【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。
(1)業績の状況
当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、2022年5月31日にクロージングした欧州塗料メーカーDP JUB delniska druzba pooblascenka d.d.の子会社化や円安の影響、主力事業である中国の汎用塗料において、新型コロナウイルス感染症に伴う都市封鎖等の解除を背景に経済活動の正常化が進んだことなどにより、連結売上収益は6,929億25百万円(前年同期比11.4%増)となりました。連結営業利益は、製品値上げの浸透などによる売上総利益率の改善や、中国において貸倒引当金を追加計上した前年同期からの反動などにより、837億38百万円(前年同期比98.9%増)となりました。連結税引前四半期利益は819億54百万円(前年同期比105.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は608億98百万円(前年同期比125.8%増)となりました。
セグメントの状況は次のとおりであります。
≪日本≫
自動車用塗料の売上収益については、自動車生産台数が半導体供給不足等の影響を受けて落ち込んだ前年からの反動増もあり、前年同期を上回りました。工業用塗料の売上収益については、市況が前年同期を下回って推移したものの、製品値上げが浸透した結果、前期並みとなりました。汎用塗料の売上収益については、線状降雨帯など、天候の影響を受けたものの、製品値上げの浸透が進んだ結果、前年同期を上回りました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は973億24百万円(前年同期比11.3%増)、連結営業利益は79億54百万円(前年同期比214.0%増)となりました。
≪NIPSEA≫
自動車用塗料については、中国において、半導体不足や都市封鎖等を背景に自動車生産台数が落ち込んだ前年からの反動増など、タイを含めたセグメント全体で自動車生産台数の回復が進んだ結果、前年同期を上回りました。汎用塗料の売上収益については、中国において、都市封鎖等の解除による経済活動の正常化が進展したことや、既存住宅向け内装需要が引き続き堅調に推移したことに加え、シンガポール、マレーシア、インドネシア等の主要市場において、製品値上げが浸透した結果、前年同期を上回りました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は3,728億93百万円(前年同期比9.6%増)、連結営業利益は548億96百万円(前年同期比145.3%増)となりました。
≪DuluxGroup≫
汎用塗料の売上収益については、金利上昇に伴う消費者需要の減少などの影響を受けるも、オセアニア及び欧州において、製品値上げの浸透により、前年同期を上回りました。塗料周辺事業の売上収益については、オセアニア及び欧州において、各ブランドの製品値上げが浸透したことで、前年同期を上回りました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は1,707億28百万円(前年同期比16.1%増)、連結営業利益は184億76百万円(前年同期比32.0%増)となりました。
≪米州≫
自動車用塗料の売上収益については、中核地域であるアメリカにおいて、自動車生産台数が半導体供給不足等の影響を受けて落ち込んだ前年からの反動増に加え、堅調な需要が継続していることを背景に、前年同期を上回りました。汎用塗料の売上収益については、米国経済や住宅市場の低迷に加え、カリフォルニア州における悪天候の影響を受けた結果、前年並みとなりました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は519億79百万円(前年同期比9.7%増)となりました。連結営業利益は、固定資産売却益を計上した前年同期からの反動により、34億49百万円(前年同期比31.9%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末と比較して2,203億28百万円増加し、2兆6,626億69百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して842億79百万円増加しております。主な要因は、営業債権及びその他の債権が増加したことなどによるものです。また、非流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,360億49百万円増加しております。主な要因は、為替変動の影響により、のれんが増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して346億80百万円増加し、1兆3,216億63百万円となりました。主な要因は、その他の流動負債が増加したことなどによるものです。
資本につきましては、前連結会計年度末と比較して1,856億47百万円増加し、1兆3,410億6百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の47.0%から50.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期は営業活動により565億83百万円の収入、投資活動により294億47百万円の支出、財務活動により248億49百万円の支出があり、結果として現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,577億16百万円となり、前連結会計年度末と比較して151億18百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は、565億83百万円(前年同期比365億16百万円増)となりました。主な要因は、税引前四半期利益に減価償却費及び償却費等の非資金支出費用等を加味したキャッシュ・フロー収入(運転資本の増減を除く)が1,162億83百万円あった一方で、運転資本の増加による資金の減少410億19百万円、法人所得税の支払額が186億80百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、294億47百万円(前年同期比1,426億78百万円減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による152億94百万円の支出、有価証券の増加による75億52百万円の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による支出は、248億49百万円(前年同期は1,861億5百万円の収入)となりました。主な要因は、配当金の支払いによる140億87百万円の支出、リース負債の返済による67億46百万円の支出があったことなどによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は141億84百万円であります。