【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、世界的な資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱、急激な円安の進行等により、経済の先行きは依然として不透明な状態にあります。このような中、当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日まで)におきましては、7月後半からは、新型コロナウイルス感染症の「第7波」の影響によって店舗スタッフの感染が相次ぎ、当社の強みである直営店舗における提案型営業に一部制約を受ける状況が認められたものの、感染症対策における店舗運営ノウハウの確立を進めた結果、感染症拡大に伴っての臨時休業等の措置を講じることなく、業務を運営することができました。なお、8月後半に入ってからは、感染者数は減少傾向に転じたこともあって、郊外型店舗を中心に来店客数は回復傾向にあることから、当第2四半期連結累計期間の経営成績としては、売上高45,309百万円(前年同期比18.6%増)、営業利益5,277百万円(前年同期比60.0%増)、経常利益7,452百万円(前年同期比94.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,844百万円(前年同期比122.0%増)となりました。
② 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は98,248百万円となり、前連結会計年度末に比べ836百万円減少しました。これは主に、投資有価証券の増加3,334百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加2,468百万円、商品及び製品の増加2,373百万円等があったものの、現金及び預金の減少9,998百万円等があったためであります。
・売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産、電子記録債権)
当第2四半期連結会計期間末の売上債権回転月数につきましては、前連結会計年度末の1.69ヵ月から当第2四半期連結会計期間末2.06ヵ月となりました。
・棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)
当第2四半期連結会計期間末の棚卸資産は16,131百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,708百万円増加いたしました。棚卸資産回転月数につきましては前連結会計年度末1.64ヵ月から当第2四半期連結会計期間末2.14ヵ月となりました。
・投資有価証券
投資有価証券には、関連会社の株式22,095百万円のほか、長期・安定的な取引関係維持のために所有している主要取引金融機関や主要仕入先等の株式が含まれております。当第2四半期連結会計期間末における投資有価証券の残高は27,395百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,334百万円増加いたしました。
負債合計は、31,907百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,765百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加4,019百万円があったものの、電子記録債務の減少2,298百万円、未払法人税等の減少2,183百万円、長期借入金の減少1,074百万円等があったためであります。
純資産合計は、66,340百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,929百万円増加しました。これは主に、自己株式の増加1,831百万円が減少要因となったものの、利益剰余金の増加2,802百万円、為替換算調整勘定の増加1,706百万円等があったためであります。
・自己資本比率
当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は67.4%となりました。
③ 経営成績の分析
・売上高
行動規制の緩和に伴い旅行等の外出需要が増加したことにより、主力ブランドであるTHE NORTH FACEにおいてアパレル製品だけでなく、バックパックやシューズ類等複合的に売上が拡大しました。また、Speedoについても、これまでのスイムウエアに加えて、フィットネスジム等でのトレーニングウエアへ領域拡大が進む等、複数のブランドでコロナ禍からの回復基調が認められました。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、45,309百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
・売上総利益
当第2四半期連結累計期間の売上総利益は、22,987百万円(前年同期比17.9%増)となりました。
販売価格の一部見直しに加えて、当社の強みである適正量の発注を見極めるとともに、シーズン中における流動在庫を徹底管理すること、直営店での販売効率を維持することによって売上総利益率は50.7%(前年同期51.0%)となりました。
・営業利益
売上総利益の増益に加え、販売費及び一般管理費についても、上期執行予定分19,158百万円の一部について、下期への繰り延べ分を含み、17,710百万円としたことも増益要因として寄与したことで、当第2四半期連結累計期間の営業利益は5,277百万円(前年同期比60.0%増)となりました。
・経常利益
営業利益の増益に加えて、韓国における持分法適用関連会社であるYOUNGONE OUTDOOR Corporationの業績が好調に推移したことを主因に、経常利益は7,452百万円(前年同期比94.3%増)となりました。なお、韓国経済は、日本経済と比較してコロナ禍からの回復が早かったことに加えて、主力ブランドであるTHE NORTH FACEにおいて、バックパック類等に商品ラインナップが拡充したことで、これまでのように単一商品に売上が偏ることがなくなり、販売構成のバランス改善が進みました。この結果、幅広い顧客層を獲得でき、また、それに併せて販売チャネルの拡充も進んだことが業績好調の要因となります。
・親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は5,844百万円(前年同期比122.0%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は14,877百万円となり、前連結会計年度末より10,158百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは3,430百万円(前年同期比258百万円の支出減)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益7,433百万円があったものの、法人税等の支払額3,273百万円、棚卸資産の増加2,695百万円、持分法投資利益2,080百万円および売上債権の増加1,701百万円等があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは1,112百万円(前年同期比741百万円の支出増)となりました。これは主に、固定資産取得による支出919百万円等があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用したキャッシュ・フローは5,811百万円(前年同期比1,565百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払額3,041百万円、自己株式取得による支出1,428百万円、長期借入金返済による支出1,074百万円があったためであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
新型コロナウイルス感染症の当社グループ事業への影響に関しては、感染拡大が年内に収束した場合でも、インバウンド需要の低迷や外出自粛による消費マインドの低下に起因する消費需要の落ち込みが回復するには相応の期間を要するものと予測されます。
なお、当該見積りに用いた仮定は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の内容から重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、432百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。