【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~同年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染者数が増減を繰り返す中、行動制限の緩和による社会・経済活動正常化の動きが見られ、景気は緩やかな回復基調にある一方で、ロシアによるウクライナ侵攻等に起因したエネルギーや穀物等の価格上昇、為替相場の円安進行等の影響もあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。当社グループの主要顧客である外食産業では、上記の通り新型コロナウイルス感染が収まりつつある中で需要が持ち直す傾向にあるものの、回復の足取りは業態ごとにばらつきが見られ、本格的な復調までには今しばらく時間を要する見通しです。加えて、資源価格や原材料価格の高騰、物流費や人件費の上昇等の影響もあり、厳しい事業環境が続いています。このような状況の中、当社グループにおきましては、引き続き従業員や取引先様等の感染防止を最優先としながらも、2021年5月に発表しました中期経営計画「Transformation 2024」での基本方針の一つである「事業ポートフォリオの変革」として取引業種の裾野拡大を推進し、新たなお取引様ニーズへの積極的な対応を進めてまいりました。また、中期経営計画におけるその他の基本方針である「青果物流通インフラの構築」、「サスティナビリティ経営の推進」につきましても、物流拠点新設計画の具体化やフードロスの低減、次世代人材の育成を目的とした人的資本投資の強化など、それぞれの施策を推し進めております。さらに、ミールキットを手掛ける楽彩株式会社、デリカフーズ長崎株式会社を中心に、新分野であるBtoC事業の拡充も推し進め、着実に成果も上がり始めている状況です。一方、仕入・在庫の厳格管理、廃棄ロスの削減、人員配置・物流の最適化などの効率運営を継続的に図り、収益体質の強化にも努めています。加えて、お取引様への丁寧な説明を実施した上での売価改善の効果もあり、一部の輸入商材の高騰や原材料価格の上昇を受けた諸経費の上昇などの影響はありましたが、収益力の改善が顕著になってきております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は9ヶ月間の売上高として過去最高の35,701百万円(前年同四半期比21.0%増)となりました。また、利益につきましても、当第3四半期連結累計期間の営業利益は450百万円(前年同四半期は348百万円の営業損失)、経常利益は512百万円(前年同四半期は224百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は462百万円(前年同四半期は411百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)と前年対比で大きく回復させ、全項目とも黒字転化を果たしております。なお、当第3四半期(3か月)の利益につきましては前年同期を更に上回る水準で、四半期ベースでの過去最高益更新とコロナ克服を果たしており、通期連結業績につきましても、今回上方修正をさせていただきました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。① 青果物事業当セグメントの売上高は、新型コロナウイルスの影響は長引いているものの、外食需要が徐々に戻りつつあることに加え、「事業ポートフォリオの変革」を推進し新規・深耕の営業活動で顧客の裾野拡大を図った結果、売上高は35,268百万円と前年同四半期と比べ6,094百万円(20.9%)の増収となりました。当セグメントの利益につきましては、増収効果のほか、引き続き徹底した効率化等の施策を講じながら売価の改善にも注力したことで、セグメント利益(経常利益)は437百万円(前年同四半期は294百万円のセグメント損失(経常損失))となりました。
② 物流事業当セグメントの売上高は、主要な荷主であるデリカフーズ株式会社の売上高が順調に推移し、加えてグループ以外への販売も強化したことから、2,832百万円と前年同四半期と比べ303百万円(12.0%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、コース集約などで効率化に努めたことから30百万円と前年同四半期と比べ13百万円(76.7%)の増益となりました。
③ 研究開発・分析事業当セグメントの売上高は、大手企業からの検証試験の受注など受託分析事業や公的補助事業にて売上が増加、定期コンサルティングの増加などコンサルティング事業も順調に推移しましたが、グループ内の研究委託の減少などから、74百万円と前年同四半期と比べ2百万円(3.7%)の減収となりました。また、セグメント損失(経常損失)は、人員増等による人件費増加の影響が大きく、6百万円(前年同四半期は6百万円のセグメント利益(経常利益))となりました。
④ 持株会社当セグメントの売上高は、513百万円と前年同四半期と比べ45百万円(9.8%)の増収となりました。セグメント利益(経常利益)は、128百万円と前年同四半期と比べ4百万円(3.4%)の増益となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.0%増加し、10,049百万円となりました。これは、主として現金及び預金が1,059百万円減少した一方、売掛金が1,455百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.8%減少し、13,278百万円となりました。これは、主として有形固定資産の「その他」が284百万円減少した一方、建物及び構築物が129百万円増加したことなどによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて1.7%増加し、23,327百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて9.1%増加し、8,694百万円となりました。これは、主として買掛金が466百万円、未払金が290百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて8.7%減少し、7,982百万円となりました。これは、主として長期借入金が698百万円減少したことなどによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて0.2%減少し、16,677百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.6%増加し、6,650百万円となりました。これは、主として利益剰余金が388百万円増加したことなどによります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1.8百万円であります。