【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化に向けた動きや各種政策の効果から、緩やかな回復基調となった一方で、世界的なインフレの長期化や金融引き締め政策の継続、中国経済の低迷等により、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移しました。当社グループの主力分野である工作機械業界においては、当第2四半期連結累計期間の業界受注総額は、前年同期比17.7%減の7,372億円となりました。内需は、自動車のみならず一般機械や電機・精密機械の各業種でも調整局面が続き、全体としては前年同月比で13カ月連続減少となり、外需も、金利高や中国経済低迷の影響等から、前年同月比で9カ月連続減少となるなど、内需、外需ともに低調に推移しております。このような状況の中で、当社グループの当第2四半期連結累計期間の受注高は74億28百万円(前年同期比16.4%減)、受注残高は67億34百万円(同16.2%減)となりました。また、売上高は70億13百万円(同6.2%減)、営業損失は1億53百万円(前年同期は1億39百万円の営業利益)、経常損失は1億53百万円(前年同期は2億27百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億33百万円(前年同期は1億44百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。なお、当社グループの受注高につきましては、従来、工作機械事業における「旋盤・改造機」の受注高に限定して開示しておりましたが、売上高との関連性を明確化するため、第1四半期連結会計期間より、工作機械事業における「旋盤・改造機」及び「部品・サービス等」の受注高並びにIT関連製造装置事業における受注高を含めた開示に変更しております。セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 工作機械事業当第2四半期連結累計期間の経営成績は、受注高が68億41百万円(前年同期比15.9%減)、受注残高が61億96百万円(同17.4%減)、売上高が62億37百万円(同6.8%減)、営業損失が1億63百万円(前年同期は1億20百万円の営業利益)となりました。受注高の地域別内訳は、北米向けが増加したものの、国内向け及びヨーロッパ向けが大幅に減少した結果、内需が42億34百万円(前年同期比27.3%減)、外需が26億7百万円(同13.1%増)となりました。売上高の地域別内訳は、国内向けが増加したものの、北米向け及びアジア向けが大幅に減少した結果、内需が45億33百万円(同13.3%増)、外需が17億3百万円(同36.6%減)、外需比率が27.3%(前年同期は40.2%)となりました。第2四半期連結累計期間における主な取り組みとして、国内では、MEX金沢2023への出展、海外では、タイやインドネシアの現地子会社プライベートショーのほか、4年ぶりの開催となったヨーロッパ最大の国際工作機械見本市であるドイツEMO2023へ出展するなど、コロナ禍以降、高まりを見せるお客様の省人化、自動化ニーズに対応した展示会PRを国内外で積極的に行いました。また、本年4月の組織改編により、営業本部と生産本部を統合し、生販一体化した工作機械事業本部のメリットを最大限に活用して、様々な需要の掘り起こし施策を企画し、営業キャラバン、顧客との技術交流会、ディーラとの勉強会、カーボンニュートラルに対応した製品提案などを実施しました。当社の主力受注先である国内自動車関連の回復が遅れる中でも、投資意欲のあるお客様をターゲットとして、ニーズを捉えた機動的な営業活動により、受注を下支えすることができました。更に、新規事業への挑戦として開発を進めていた「資源ゴミAI自動選別機」は、試作機を各種展示会に出展し、積極的なPRを推進したことにより、多くの引合をいただいております。また、工作機械との連携も可能な省人化システム「ServoROT」シリーズの販促も強化しております。引き続き、当社が得意とする省人化、自動化技術を活かしたソリューション営業を進めていきます。製品面では、原材料価格の高騰に対応して、機械本体や各種オプションの販売価格を改定したほか、原価低減や生産性向上に向けた活動を推進しました。また、切削加工の速度と精度を両立した2スピンドル2タレット精密旋盤「XW-130」の後継機である新機種「XWT-8」を開発しました。本機種では、従来機よりも加工性能に磨きをかけるだけでなく、ターゲットワークとしてEV部品の加工にも狙いを定めたほか、当社独自の新OSや様々な環境配慮機能を搭載しております。新しい市場ニーズを開拓する新機種として、10月に愛知県で開催されたMECT2023でお披露目しました。生産面では、工作機械事業本部による一体的な取り組みを進め、先行発注による安定生産、生産計画の情報共有の強化による早期出荷や追加生産枠の確保に取り組んだほか、複雑化する設計工数の確保のための機動的な人員配置、外注設計の活用、製造部員の育成・採用強化にも努めました。
