【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。
(1)業績の状況
当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、2022年5月31日にクロージングした欧州塗料メーカーDP JUB delniska druzba pooblascenka d.d.の子会社化や円安の影響、主力事業である中国の汎用塗料において販売数量が増加したことなどにより、連結売上収益は3,302億13百万円(前年同期比15.8%増)、連結営業利益は349億9百万円(前年同期比59.4%増)となりました。連結税引前四半期利益は334億41百万円(前年同期比56.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は253億40百万円(前年同期比91.6%増)となりました。
セグメントの状況は次のとおりであります。
≪日本≫
自動車用塗料の売上収益については、自動車生産台数が半導体供給不足等の影響を受けて落ち込んだ前年からの反動増もあり、前年同期を上回りました。工業用塗料の売上収益については、市況が前年同期を下回って推移したものの、製品値上げが浸透した結果、前年同期を上回りました。汎用塗料の売上収益については、市況が前年同期を上回って推移する中、製品値上げが浸透した結果、前年同期を上回りました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は469億89百万円(前年同期比12.4%増)、連結営業利益は26億35百万円(前年同期比810.5%増)となりました。
≪NIPSEA≫
自動車用塗料の売上収益については、中国において、電気自動車(EV)市場が伸びる中で日系自動車メーカーを中心に自動車生産台数が前年同期を下回ったものの、タイを含めたセグメント全体では製品値上げが浸透し、前年同期を上回りました。汎用塗料の売上収益については、中国において、都市封鎖等の解除によって経済活動の正常化が進展したこと、既存住宅向け内装需要が引き続き堅調に推移したことに加え、マレーシア、インドネシア、トルコ等の主要市場において、製品値上げが浸透した結果、前年同期を上回りました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は1,780億28百万円(前年同期比15.9%増)、連結営業利益は245億59百万円(前年同期比48.8%増)となりました。
≪DuluxGroup≫
汎用塗料の売上収益については、オセアニア及び欧州において、製品値上げの浸透により、前年同期を上回りました。塗料周辺事業の売上収益については、オセアニア及び欧州において、各ブランドの製品値上げが浸透したことで、前年同期を上回りました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は817億45百万円(前年同期比20.2%増)、連結営業利益は72億89百万円(前年同期比38.2%増)となりました。
≪米州≫
自動車用塗料の売上収益については、中核地域であるアメリカにおいて、自動車生産台数が半導体供給不足等の影響を受けて落ち込んだ前年からの反動増もあり、前年同期を上回りました。汎用塗料の売上収益については、米国経済や住宅市場の減速に加え、カリフォルニア州における悪天候の影響を受けた結果、前年同期を下回りました。
これらにより、当セグメントの連結売上収益は234億49百万円(前年同期比8.3%増)、連結営業利益は7億44百万円(前年同期比13.7%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末と比較して346億89百万円増加し、2兆4,770億30百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して89億65百万円増加しております。主な要因は、営業債権及びその他の債権が増加したことなどによるものです。また、非流動資産につきましては、前連結会計年度末と比較して257億24百万円増加しております。主な要因は、為替変動の影響により、のれんが増加したことなどによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して101億33百万円減少し、1兆2,768億48百万円となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務が減少したことなどによるものです。
資本につきましては、前連結会計年度末と比較して448億23百万円増加し、1兆2,001億82百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の47.0%から48.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期は営業活動により57億39百万円の支出、投資活動により114億84百万円の支出、財務活動により172億51百万円の支出があり、結果として現金及び現金同等物(以下「資金」という)は2,110億45百万円となり、前連結会計年度末と比較して315億53百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による支出は、57億39百万円(前年同期比8億78百万円減)となりました。主な要因は、税引前四半期利益に減価償却費及び償却費等の非資金支出費用等を加味したキャッシュ・フロー収入(運転資本の増減を除く)が529億67百万円あった一方で、運転資本の増加による資金の減少508億95百万円、法人所得税の支払額が78億11百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は、114億84百万円(前年同期比1,258億83百万円減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による74億29百万円の支出、貸付けによる19億67百万円の支出があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による支出は、172億51百万円(前年同期は1,767億7百万円の収入)となりました。主な要因は、配当金の支払いによる140億23百万円の支出、リース負債の返済による31億5百万円の支出があったことなどによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は69億23百万円であります。