【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の落ち着きと共に行動制限も徐々に緩和され、ウィズコロナを前提とした各種政策へ移行しつつあります。一方で引き続きロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの継続や、歴史的な円安進行による物価の高騰、世界的な金融引き締め等を背景とした国内外の景気の下振れ等の懸念により、経済の先行きは依然として不透明な状況となっております。当社を取り巻く事業環境としましては、新型コロナウイルス感染症の落ち着きと共に行動制限も徐々に緩和された事で消費行動の外出再開への反動が強まっており、相対的に巣ごもり需要が沈静化した事で、出版流通業界全体において売上高が前年比を下回る状況となっております。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所が発刊している出版月報9月号によると、当第2四半期の連結累計期間にあたる2022年4月~9月の書籍雑誌推定販売金額は、前年同期比6.4%減となっております。特に当社が属する紙コミック市場については、同出版月報8月号・9月号によると、紙コミックスの推定販売金額が直近8月で前年同月比7%減、9月で同22%減となっており、直近で書籍全体の販売推移以上の減少がみられております。当第2四半期の連結累計期間においては、マンガを原作とする作品のアニメ・映画化等によるヒット作品がいくつか発生しているものの、前年同期に発生した「呪術廻戦」「東京卍リベンジャーズ」等と比較して数、規模共に小さかった事も、巣ごもり需要の沈静化と共に、紙コミック市場の減速の要因になったと考えております。
そのような環境の中で、主力のECサービスについては、当第2四半期の連結累計期間を通してのECサイトに訪れるユーザー数は10.3百万人(計画値11.7百万人、前年同四半期比12.7%増)と前年からの拡大は図れたものの予算値には未達となりました。一方で、購買率については1.51%(計画値1.96%、前年同四半期比28.3%減)とより低下が著しく、その結果当第2四半期の連結累計期間において業績予想に対する売上高達成率は81.1%となり、期初の想定を下回りました。また当社グループが成長サービスとして位置付けるイベントサービスについては、当第2四半期の連結累計期間におきましては、2022年3月に新規オープンした名古屋店舗を含む国内4店舗のイベント開催及び、ECの活用によるイベントグッズ販売の両方が大きく拡大しましたが(前年同期比では39.4%増)、同サービスの売上高も予算比85.8%と予算を下回る結果となりました。
上記の施策の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は2,325,389千円、営業利益は51,625千円、経常利益は51,244千円、四半期純利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は36,489千円となりました。
注.当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の業績の状況については記載しておりません。
(2)財政状態の分析
(資産の部) 当第2四半期連結会計期間末の総資産は2,145,507千円(前連結会計年度末比215,230千円増)となりました。総資産の内訳は、流動資産が1,973,513千円(前連結会計年度末比205,824千円増)、固定資産が171,994千円(前連結会計年度末比9,405千円増)であります。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ、流動資産は、銀行借入の実施等に伴い、現金及び預金が289,173千円増加したこと、一方で、売掛金が72,024千円減少したこと等によるものであります。また、固定資産は、自社サービス関連の開発活動の実施でソフトウェア仮勘定等が増加したことにより、無形固定資産が18,534千円増加したこと及び減価償却費の計上によって8,969千円が減少したことによるものであります。
(負債の部)当第2四半期連結会計期間末における負債合計は993,689千円(前連結会計年度末比134,779千円増)となりました。負債の内訳は、流動負債が614,041千円(前連結会計年度末比92,263千円減)、固定負債は379,648千円(前連結会計年度末比227,043千円増)であります。主な変動要因は、前連結会計年度末に比べ、流動負債は、取引の減少により買掛金が95,093千円減少したことと、納税の実施により未払法人税等が63,828千円減少したこと、銀行借入の実施により1年以内返済予定の長期借入金が59,421千円増加したことによるものであります。また固定負債は、銀行借入の実施により長期借入金が227,043千円増加したこと等によるものであります。
(純資産の部)当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は1,151,818千円(前連結会計年度末比80,451千円増)となりました。主な変動要因は、2022年4月20日を払込期日とする有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による増資と、2022年9月14日を払込期日とするストックオプションの権利行使による増資により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ21,981千円増加したことや、親会社株主に帰属する四半期純利益等の計上に伴い利益剰余金が36,489千円増加したことによるものであります。以上の結果、財務指標としては、流動比率が321.4%、自己資本比率が53.6%になっております。
(3) キャッシュ・フローの状況 当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に 比べ、289,173千円増加し、1,026,433千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、18,788千円となりました。これは、税金等調整前四半期純利益51,244千円、売上債権の減少72,024千円、減価償却費8,969千円、棚卸資産の減少6,716千円等による資金の増加と、仕入債務の減少95,093千円、法人税等の支払による減少69,795千円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、22,463千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出3,928千円、無形固定資産の取得による支出18,534千円等による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果得た資金は、330,426千円となりました。これは、長期借入れによる収入300,000千円と、株式の発行による収入43,962千円等による資金の増加と、長期借入金の返済による支出13,536千円等によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等 当第2四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題 当第2四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動 該当事項はありません。
(7) 従業員の状況当第2四半期連結累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。