【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 財政状態
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ21億16百万円減少し、2,655億81百万円となりました。これは主に有形固定資産が21億79百万円、棚卸資産が14億13百万円増加したものの、営業債権及びその他の債権が21億14百万円、その他の金融資産が16億61百万円、現金及び現金同等物が11億8百万円減少し
たことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ13億32百万円増加し、2,090億円となりました。これは主に社債及び借入
金が38億18百万円、引当金が16億5百万円減少したものの、営業債務及びその他の債務が70億53百万円、その他の流動負債が15億91百万円増加したことによるものです。
資本合計は、前連結会計年度末に比べ34億48百万円減少し、565億82百万円となりました。これは主に利益剰余金が32億79百万円減少したことによるものです。
② 経営成績
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和以降、ウィズコロナ下で経済活動が徐々に正常化に向かい、緩やかながら景気回復への動きが見られました。しかしながら原材料及びエネルギーの価格高騰や円安傾向の継続、諸物価の上昇、新型コロナウイルス禍再拡大への懸念等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、ウクライナ情勢の長期化やゼロコロナ政策による中国の経済活動の停滞、欧米におけるインフレ抑制のための政策金利の引上げ等から、景気後退への懸念が高まっております。
外食産業におきましては、外国人観光客に対する水際対策が緩和されたことから、インバウンド需要が回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス禍を契機にした生活様式の変化によって、大型の宴会需要や深夜時間帯の利用客が大幅に減少しております。更に食材の仕入価格の高騰、光熱費、物流費、人件費等の上昇にも悩まされており、相変わらず厳しい経営環境が続いております。
このような状況において当社グループでは、事業環境の変化に順応すべく、店舗立地や業態、更には営業時間等を見直すとともに、「個食」や小グループ需要に適したメニューを充実させております。そして利用客のアルコール需要中心から食事需要へのシフトを踏まえ、居酒屋業態においても食事メニューを強化するとともに、アルコール関連商品に関して低価格を訴求し、食事とともに気軽に楽しめる居酒屋業態へと転換を図っております。店舗施設に関しては、清潔感や明るさを意識した改装を積極的に行い、店内の雰囲気の良さから、お客様により一層満足して頂けるように努めております。
インバウンド需要につきましては、その回復をいち早くキャッチして、パッケージツアーにおける食事の場の提供再開を国内外の旅行業者との提携によって進めております。またこれまで培ってきたメニュー開発力やセントラルキッチンを活用したミールキット化による調理効率の向上、更には低コスト運営等のノウハウに基づき給食事業にも注力しております。これらに加えて、外部の弁護士を招いたセミナーの開催やwebを活用した定期的な社員研修等によって、コンプライアンスの一層の強化に取組んでおります。
原材料価格の高騰に対しましては、グループ各社の商品開発部門の統合による効率的な商品開発を目的に、コロワイドMD研究所を昨年10月設立し、原材料の共通化や規格の統一、歩留まり向上を意識したメニュー開発、原材料廃棄ロスの低減等を進めております。また物流費の上昇への対策と致しましては、店舗への食材配送拠点の集約や配送頻度の最適化に努めております。更に従業員の適切な配置転換並びに適正労働時間の算出に基づく人材の活性化及び人件費の抑制、配膳ロボットや完全キャッシュレス決済システムの導入など、店内作業効率の向上等によるコスト削減も引続き行っております。
海外事業につきましては、ゼロコロナ政策を続けていた中国や昨年5月以降新型コロナウイルス禍によるダメージを大きく受けていた台湾を除き、北米及び東南アジア各国においては、新型コロナウイルス禍以前の売上収益水準に戻ってきております。但し北米においては、経済力の高いニューヨークの店舗を別にして、他の地域ではインフレによる原材料や人件費、光熱費等の高騰の影響を強く受けたことから、売上収益は取れても利益面では苦戦を強いられております。
店舗政策につきましては、直営レストラン業態を32店舗、直営居酒屋業態を2店舗、FCレストラン業態を34店舗、合計68店舗を新規出店致しました。一方、不採算や賃借契約の終了などにより直営レストラン業態を25店舗、直営居酒屋業態を43店舗、FCレストラン業態を65店舗、FC居酒屋業態を7店舗、合計140店舗を閉店致しました。その結果、当第3四半期連結会計期間末の直営店舗数は1,399店舗となりました。またFC店舗を含めた総店舗数は2,713店舗となっております。
以上のような取組みを行ってまいりましたが、11月に新型コロナウイルス禍の第8波が顕在化したことや深夜時間帯における人流の大幅な減少等のため、既存店売上収益は、新型コロナウイルス禍が顕在化する前の水準には戻っておりません。
このようなことから当第3四半期連結累計期間の連結業績につきましては、売上収益が1,623億17百万円、事業損失が9億25百万円、四半期損失が30億59百万円、親会社の所有者に帰属する四半期損失が23億28百万円となりました。
(注)事業利益 = 「売上収益 – 売上原価 – 販売費及び一般管理費」により計算しております。
事業利益は、IFRSで定義されている指標ではありません。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
a. ㈱コロワイドMD
