【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(a) 全社業績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の長期化や、ロシア・ウクライナ情勢、急速な円安の進行の影響などの懸念により、未だ景気の先行きは極めて不透明な状況が続いております。外食業界におきましては、新型コロナウイルス感染者数は4月より徐々に減少傾向で推移したものの、7月頃から第7波の影響により感染者数が急増いたしました。その後、感染者数は徐々に減少したものの、需要は未だ回復途中であり、加えて、原材料費の高騰や人材不足及び採用コストの増加など、依然として厳しい状況が続いております。このような状況の中、当社グループは、『あらゆる人の幸せに関わる日本一のおもてなし集団』というグループミッションのもと、より多くのお客様におもてなしによって感動を提供する為に、優秀な人材の確保及びサービス力向上に注力するとともに、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じながら営業を行ってまいりました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は8,376,142千円(前年同期比89.3%増)、営業利益は166,865千円(前年同期は営業損失729,656千円)、経常利益は131,369千円(前年同期は経常損失751,781千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は80,046千円(前年同期比57.8%減)となりました。
(b) セグメント業績飲食事業においては、新規出店及び既存店の業態変更、既存店のサービス力向上及び店舗オペレーションの改善、自社アプリなどの会員獲得によるリピーター客数の増加に継続して注力してまいりました。新規出店・業態変更に関しては、神奈川県エリアへの新規出店(屋台屋博多劇場横浜店)、ドミナントエリアへの新規出店(韓国屋台ハンサム町田店・渋谷店、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん亀戸店)及びアフターコロナにおけるニーズに対応した、にのや業態の新規出店(寿司トおでんにのや大門店)のほか、既存店のこだわりもん一家船橋店を「寿司トおでんにのや」に、屋台屋博多劇場本川越店・新橋店を「韓国屋台ハンサム」へ業態変更し、Remo cafeおおたかの森店及びこだわりもん一家成田店、屋台屋博多劇場八重洲店を閉店したことにより直営店は合計で74店舗となりました。前連結会計年度においては、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出等を受け、全店で臨時休業及び酒類提供の自粛を含む要請の範囲内での時短営業を実施いたしましたが、当連結会計年度においては、全店通常営業を行いました。その結果、既存店(屋台屋博多劇場業態・こだわりもん一家業態・大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん業態)客数は前年比104.2%増となり、既存店客単価は前年比0.2%減で推移し、既存店売上高は前年比103.8%増となりました。以上の結果、売上高は6,387,210千円(前年同期比108.4%増)、セグメント利益(営業利益)は52,504千円(前年同期のセグメント損失(営業損失)は553,841千円)となりました。ブライダル事業においては、近年、結婚式のニーズの多様化により少人数婚のニーズが高まり、婚礼1組当たりの組人数が減少傾向にある中、婚礼の主力広告媒体との連携強化による来館数・成約率の向上、サービス力向上及びコスト削減、宴席の新規案件の取り込み及びリピート客数の増加、レストランのサービス力、商品力の向上及び新規客数の増加にも継続して注力いたしました。その結果、施行件数は前年同期比で大幅に増加し、施行件数は新型コロナウイルスの感染拡大以前の水準まで戻りつつあります。また、組人数・組単価についても、依然として少人数での挙式のニーズは多い状況ではあるものの、徐々に回復し、前年同期比で増加いたしました。売上高は1,988,932千円(前年同期比46.3%増)、セグメント利益(営業利益)は99,168千円(前年同期のセグメント損失(営業損失)は183,599千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は1,082,176千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは483,297千円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益112,218千円、減価償却費218,958千円、減損損失37,099千円、助成金の受取額72,486千円、仕入債務の増加額51,495千円、未払金の増加額47,917などによる資金の増加が、売上債権の増加額82,243千円などによる資金の減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは340,923千円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得による支出289,847千円、投資有価証券の取得による支出30,616千円、差入保証金の差入による支出65,234千円などによる資金の減少が、差入保証金の回収による収入66,161千円などによる資金の減少を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは53,239千円の支出となりました。これは、長期借入金の返済による支出1,683,447千円などによる資金の減少が、長期借入れによる収入1,395,000千円及び株式の発行による収入235,964千円による資金の増加を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 仕入実績当社グループの事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて、「仕入実績」を記載いたします。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高
前年同期比(%)
飲食事業(千円)
2,033,451
202.4
ブライダル事業(千円)
825,861
140.5
合計
2,859,313
179.5
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、仕入価格によっております。3.当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルスの影響から市場回復があったことによるものです。
(b) 受注実績当社グループで行う飲食事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 なお、当連結会計年度におけるブライダル事業の受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
