【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国の経済は、各種政策の効果によって雇用・所得環境の改善など、緩やかな回復が期待される一方で、世界的な金融引締め等が続き、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループがSaaS型クラウドサービスを提供する不動産業務支援の市場においては、労働人口の減少及び慢性的な人手不足や、安定的に増加する新規参入事業者のIT設備投資需要の増加、昨年5月の改正宅地建物取引業法により解禁となった「不動産取引の全面電子化」によって業界全体にDX促進の機運が高まっており、当社グループにとっては引き続き追い風の状況が続いております。
このような事業環境の下、当社グループは不動産領域に対して最適なプラットフォームの構築および、中長期での成長計画を示した3カ年計画の実現に向けて各種成長戦略を推進してまいりました。※3カ年計画とは、当社グループの2022年6月期 ~ 2024年6月期の3カ年の業績、成長計画について記載したものであり、詳細は当社IRサイトにて公開している「2023年6月期 通期 決算説明資料」にてご確認いただけます。
3カ年計画の基本戦略としては、不動産事業者同士をつなぐ情報のインフラである業者間物件流通サービス「不動産BB」や「リアプロ仲介」の導入提案によって日本全国の不動産事業者との接点を増やし、その後、さらなる付加価値提供として有償のサービスを販売するフリーミアム戦略(注)を取っております。無償の顧客基盤に提供する有償のサービスは、仲介事業者向けに提供する仲介ソリューションと賃貸管理業者向けに提供する管理ソリューションの大きく2つを提供しており、仲介ソリューションではホームページ制作や不動産ポータルサイト連動、電子入居申込、電子契約など集客から契約までの業務を支援する商品・サービスを提供しております。管理ソリューションでは煩雑で多岐にわたる賃貸管理業務をデータベースで一元管理し、業務効率化を図る商品・サービスを提供しております。(注)フリーミアム戦略とは基本となるサービスや製品を無償で提供し、さらに高度な機能やサービスを利用する際には料金を課金する仕組みのビジネスモデルであります。
当社グループは新規のお客様のみならず、導入後の支援体制を活かし、既存顧客へのアップセル・クロスセルも積極的に提案しております。全国の営業拠点で現場支援を行うシステムアドバイザーやカスタマーサクセスチームが主体となり、継続支援のなかで新たに顕在化された顧客の課題に対し、解決となるサービスの提案を随時実施しております。 3カ年計画2年目となる当連結会計年度は、前連結会計年度に実施した先行投資を活かし、事業を推進してまいりました。営業体制の強化(営業人員倍増、営業拠点の増設)による業績拡大については当初計画より一部遅れていた点はございましたが、採用したメンバーのスキルアップも着実に進み、今後の当社の成長に向けた基盤づくりにつながっております。前連結会計年度に経営統合した株式会社リアルネットプロとのシナジーについては、商品間データ連携を活かし、見込案件の紹介・エリア戦略に基づいた営業活動によるクロスセルを実施してまいりました。引き続きシナジーの最大化に向けて活動を推進してまいります。
中期ビジョンとして掲げるプラットフォーム創造については、家賃保証会社や電子決済事業者とのデータ連携を中心に様々な企業との提携が進んでおります。当社プラットフォームの領域を拡大しつつ、パートナー企業と共に今後より一層業界のDX化に貢献してまいります。
a.財政状態(資産)当連結会計年度末における資産合計は、5,109,880千円となりました。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、1,988,127千円となりました。(純資産)当連結会計年度末における純資産は、3,121,753千円となりました。
b.経営成績当連結会計年度の売上高は3,770,377千円(前連結会計年度比23.5%増)、営業利益は329,719千円(前連結会計年度比34.2%減)、経常利益は376,010千円(前連結会計年度比30.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は185,313千円(前連結会計年度比34.6%減)となりました。なお、当社グループは不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、サービス分類別の売上高の状況は、次のとおりであります。
サービス分類
前連結会計年度
当連結会計年度
対前年同期
(自 2021年7月1日
(自 2022年7月1日
至 2022年6月30日)
至 2023年6月30日)
売上高(千円)
構成比(%)
売上高(千円)
構成比(%)
差額(千円)
増減率(%)
仲介ソリューション
イニシャル
70,425
2.3
74,450
2.0
4,025
5.7
ランニング
859,275
28.1
1,431,466
38.0
572,191
66.6
計
929,701
30.4
1,505,916
39.9
576,215
62.0
管理ソリューション
イニシャル
990,557
32.4
914,062
24.2
△76,495
△7.7
ランニング
1,096,298
35.9
1,310,473
34.8
214,175
19.5
計
2,086,855
68.3
2,224,535
59.0
137,680
6.6
その他
37,196
1.2
39,925
1.1
2,729
7.3
合計
3,053,753
100.0
3,770,377
100.0
716,624
23.5
イニシャル:販売時に一括で売上計上するソフトウエアの導入費用・導入ライセンスランニング:保守・利用期間に渡って売上計上する、ライセンス料金・サービスの利用料
(仲介ソリューション)仲介ソリューションにおいては、自社ホームページ集客を支援する「Web Manager Pro」や、不動産ポータルサイト集客を支援する「物件データ連動」、不動産契約の電子化を支援する「電子契約サービス」等、仲介業務の課題解決となるサービスの提案を積極的に行ってまいりました。フリーミアム戦略として現在無償で提供している業者間物件流通サービス「不動産BB」を導入済の顧客に対して、データの二次活用としてのサービス提案を積極的に行い、無償から有償への切り替えも促進してまいりました。また、グループ企業である株式会社リアルネットプロが提供する業者間物件流通サービス「リアプロ」を有償で利用する顧客からの月額利用料も順調に積み上がりました。その結果、アップセルも功を奏し、仲介ソリューションの売上高は1,505,916千円(前年同期比62.0%増)となりました。
