【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限や入国制限の緩和により徐々に経済活動の正常化が進んだものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰を背景に、世界的金融引き締めにおける為替市場の急激な円安進行など、インフレ拡大や景気後退に対する懸念が広がっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、新型コロナウイルス感染症による当社グループ業績への影響は軽微でありました。円安の影響は原料等の仕入価格が変動するリスクがありますが、原薬販売事業では、必要に応じ為替予約を行うことや、海外サプライヤーへの価格交渉、為替連動型の価格設定への切替等により、医薬品製造販売事業では、量産体制を推進し生産量を増大させること等による生産効率の向上、コスト削減、販売価格の見直し等によりリスク回避に努めております。
医薬品業界におきましては、薬機法違反を起因とする品質面に関わる問題により、ジェネリック医薬品全体で供給不安が発生し、品質や安定供給の信頼性の確保が求められております。
当社グループでは継続して製造管理や品質管理の強化を行っており、医薬品製造販売事業の主力工場では、当期の製造販売承認書と製造実態の齟齬にかかる一斉点検を既に完了させ、グループ各社間における無通告監査(抜き打ちの立入り監査)や、実地調査に赴くことがかなわない海外製造所等のリモート監査についても継続して実施しております。
また、2021年度から2年に1度の薬価改定に加え、中間年においても改定を行う毎年薬価改定が実施され、2023年3月3日に厚生労働省より公表された「令和5年度薬価基準改定の概要について」の中で2022年度における薬価と市場実勢価格との平均乖離率は約7.0%、乖離率を投与形態別に見ると、内用薬8.2%、注射薬5.0%、外用薬8.0%、歯科用薬剤△4.3%と報告がなされました。また、今年度改定では、急激な原材料費の高騰や安定供給問題等に対応するため、1,100品目を対象に不採算品再算定が適用され、当社グループの製品も数品目が対象となりました。
当社グループの医薬品製造販売事業の特徴である注射剤においては市場実勢価格との乖離率は低く、中でもジェネリック医薬品への置換えが比較的進んでいない高薬理活性注射剤製造に注力するとともに、一層の生産性向上に努めております。その一環として、今後さらなる需要拡大が見込まれる製品を増産し、安定供給体制を整備するために蔵王工場の敷地内に医薬品倉庫を新設することを決定いたしました。医薬品倉庫の建設により、原材料の安定在庫の確保及び製造製品の増加など生産能力の強化を図り、安定供給体制を向上させることで医薬品製造販売事業のさらなる事業拡大を目指してまいります。
このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高16,159百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益3,276百万円(前年同期比7.4%増)、経常利益3,213百万円(前年同期比4.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,079百万円(前年同期比4.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
原薬販売事業
原薬販売事業におきましては、新規採用品目の伸長等により、循環器官用薬や腫瘍用薬、抗生物質製剤向け原薬の販売が増加し、中枢神経系用薬向け原薬の販売が減少したものの、当第3四半期連結累計期間の売上高は11,545百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益は2,026百万円(前年同期比13.4%増)となりました。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高1,369百万円(前年同期比3.8%減)を含んでおります。
医薬品製造販売事業
医薬品製造販売事業におきましては、受託製造の主力製品のうち増産体制の構築を進めていた注射剤において、当該製品のジェネリック医薬品シェア伸長による数量増加や販売価格の見直し等により堅調に推移し、当第3四半期連結累計期間の売上高は5,983百万円(前年同期比6.4%増)となりました。セグメント利益は円安や燃料価格高騰による原材料や水道光熱費等のコスト増加があったものの、売上高の増加に伴う利益の増加や、増産や収率向上による生産性の改善等で利益確保に努めたことにより、1,234百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
総資産は27,539百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,289百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加706百万円、商品及び製品の増加681百万円、受取手形及び売掛金の増加169百万円があった一方で、有形固定資産の減少326百万円等があったことによるものであります。
負債は7,247百万円となり、前連結会計年度末に比べ337百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加350百万円、電子記録債務の増加72百万円があった一方で、未払法人税等の減少363百万円、長期借入金の減少246百万円、未払費用を始めとしたその他流動負債の減少188百万円等があったことによるものであります。
純資産は20,292百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,626百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益2,079百万円の計上による増加があった一方、配当金支払による減少435百万円等によるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.6ポイント増加し、73.7%となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、79,735千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