㈱コロワイドMDは、各種食料品の商品開発・調達・製造・物流のマーチャンダイジング全般を行っております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は576億28百万円(前年同四半期486億48百万円)、事業利益は17億52百万円(前年同四半期16億33百万円)、営業利益は15億46百万円(前年同四半期15億50百万円)となりました。
b. ㈱アトム
㈱アトムは、「ステーキ宮」・「にぎりの徳兵衛」・「寧々家」などのレストラン業態及び居酒屋業態の直営飲
食店の運営及びフランチャイズ事業の運営を行っております。尚、同社は2022年3月31日に同社の連結子会社で
あった㈱エムワイフーズの全株式を㈱コロワイドMDへ譲渡しており、前連結会計年度末日において子会社を保
有しておりません。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は258億63百万円(前年同四半期233億70百万円)、事業損失は2億76百万円(前年同四半期事業利益9億85百万円)、営業損失は4億2百万円(前年同四半期営業利益10億84百万円)となりました。
尚、店舗政策につきましては1店舗(直営1店舗)を新規出店し、7店舗(直営7店舗)の閉鎖を行い、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は353店舗(直営342店舗、FC11店舗)となっております。
c. ㈱レインズインターナショナル
㈱レインズインターナショナルは、「牛角」・「温野菜」・「土間土間」・「かまどか」・「手作り居酒屋
甘太郎」・「北の味紀行と地酒 北海道」・「FRESHNESS BURGER」など、国内及び海外においてレストラン業態
及び居酒屋業態の直営飲食店の運営の他、フランチャイズ加盟店の募集、加盟店の経営指導、商品の企画販売及
び食材等の供給を行っております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は640億51百万円(前年同四半期409億円)、事業利益は13億36百万円(前年同四半期38億62百万円)、営業利益は6億68百万円(前年同四半期40億9百万円)となりました。
尚、店舗政策につきましては53店舗(FC28店舗・直営25店舗)を新規出店し、FCレストラン業態17店舗とFC居酒屋業態2店舗を直営化しました。一方、115店舗(FC66店舗・直営49店舗)の閉鎖を行い、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は1,587店舗(FC1,036店舗・直営551店舗)となっております。
d. カッパ・クリエイト㈱
カッパ・クリエイト㈱は、「かっぱ寿司」などのレストラン業態の直営飲食店の運営の他、寿司・調理パンな
どのデリカ事業を行っております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は525億91百万円(前年同四半期508億9百万円)、事業損失は11億61百万円(前年同四半期事業利益2億70百万円)、営業損失は11億70百万円(前年同四半期営業利益6億40百万円)となりました。
尚、店舗政策につきましては5店舗の閉鎖を行い、当第3四半期連結会計期間末の直営店舗数は307店舗となっております。
e. ㈱大戸屋ホールディングス
㈱大戸屋ホールディングスは、「大戸屋ごはん処」など、国内及び海外においてレストラン業態の直営飲食店
の運営の他、フランチャイズ加盟店の募集、加盟店の経営指導、商品の企画販売及び食材等の供給を行っており
ます。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は174億92百万円(前年同四半期137億72百万円)、事業損失は1億76百万円(前年同四半期事業利益10億80百万円)、営業損失は1億17百万円(前年同四半期営業利益12億円)となりました。
尚、店舗政策につきましては、14店舗(直営8店舗・FC6店舗)を新規出店し、8店舗(直営2店舗・FC6店舗)の閉鎖を行い、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は420店舗(直営153店舗・FC267店舗)となっております。
f. その他
その他は、ワールドピーコム㈱における外食事業向けセルフ・オーダー・トータル・システムの開発・販売、
無線通信技術の開発・運用、㈱シルスマリアにおける生菓子、焼き菓子、チョコレート(生チョコ他)の製造・
販売、㈱ココットにおける事務処理業務、㈱ダブリューピィージャパンにおける飲食店運営、㈱ダイニング・クリエイションにおける飲食店運営及びFC事業運営、㈱ダイニングエールにおける給食事業運営、㈱フューチャーリンクにおけるFC事業運営となっております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は59億52百万円(前年同四半期35億26百万円)、事業損失は3億92百万円(前年同四半期3億37百万円)営業損失は4億63百万円(前年同四半期3億65百万円)となりました。
(注)セグメントにつきましては、「要約四半期連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローが241億16百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△65億92百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△177億85百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△8億47百万円となりました結果、前連結会計年度末に比べ11億8百万円減少し、474億26百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に減価償却費及び償却費、営業債務及びその他の債務の増減額によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主にリース負債の返済による支出によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。