同期は21百万円)と大幅な増益となっております。また、2023年10月には運送会社を支援し、物流事業の安定に貢献する方針をさらに押し進めるため、物流管理プラットフォームとして、一般貨物自動車運送事業許可及び貨物利用運送事業登録を取得し活用することで運送会社の資金繰り等を支援し、もって運送会社の経営安定化、さらには物流業界の発展に寄与するとともに、運送会社のM&Aアドバイザリー事業、商用車の買取販売事業、リース及びリースバック事業、金融業も手掛ける総合物流商社となることを目的とした株式会社カーチスロジテックを設立しており、今後のリースバック関連事業及び商用車関連事業の更なる取引拡大を図ってまいります。
販売費及び一般管理費につきましては、新規事業や海外輸出関連事業の取引増加に伴う事業構造の転換による人員採用などの戦略的投資を積極的に実施しておりますが、不要な費用の見直し等による継続的な経費削減を行っております。
以上の結果、売上高は8,808百万円(前年同期比7.1%減)と減収になりましたが、営業利益は20百万円(前年同期は営業損失93百万円)、経常利益は91百万円(前年同期は経常損失42百万円)と前年同期と比較して大幅な増益となり、当第2四半期連結累計期間においては黒字に転換いたしました。
当社グループのセグメント別の業績は、次のとおりであります。
[自動車流通事業]
自動車流通事業の売上高は8,731百万円(前年同期比7.6%減)、セグメント損失は27百万円(前年同期はセグメント損失115百万円)となりました。
[リースバック関連事業]
リースバック関連事業の売上高は76百万円(前年同期比208.4%増)、セグメント利益は48百万円(前年同期比130.2%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は7,396百万円となり、前連結会計年度末と比べ、663百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、現金及び預金の増加533百万円、売掛金の増加139百万円、商品の減少166百万円などによるものであります。
負債合計は2,404百万円となり、前連結会計年度末と比べ、583百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、買掛金の増加487百万円、契約負債の増加201百万円などによるものであります。
純資産は4,991百万円となり、前連結会計年度末と比べ、80百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、利益剰余金の増加37百万円、非支配株主持分34百万円の増加などによるものであります。この結果、自己資本比率は64.6%(前連結会計年度は70.2%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は、2,162百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益は92百万円であり、仕入債務の増加487百万円、契約負債の増加201百万円などの増加要因と売上債権の増加139百万円などの減少要因により、738百万円の収入となりました(前年同期は446百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
定期預金の預入による支出101百万円、無形固定資産の取得による支出38百万円、有形固定資産の取得による支出10百万円などにより、150百万円の支出となりました(前年同期は60百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
新株予約権の行使による株式の発行による収入9百万円の増加要因と短期借入金の返済160百万円の支出、リース債務の返済による支出12百万円などの減少要因により、163百万円の支出となりました(前年同期は45百万円の支出)。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。