【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年3月31日まで)における世界経済は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が継続する中、米国を中心とした利上げによるインフレ抑制策が続き、一部金融機関が破綻するなど、金融政策をとりまく不確実性も高まりました。わが国経済は、製造業は、昨年後半からの電子・電気製品などの生産減の影響を受け、引続き出荷は低調なものの、コロナウイルス感染症に対する規制緩和により、旅行や飲食などの非製造業においては営業活動が活発となり、明るい兆しが見える部分も出てきました。このような状況下、当社グループは新しく作成した2025年中期経営計画を開始し、第1四半期の売上高は381億9千8百万円(前年同期比1.2%増収)、営業利益は25億8千7百万円(前年同期比37.0%減益)、経常利益は29億7千4百万円(前年同期比36.1%減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億8千5百万円(前年同期比45.6%減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、2023年1月1日付で組織変更を実施し経営管理区分を変更したことに伴い、当第1四半期連結会計期間から、従来「基幹化学品事業」セグメントに含めていたサステナビリティ関連事業を「その他」セグメントに移管しております。前年同期比につきましては、変更後の区分方法により作成した前第1四半期連結累計期間の数値と比較しております。
①基幹化学品事業電解製品は、全般的に販売数量減となりましたが、昨年からの価格改定もあり増収となりました。アクリルモノマー製品は、アクリル樹脂や粘着剤向けの販売数量減により減収となりました。工業用ガスは販売数量減となりましたが価格改定により前年同期並みとなりました。これらの結果、当セグメントの売上高は172億4千3百万円(前年同期比8.2%増収)となりました。営業利益は、電解製品は原燃料価格上昇に応じた価格改定をいたしましたが、販売数量減の影響が大きく減益となりました。アクリルモノマー製品は販売数量減の影響と海外市況の大幅下落により減益となりました。これらの結果、11億6千5百万円(前年同期比34.1%減益)となりました。
②ポリマー・オリゴマー事業アクリルポリマーは、一部の製品が販売数量増となり増収となりました。アクリルオリゴマーは、電子材料向けの販売数量減により減収となりました。高分子凝集剤は、輸出および土木関係向け販売数量減のため減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は85億2千5百万円(前年同期比6.5%減収)となりました。営業利益は、アクリルオリゴマーや高分子凝集剤の販売数量減により減益となり、8億9百万円(前年同期比38.5%減益)となりました。
③接着材料事業瞬間接着剤の家庭用は、ホームセンターなどの来店客数が減少した影響を受け、販売数量減となり減収となりました。工業用瞬間接着剤は、自動車向けや米国での販売数量減により減収となりました。機能性接着剤は、車載用電池向けは販売数量増となりましたが、スマートフォン関係向けの販売数量減により減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は26億8千万円(前年同期比2.8%減収)となりました。営業損益は、利益回復に向け昨年から継続して価格改定に努めたものの、販売数量減により前年同期に比べ1億9千3百万円減少し、1億1千6百万円の損失となりました。
④高機能材料事業
高純度無機化学品は、半導体市況悪化の影響を受け販売数量は減少しましたが、原燃料価格上昇に応じた販売価格改定により増収となりました。無機機能材料は、抗菌剤は好調な出荷となりましたが、電子機器向けイオン捕捉剤と消臭剤が販売数量減となり減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は25億1千7百万円(前年同期比1.9%増収)となりました。営業利益は、販売数量減や技術研究費含めた固定費の増加で減益となり、4億7千8百万円(前年同期比17.2%減益)となりました。
⑤樹脂加工製品事業管工機材製品は、住宅着工件数の伸び悩みにより販売数量減となり減収となりました。ライフサポート製品は、新製品の販売が好調で増収となりました。エラストマーコンパウンドは、メディカル製品向けが出荷数量増となり増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は67億7千5百万円(前年同期比3.4%減収)となりました。営業利益は、管工機材製品の出荷数量減やエラストマーコンパウンドの原燃料価格の上昇により減益となり、2億8千3百万円(前年同期比40.3%減益)となりました。
⑥その他の事業新規製品の研究開発事業、輸送事業、商社事業などにより構成される当セグメントは、売上高は4億5千5百万円(前年同期比1.2%増収)、営業損益は4千1百万円の損失となりました。
財政状態につきましては、資産合計は、「現金及び預金」および「有価証券」が減少しましたため、前連結会計年度末に比べ87億1百万円、3.3%減少し、2,564億3千4百万円となりました。負債合計は、「支払手形及び買掛金」および「未払法人税等」が減少しましたため、前連結会計年度末に比べ28億3千3百万円、5.2%減少し、514億9千5百万円となりました。純資産合計は、連結子会社であるMTアクアポリマー株式会社の出資比率引上げにより「非支配株主持分」が減少したことに加え、自己株式の取得により「自己株式」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ58億6千8百万円、2.8%減少し、2,049億3千8百万円となり、自己資本比率は79.5%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの中期的な経営戦略および対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は11億5千1百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。