【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種規制が段階的に緩和され、経済社会活動の正常化や個人消費の回復が進む中で、各種政策の効果もあって景気全体については持ち直しの動きがみられました。一方、世界的な金融引締め等が続く中、ウクライナ紛争の長期化による世界的な資源・原材料価格高騰や半導体不足など海外景気の下振れへの懸念があり、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社においては、自治体を対象としたクラウドサービスを担うデジタルガバメントにおける影響は軽微であるものの、企業の営業車両を対象としたモビリティ・サービスにおいては移動の制約による影響やエネルギー価格の高騰による車両維持費の負担上昇、景気下振れによる既存顧客の解約リスクは一定程度存在している状況と思料しております。このような経営環境の下、当社グループでは「スマート&テクノロジーで歴史に残る社会システムを創る!」をミッションとし事業を展開してまいりました。当第3四半期連結累計期間においては、前連結会計年度からの業務効率化や原価削減の徹底などの改善策を実践するとともに、クラウドソリューション事業におけるMRR(月次経常収益)の獲得を強化し、持続的成長モデルへの移行と中長期的な新たな収益モデルの創造を行ってまいりました。また、2023年2月にウイングアーク1st株式会社(以下、「ウイングアーク1st」という。)との間で、当社が第三者割当増資を行う形で資本業務提携を行いました。ウイングアーク1stは、様々なデータ(ビッグデータ)の活用によるクラウドサービスを展開しており、当社が保有する地方自治体に対するチャネルや営業ノウハウと同社が保有するデータ活用に関する専門的な知識や経験を融合させ、行政デジタル化を推進する新たなサービスの構築を目的としております。その結果、当第3四半期連結累計期間においては、売上高は2,975,715千円(前年同期比2.6%増)、営業利益は1,279千円(前年同期比94.5%減)、経常利益は1,810千円(前年同期比96.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は41,551千円(前年同期比109.2%増)となりました。今後も引き続きクラウドソリューション事業におけるSaaSのMRR増額の推進と、継続的な業務効率化によるコスト削減により、賃金のベースアップによる費用増加を吸収し、行政デジタル化やスマートシティ、新たなモビリティ・サービスの開発などデジタルなまちづくりに資するサービス創造に注力することで、業績の回復及び中長期的にミッションの実現を踏まえてさらなる成長を実現してまいります。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりです。なお、デジタルを活用したまちの活性化及び未来づくりを目指すにあたり、従来「デジタルガバメント」に含めておりました、連結子会社である株式会社One Bright KOBE及び株式会社ストークスの事業を新セグメント「スマートベニュー」へ切り出したことから、第1四半期連結会計期間よりセグメントの区分を変更しております。このため、前第3四半期連結累計期間との比較については、セグメント区分の変更後の数値に組替えて比較を行っております。
<デジタルガバメントセグメント>デジタルガバメントセグメントにおきましては、オープンガバメント(注1)における透明性、参加、連携の社会実装を推進するための自治体向けCLOUD SUITEとして“ガブクラ”(注2)を提供しております。“ガブクラ”は「新しい公」へと続く行政デジタル化の実現に向けて、オープンガバメントにおいて透明性を推進する自治体の情報発信クラウドソリューションである“SMART L-Gov”、住民と自治体をオンラインで繋ぎ「参加・連携」を促す“GaaS”(注3)、自治体スマートエリア向けデータ利用基盤(都市OS)である“Open-gov Platform”の3つのプラットフォームによって構成されており、当該“ガブクラ”を通じて持続的なまちづくりを推進しております。当第3四半期連結累計期間においてデジタルガバメントでは、新規案件の獲得及び既存顧客の深耕に注力し、継続的な原価低減活動等に取り組みました。自治体及び公的機関を納入先とする入札案件においては、政府の行政デジタル化に関する取り組みが進められ、販売は好調に推移いたしました。さらにアライアンス先企業と連携して、公募調達に頼らない行政デジタル化サービスの開発にも取り組み始めております。以上の結果、セグメント売上高は1,575,748千円(前年同期比13.4%増)、セグメント利益は407,274千円(前年同期比38.9%増)となりました。
<モビリティ・サービスセグメント>モビリティ・サービスセグメントは、祖業である自動車電装に端を発し、100年に一度という自動車産業の大変革期において、自動車に装着する安全支援機器や情報デバイスの販売であるカーソリューションから、コネクティッドカー(注4)サービスである“CiEMSシリーズ”(注5)やクルマのデータ利活用を推進するプラットフォーム、ソフトウエア、さらにカーシェアリングなどクルマのサービス化を支援するプラットフォーム“Kuruma Base”(注6)の提供へと、多様なモビリティIoTを事業とするモビリティ・サービスを推進してまいりました。当第3四半期連結累計期間においては、企業の営業車活用が移動の制限の中で減少している影響を受けたものの、貨物車等の商用車マーケットやモビリティ領域の既存大手事業者の革新的なモビリティ・サービスの開発に当社プラットフォームを採用頂くなど案件拡大に取り組みました。また、Kuruma Baseを活用したカーシェアリング分野では、所有からシェアへと自動車の所有の概念を大きく変える動向や、カーボンニュートラルの動きを踏まえEV化の波を背景に、ソリューション強化に取り組み、さらに原価低減や業務効率化などを実行してまいりました。以上の結果、セグメント売上高は1,174,558千円(前年同期比2.1%減)、セグメント利益は227,976千円(前年同期比28.0%増)となりました。