(管理ソリューション)管理ソリューションにおいては、売上のメインとなる「賃貸革命」の新規顧客への販売、既存顧客へのバージョンアップ、オプション追加等積極的に提案してまいりました。また、解約率については継続して低位で安定していることから、月額利用料も堅調に積み上がりました。その結果、管理ソリューションの売上高は2,224,535千円(前年同期比6.6%増)となりました。※仲介ソリューション、管理ソリューションの合計売上高3,730,451千円の他に、その他売上高39,925千円があります。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、954,716千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、279,073千円となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益376,373千円、法人税等の支払額295,997千円、減価償却費の増加額108,611千円、未払金の増加額91,011千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、112,854千円となりました。
これは、主に無形固定資産の取得による支出247,399千円、有形固定資産の取得による支出64,592千円、投資不動産の売却による収入232,722千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、401,197千円となりました。
これは、主に長期借入金の返済による支出195,930千円、自己株式の取得による支出144,523千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。b.受注実績当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
前連結会計年度(自 2021年7月1日至 2022年6月30日)
当連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)
金額(千円)
前年同期比(%)
金額(千円)
前年同期比(%)
不動産業務支援事業
3,053,753
-
3,770,377
123.5
合計
3,053,753
-
3,770,377
123.5
(注) 1.当社グループは不動産業務支援事業の単一セグメントであります。2.当社グループは、前連結会計年度が連結初年度であるため、前年同期比において前連結会計年度の前期との比較は行っておりません。3.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在(2023年6月30日)において当社が判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」をご参照ください。2)経営成績(売上高)売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」をご参照ください。
(売上原価)当連結会計年度における売上原価は、1,283,499千円となりました。その主な内訳は、クラウド関連の経費が105,919千円増加したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて397,088千円増加し、2,157,158千円(前年同期比22.6%増)となりました。その主な内訳は、給与手当が120,047千円増加したことによるものであります。
以上の結果、損益につきましては、営業利益は329,719千円(同34.2%減)、経常利益は376,010千円(同30.1%減)となりました。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は、前連結会計年度と比べて43,565千円減少し、191,060千円(同18.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は185,313千円(同34.6%減)となりました。
(営業外損益)当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度と比べて19,460千円増加し、59,947千円(同48.1%増)となりました。その主な内訳は、保険返戻金が16,193千円増加したことによるものであります。営業外費用は、前連結会計年度と比べて10,387千円増加し、13,656千円(同317.8%増)となりました。その主な内訳は、為替差損が4,070千円増加したことによるものであります。
b.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等売上高の対前年増加額および経常利益の対前年増加額を重要指標としており、当連結会計年度の売上高は3,770,377千円となり、前連結会計年度比23.5%増となりました。それはランニング積み上げによるものであります。また、当連結会計年度の経常利益は376,010千円となり、前連結会計年度比30.1%減となりました。
c.セグメントごとの財務状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの報告セグメントは、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、短期運転資金については自己資金を基本としております。また、設備投資資金等についても自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。
a.資金需要の主な内容当社グループの運転資金需要の主なものは、製造・開発活動に係る人件費および外注費、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、954,716千円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債および収益・費用の報告数値について影響を与える見積りは、過去の実績や状況に応じて、可能な限り合理的と考えられる根拠や要因等に基づき実施しております。しかし、これらの見積りについては不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループは、特に以下の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定が重要と考えております。なお、当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、後記「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
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