【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、世界的な資源価格の高騰、為替相場の急激な変動等の不透明な状態が続く中ではあるものの、新型コロナウイルス感染症におけるワクチン接種の進展、行動規制の緩和等、Withコロナを前提とした経済活動の正常化が進みました。
このような中、当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の当第3四半期連結累計期間の経営成績は、全国的な寒波の到来とともにダウンジャケットやフリース類等の主力商品が昨年を上回る順調な売れ行きとなったことで、売上高86,746百万円(前年同期比17.6%増)、営業利益18,281百万円(前年同期比29.1%増)、経常利益21,924百万円(前年同期比41.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益16,268百万円(前年同期比50.8%増)となりました。
② 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は119,084百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,999百万円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加6,306百万円、投資有価証券の増加3,943百万円および現金及び預金の増加2,858百万円等があったためであります。
・売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産、電子記録債権)
当第3四半期連結会計期間末の売上債権回転月数は、前連結会計年度末の1.69ヵ月から当第3四半期連結会計期間末2.35ヵ月となりました。
・棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)
当第3四半期連結会計期間末の棚卸資産は14,178百万円となり、前連結会計年度末と比べ755百万円増加いたしました。棚卸資産回転月数につきましては前連結会計年度末1.64ヵ月から当第3四半期連結会計期間末1.47ヵ月となりました。
・投資有価証券
投資有価証券には、関連会社の株式22,280百万円のほか、長期・安定的な取引関係維持のために所有している主要取引金融機関や主要仕入先等の株式が含まれております。当第3四半期連結会計期間末における投資有価証券は28,003百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,943百万円増加いたしました。
負債合計は、44,434百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,761百万円増加しました。これは主に、賞与引当金の減少1,120百万円があったものの、電子記録債務の増加10,199百万円等があったためであります。
純資産合計は、74,649百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,237百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加12,063百万円があったためであります。
・自己資本比率
当第3四半期連結会計期間末は62.6%となりました。
③ 経営成績の分析
・売上高
新型コロナウイルス感染症にかかる行動規制の緩和や訪日外国人の増加等による市場環境の回復を追い風として、第3四半期累計として過去最高の成果を上げることができました。中でも、発売から30周年を迎えたTHE NORTH FACE「ヌプシジャケット」のプロモーション等によって、ダウンジャケットやフリース類の消化が、秋冬シーズンのスタート時点から好調に推移しました。また、10月11日からの水際対策の緩和による訪日外国人が増加するタイミングで、オリジナルブランドGoldwinでは、環境に配慮した新しいプロジェクト「Goldwin 0 (ゴールドウイン ゼロ)」として初めてのコレクションを発表したことも、新規顧客層の開拓に貢献しました。その後、11月に入ってからは、平年と比べ平均気温の高い状態が続く中ではあったものの、マラソン大会等のスポーツイベントの再開に加えて外出規制の緩和が進んだことから、THE NORTH FACEを中心に前期を上回る推移となりました。12月に入ってからは、全国的に大型寒波が到来する中、昨年はベトナムのロックダウンの影響で納期遅延が発生した中綿入りブーツ等の防寒具商品について、今年は安定した供給体制を維持したことが売上伸長に貢献しました。これらの結果、売上高は86,746百万円(前年同期比17.6%増)となりました。
・売上総利益
当第3四半期連結累計期間の売上総利益は、46,156百万円(前年同期比16.4%増)となりました。
足元では、原材料高、円安基調の影響に伴い一部商品の販売価格の見直しを進めましたが、値上げに伴う買い控えの影響は認められず、想定を上回る販売数量を確保することができました。なお、売上総利益率は53.2%とほぼ前年同期並みの水準を維持しております。
・営業利益
売上総利益の増益に加え、販売費及び一般管理費についても期初に見込んでいた設備投資計画について一部案件の延期はあるものの、その執行については概ね計画通りの進捗したことから当第3四半期連結累計期間の営業利益は18,281百万円(前年同期比29.1%増)となりました。
・経常利益
韓国における持分法適用関連会社であるYOUNGONE OUTDOOR Corporationでは、寒波の影響によりダウンジャケット等の防寒衣料の売れ行きが好調に推移しました。その結果、営業利益の増益に加え、持分法による投資利益が大きく増加したことで、経常利益は21,924百万円(前年同期比41.9%増)となりました。
・親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は16,268百万円(前年同期比50.8%増)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
新型コロナウイルス感染症の当社グループ事業への影響に関しては、インバウンド需要の低迷や外出自粛による消費マインドの低下といった影響が引き続き想定されることから、消費需要の回復には相応の期間を要するものと予測されます。
なお、当該見積りに用いた仮定は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の内容から重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は636百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。