ブライダル事業
1,145,229
112.1
925,334
74.5
(注) 上記の金額は、ブライダル事業における婚礼の受注実績のみを記載しております。
(c) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高
前年同期比(%)
飲食事業(千円)
6,387,210
208.4
ブライダル事業(千円)
1,988,932
146.3
合計
8,376,142
189.3
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルスの影響から市場回復があったことによるものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績は、「経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、その主な要因は次のとおりです。当連結会計年度において、当社は、『あらゆる人の幸せに関わる日本一のおもてなし集団』というグループミッションのもと、より多くのお客様におもてなしによって感動を提供する為に、優秀な人材の確保及びサービス力向上に注力するとともに、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じながら営業を行ってまいりました。飲食事業においては、新型コロナウイルス感染者数が4月より減少傾向になったことにより順調に推移していたものの、7月頃から第7波の影響により感染者数が急増し、需要が一時的に減少いたしました。その後は9月頃から感染者数の減少とともに需要も徐々に回復し、10月以降の売上高はコロナ前の9割ほどの回復率で推移いたしました。ブライダル事業においては、婚礼の施行件数、組人数が共に増加し、組単価も上昇いたしました。また宴席部門においても同様に需要が回復し、成功件数が増加したことにより前年同期比で売上高、営業利益ともに増加いたしました。その結果、売上高は8,376,142千円(前連結会計年度比89.3%増)、売上総利益は5,520,124千円(前事業年度比94.4%増)となりました。販売費及び一般管理費については、人件費2,160,900千円(前連結会計年度比61.9%増)、地代家賃945,503千円(前連結会計年度比35.5%増)などにより5,353,259千円(前連結会計年度比50.0%増)となりました。以上の結果、営業利益は166,865千円(前連結会計年度は営業損失729,656千円)となりました。また、受取手数料及び助成金収入などの営業外収益を14,107千円、支払利息などの営業外費用を49,603千円を計上した結果、経常利益は131,369千円(前連結会計年度は経常損失751,781千円)となり、固定資産売却益などの特別利益を33,830千円、減損損失などの特別損失52,981千円及び法人税等30,048千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は80,046千円(前連結会計年度比57.8%減)となりました。
② 財政状態の分析
(総資産)当連結会計年度末における総資産は、敷金及び保証金が174,300千円減少したものの、現金及び預金が95,137千円、売掛金が83,379千円、投資その他の資産のその他が153,751千円増加したことなどにより、4,767,123千円(前連結会計年度末比108,399千円の増加)となりました。
(負債)当連結会計年度末における負債は、買掛金が51,495千円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が74,650千円、長期借入金が204,623千円減少したことなどにより、3,829,477千円(前連結会計年度末比230,858千円の減少)となりました。
(純資産)当連結会計年度末における純資産は、新株の発行に伴い資本金が122,149千円、資本剰余金が122,149千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が80,046千円増加したことなどにより、937,645千円(前連結会計年度末比339,257千円の増加)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は1,082,176千円(前事業年度末比89,133千円の増加)となりました。当社グループの所要資金は、主に新規出店に伴う保証金の支払と店舗造作等の有形固定資産の取得のための資金であります。これは、銀行借入により調達しております。また、経常の運転資金は主に自己資本、第三者割当増資及び銀行借入などにより賄っております。なお、詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社の経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。時流を見つつ顧客ニーズに対応していくと共に、新規出店の選別を厳しくして、他の外食企業との差別化を図り、お客様満足度の向上に努め、持続的な成長の維持と収益基盤の強化を図ってまいります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し外食業界自体の縮小と業界内の競争が激化する中、対策を講じる必要があると認識しております。お客様のニーズの変化を把握し、来店動機を増大させております。また商品・サービスの品質をブラッシュアップしていくとともに、新規出店を加速することで、当社グループへの認知度を上げ更なる成長を図ってまいります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について外食業界を取り巻く環境は、人口減少や競争激化等により、厳しい状況にあります。その中で、いかにお客様のニーズを把握し、満足度を向上させること、また、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた市場の変化を捉えていくことが重要であると認識しております。今後におきましては、継続的な人材採用や教育の強化、新規業態の開発、お客様満足の追求を目的とした営業力強化等により更なる企業価値の向上を目指してまいります。
⑦ 経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経常利益を重要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度における経常利益は131,369千円となり、前連結会計年度における経常損失751,781千円に比べ、883,150千円の増益となりました。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存であります。
⑧
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。