【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、主に当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におきましては、全世界的な消費者物価の上昇が起こっており、各国中央銀行ではインフレ抑制のため大幅な政策金利の引き上げが行われ、株式市場や貴金属市場などにおいて先行き不透明な状況が続いております。我が国の経済においても、円安による輸入コスト上昇やエネルギー価格の高止まり等から景気の先行き懸念が起こっています。
また、米国の債務上限問題に端を発した金融市場への信用不安や内外金利差の拡大による円安進行により、金を始めとした実物資産へ投資資金が流入しており、国内金価格は史上最高値を更新するなど金への投資家の関心が増しているものの、高値警戒感から購入を控える動きが起こっています。
このような市場環境から、当社子会社である第一プレミア証券株式会社での金地金の直接売買、日本クラウド証券株式会社との共同事業でインターネットでの金の売買及び積み立て投資を積極的に進め、金に対する幅広い投資ニーズに対応できる販売体制を構築しております。また、2023年1月からはKinka(BVI),LTD.において金の価格と連動する暗号資産「Kinka」の販売を開始しております。
以上の結果、売上高は613,382千円(前年同四半期比38.8%減)となり、売上総利益は110,475千円(前年同四半期比8.2%減)となりました。前期に引き続き経費抑制を継続的に行ったものの、営業損失は36,880千円(前年同四半期は営業損失168,625千円)となりました。経常利益については10,468千円(前年同四半期は経常損失186,594千円)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,500千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失211,410千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①金地金事業
キロバーの取り扱いを行っている子会社の第一プレミア証券株式会社では、金価格の高騰による高値警戒感から購入を控えるお客様が増えたことで、前第1四半期連結累計期間と比較し売上高は減少いたしました。また、インターネットを利用した小口販売を行っている日本クラウド証券株式会社では、売上高は堅調に推移しておりますが大幅な収益の増加に寄与するには至りませんでした。一方、販売費及び一般管理費の削減への取り組みがセグメント利益に寄与いたしました。
この結果、売上高528,612千円(前年同四半期比41.5%減)、セグメント利益12,370千円(前年同四半期はセグメント損失2,050千円)となりました。
②投資・金融サービス事業
証券業を行っている第一プレミア証券株式会社では、お客様からの預かり資産を増やし、取引量を増大させることを外務員と共に進めてまいりました。手数料収入は前第1四半期連結累計期間と比較し減少いたしましたが、販売費及び一般管理費の削減への取り組みがセグメント利益に寄与いたしました。
この結果、売上高84,769千円(前年同四半期比13.9%減)、セグメント利益52,974千円(前年同四半期比387.4%増)となりました。
財政状態については、以下のとおりであります。
(資産)
資産合計は、前期末より419,654千円減少し、9,020,606千円となりました。これは主に短期貸付金が1,790,019千円、のれんが69,413千円増えた一方、現金及び預金が1,326,308千円、証券業における信用取引資産が379,849千円、証券業における短期差入保証金が384,546千円減少したことによるものであります。
(負債)
負債合計は、前期末より606,875千円減少し、4,179,026千円となりました。これは主に短期借入金が20,000千円、証券業における預り金が49,724千円増えた一方、証券業における信用取引負債が379,849千円、証券業における受入保証金が265,858千円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前期末より187,222千円増加し、4,841,579千円となりました。これは主に自己株式の減少により純資産が245,979千円増加したことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 投資・金融サービス事業の収益力強化
第一プレミア証券株式会社においては、外務員の接客サービスのレベルアップ、組織営業の強化を図り、預かり資産の増大等を推し進めます。また、当社グループの金地金事業を展開する中で、富裕層の開拓を行い、富裕層のお客様にふさわしい金融サービスを提供することで、前述の施策と合わせて預かり資産の増大を図ってまいります。また、対面営業が主体となっていることを踏まえた紛争の未然防止策が必須であるため、管理部門による顧客面談を含めた防止策の徹底を図ってまいります。合わせて、研修の実施などコンプライアンス意識の醸成策を実施してまいります。
② 金地金事業による収益力強化
当社グループは第一プレミア証券株式会社において金地金キロバーの売買、日本クラウド証券株式会社においてインターネットを通じた金取引の強化に取り組んでまいりました。当社が長年培ってきた金の取り扱いに関するノウハウをグループ全体で共有することで、従来の金融商品の取り扱いに加え、金地金事業の拡大を図り収益力強化の一助とします。また、海外の金地金需要を取り込むため、金価格連動の暗号資産を開発し、2023年1月に販売を開始しております。将来的に海外暗号資産取引所への上場を目指し、同事業を早期に軌道に乗せるよう努めてまいります。
③ 安定的な収益構造の構築
当社グループは、商品先物事業を事業譲渡してから慢性的な営業赤字を計上しており、新たな収益源の創造を模索しております。当第1四半期連結累計期間において、不動産担保融資事業を展開するPersonal Capital株式会社が当社グループに加わり、さらなる売上高及び収益の拡大に努めてまいります。また、当社グループの経営戦略に賛同していただける企業に対して積極的にM&Aを行い、当社グループに参画することでサービスの強化を図り、収益の増大と企業価値の創出に努めてまいります。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)従業員数
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(6)販売実績
当第1四半期連結累計期間の販売実績は「第2(事業の状況)2(経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは健全な財務基盤の確保を重視しており、運転資金及び設備資金全般につきましては、主に内部資金より充当しております。
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