【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)業績第3四半期連結累計期間における国内経済は、新型コロナウイルスの感染動向が一進一退を繰り返す中、経済正常化の動きは見られているものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や急激な為替変動等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いており、物価上昇や世界的な金融引き締めなど、国内外の動向に引き続き留意が必要な状況です。 このような状況下、当社グループにおきましては、美容事業や和装事業で不採算店を閉鎖する一方で新規出店を行い筋肉体質の強化に努めたことに加え、コロナ感染拡大に十分注意しつつ店舗・展示販売会への集客改善に注力し、売上高は回復傾向で推移いたしました。また東京ガイダンス株式会社及び株式会社OLD FLIPを当社グループ傘下に迎え入れ、教育事業の基盤強化を推進すると共に、市場成長期待の高いリユース事業に参入し、更なる成長に向け取組みを強化しております。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は102億44百万円(前年同期比7.2%増)となり、営業利益は1億84百万円(前年同期比526.0%増)、経常利益は1億76百万円(前年同期比933.0%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益については、売上高の回復に加え、新型コロナウイルス感染症による損失が大幅に減少したこと等により、56百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失80百万円)となりました。セグメント別の業績は、次のとおりです。なお、従来「その他の事業」に含まれていた「教育事業」については、2022年5月2日付で実施した東京ガイダンス株式会社の連結子会社化により量的な重要性が増したため、第1四半期連結会計期間より報告セグメント「教育事業」として記載する方法に変更しており、併せて、前第3四半期連結累計期間の情報についても変更後の区分により記載しております。
・美容事業美容事業においては、不採算店舗を前年同期比で7店舗閉鎖したことに加え、12月末にかけコロナ感染者が増えた影響で客数が微減した事もあり、売上高は15億円(前年同期比1.9%減)となりました。損益面では、不採算店舗の閉鎖による収益改善とともに、適正人員の配置による生産性向上を図った事や一部経費の見直しを実施したこと等により、セグメント利益は29百万円(前年同期はセグメント損失27百万円)と改善いたしました。 美容事業では、売上増を狙った店舗業態転換の実行や付加価値の高い新メニュー導入によるサービス単価の向上等により収益改善を目指すと共に、指名制度の導入やカウンセリングの徹底等により再来客増の取り組みを強化しております。また、2022年10月に美容事業3部門(当社美容事業・株式会社L.B.G・株式会社みうら)の営業を統合し株式会社ヤマノプラスとして新たなスタートを切り、各部門が持つ特色を活かしつつ、事業環境の変化により機動的かつ迅速に対応出来る体制を整えました。
・和装宝飾事業和装宝飾事業においては、前年度に不採算店舗の閉鎖を加速したことにより店舗数は減少となりましたが、全体として店頭及び展示販売会での集客や売上高は回復・増加傾向で推移しており、売上高は72億25百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は1億48百万円(前年同期比262.6%増)となりました。 コロナ禍で縮小していた「前楽結び着方教室」や「きもの会」については、規模の見直しを行いつつ各店舗で順次再開し、お客さまへのソフトと価値の提供を強化しております。また、今後の事業成長に不可欠な店長候補の育成や販売員の採用を強化すると共に、伝統文化を尊重する一方で時代に沿った商品ラインナップも取り入れつつ、和装事業の裾野を広げる取組みにもチャレンジしております。
・DSM事業DSM事業においては、コロナ禍の行動制限解除後も依然厳しい状況が続いている事に加え、拠点数を減少させた事もあり、売上高は7億9百万円(前年同期比2.2%減)となりました。一方でコスト管理強化の推進や不採算拠点を閉鎖した効果もあり、セグメント損失は4百万円(前年同期はセグメント損失19百万円)と改善いたしました。
DSM事業では、販売体制の再構築を実施し、お客さまの『モノ』から『コト』へのニーズ変化に対応する新たなサービスである「暮らしの安心サポート」を今年度から開始しており、引き続きお客さまとの信頼関係を強化するとともに、新規・休眠顧客の需要喚起を行い、収益向上に努めてまいります。
・教育事業教育事業においては、株式会社マンツーマンアカデミーの安定した塾運営に加え、東京ガイダンス株式会社が2022年5月付で連結子会社として加わったことも寄与し、売上高は6億59百万円(前年同期比86.0%増)となりました。損益面では東京ガイダンス株式会社のグループ化に伴う一時的な管理統合費用の計上はありましたが、セグメント利益は20百万円(前年同期比694.8%増)となり、順調な利益貢献が具現化しております。教育事業では、株式会社マンツーマンアカデミーと東京ガイダンス株式会社2社の総合力発揮への取り組みを強化し、教育事業の経営基盤を固めつつ事業の拡大と発展を図ってまいります。
・その他の事業その他の事業の収益は、株式会社ヤマノセイビングの前払い式特定取引業による手数料収益及び一般社団法人日本技術技能教育協会の着物着付教室の運営収益に加え、2022年6月に連結子会社化したリユース事業を営む株式会社OLD FLIPの業績5か月分を含んでおります。売上高は1億49百万円(前年同期比754.6%増)となり、セグメント損失は26百万円(前年同期はセグメント損失27百万円)となりました。株式会社OLD FLIPにつきましては、拡大が期待されるリユース市場において様々な可能性に取り組んでおります。
(2)財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて4億58百万円増加し97億56百万円となりました。これは主に現金及び預金が1億95百万円減少し、売掛金が1億99百万円増加、商品が88百万円増加、のれんが3億29百万円増加したことによるものです。負債につきましては、前連結会計年度末に比べて4億15百万円増加し85億47百万円となりました。これは主に、短期借入金が3億10百万円減少、支払手形及び買掛金が1億3百万円増加、電子記録債務が1億42百万円増加、未払金が1億3百万円増加、長期借入金が3億40百万円増加したことによるものです。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ43百万円増加し12億8百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益計上による利益剰余金56百万円の増加、利益剰余金の配当による35百万円の減少によるものです。なお、2022年6月29日開催の定時株主総会決議に基づき2022年8月3日付で無償減資を実施し、資本金が20百万円減少、資本剰余金が20百万円増加したこと等により、当第3四半期連結会計期間末において、資本金が10百万円、資本剰余金が1億78百万円となっております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動 該当事項はありません。
(5)従業員数 当第3四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績 当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(7)主要な設備 当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計 画の著しい変更はありません。