<スマートベニューセグメント>スマートベニューセグメントでは、地域のアイコニックな存在となるべくベニュー(スタジアム・アリーナ)を軸として、スポーツやエンターテイメントなど熱狂と共感、そして賑わいを創出するコンテンツの創造を目指しております。そしてフルデジタル化の顧客体験の中から、データでまちに染み出していくスマートシティの社会実装に取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間においては、投資が先行している状態となっているものの、中長期的な収益の獲得を見据えての、神戸市との連携協定を踏まえたスマートべニューの取り組みや新たなスポンサーの獲得に向けた動きを続けており、その引き合いと注目度は非常に高い状態にあり、2025年の開業以降の大きな収益獲得を目指して順調に環境整備が進んでおります。以上の結果、セグメント売上高は225,409千円(前年同期比27.6%減)、セグメント損失は255,174千円(前年同期は85,617千円の損失)となりました。
[用語解説]
注1.
オープンガバメント
:
透明でオープンな政府及び地方自治体を実現するための政策とその背景となる概念のことで、(1)透明性、(2)市民参加、(3)官民の連携の3つを基本原則としている。
注2.
ガブクラ
:
当社が提供する、自治体・公的機関向け地域情報クラウドプラットスイートのこと。
注3.
GaaS
:
Government as a Serviceの略で、当社が提供する行政サービスをデジタル化するオンライン手続きのサービス。
注4.
コネクティッドカー
:
インターネットに接続され、情報を送ることも受け取ることもできる自動車のこと。
注5.
CiEMSシリーズ
:
当社が提供する、モビリティから取得した多様なデータを分析・活用することで、交通事故の削減、渋滞の緩和、車両活用の効率化など、様々な社会課題の解決をするためのサービス。
注6.
Kuruma Base
:
当社が提供する、クルマのコネクティッド化からサービス化までをインテグレートするプラットフォーム。
(財政状態の分析)①資産当第3四半期連結会計期間末の総資産は、3,954,644千円となり、前連結会計年度末と比べ166,012千円の減少となりました。流動資産は3,085,925千円となり、前連結会計年度末と比べ93,356千円の減少となりました。その主たる要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が529,246千円増加したものの、現金及び預金が632,282千円減少したことによるものであります。固定資産は863,377千円となり、前連結会計年度末と比べ75,091千円の減少となりました。その主たる要因は、ソフトウエアが40,963千円、建物及び構築物が13,897千円、のれんが12,181千円減少したことによるものであります。繰延資産は5,341千円となり、前連結会計年度末と比べ2,435千円の増加となりました。その主たる要因は、株式交付費が2,524千円増加したことによるものであります。②負債当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、1,466,793千円となり、前連結会計年度末と比べ202,610千円の減少となりました。流動負債は1,140,154千円となり、前連結会計年度末と比べ138,240千円の減少となりました。その主たる要因は、買掛金が18,601千円増加したものの、短期借入金が104,580千円、1年内返済予定の長期借入金が11,674千円、未払法人税等が16,103千円減少したことによるものであります。固定負債は326,639千円となり、前連結会計年度末と比べ64,370千円の減少となりました。その主たる要因は、長期借入金が59,580千円減少したことによるものであります。③純資産当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,487,850千円となり、前連結会計年度末と比べ36,598千円の増加となりました。その主たる要因は、配当金の支払いにより80,314千円及び親会社株主に帰属する四半期純利益41,551千円の計上により利益剰余金が48,300千円減少したこと及び非支配株主に帰属する四半期純損失の計上により非支配株主持分が56,005千円減少したものの、ウイングアーク1stへの第三者割当増資により資本金が85,490千円及び資本剰余金が85,490千円増加したことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動該当事項はありません。
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