② IT関連製造装置事業 当第2四半期連結累計期間の経営成績は、受注高が5億87百万円(前年同期比22.1%減)、受注残高が5億37百万円(同1.5%増)、売上高が6億27百万円(同2.0%減)、営業利益が22百万円(同37.3%減)となりました。半導体の調整が継続したことで受注高が減少したものの、新規案件開拓の成果や計画的生産に努めた結果、売上高は堅調に推移しました。一方で、製品構成比の影響等により、営業利益は減少しました。
③ 自動車部品加工事業当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が1億48百万円(前年同期比3.8%増)、営業損失が12百万円(前年同期は16百万円の営業損失)となりました。取引先である自動車メーカーの生産調整が継続しているものの、部品不足の影響が大きかった前年同期と比較して、需要回復の動きが見られたため、売上高が増加し、営業損失は縮小しました。
当社はサステナビリティ基本方針である「TAKAMAZは、常に挑戦し続けるモノづくりを通じて、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献します」を定め、持続可能な企業経営に取り組んでおります。環境面では、脱炭素化・カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、本年8月から、当社本社工場のPPAモデル(第三者所有型)の太陽光発電設備の運用を開始しました。本設備により、2021年度比較で、本社工場のCO2排出量は14%(約390トン-CO2)削減できる見込みです。また、昨年度から、当社のサステナビリティの取り組みをまとめたサステナビリティレポートを作成しており、10月に2023年度版を公開しました。本レポートでは、持続可能な社会の実現に向けた当社の活動をご紹介しております。詳細は当社ホームページをご確認ください。(当社ホームページhttps://www.takamaz.co.jp/sustainability/note/)
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の総資産は226億94百万円で前連結会計年度末に比べ13億3百万円の減少となりました。区分別にみますと、流動資産は139億61百万円となり、前連結会計年度末に比べて12億5百万円減少しました。その主な要因としては、棚卸資産が1億49百万円増加したものの、電子記録債権が8億3百万円、現金及び預金が3億11百万円、受取手形及び売掛金が2億91百万円減少したことによるものです。固定資産は87億33百万円となり、前連結会計年度末に比べて98百万円減少しました。その主な要因としては、建物及び構築物(純額)が1億5百万円減少したことによるものです。次に当第2四半期連結会計期間末の負債は57億91百万円で前連結会計年度末に比べて13億8百万円の減少となりました。区分別にみますと、流動負債は48億85百万円となり、前連結会計年度末に比べて13億3百万円減少しました。その主な要因としては、電子記録債務が8億16百万円、流動負債のその他(未払消費税等)が4億42百万円減少したことによるものです。固定負債は9億5百万円となり、前連結会計年度末に比べて5百万円減少しました。その主な要因としては、長期借入金が25百万円減少したことによるものです。当第2四半期連結会計期間末の純資産は169億3百万円で前連結会計年度末に比べて5百万円の増加となりました。その主な要因としては、利益剰余金が2億30百万円減少したものの、為替換算調整勘定が2億円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は74.4%となりました。
(3)
キャッシュ・フローの状況① 営業活動によるキャッシュ・フローは、28百万円の資金流出(前年同期は20百万円の資金流入)となりました。その主な要因としては、売上債権の減少や減価償却費の計上等があったものの、仕入債務の減少や税金等調整前四半期純損失の計上等があったことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フローは、3億7百万円の資金流出(前年同期は12億74百万円の資金流出)となりました。 その主な要因としては、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フローは、1億34百万円の資金流出(前年同期は1億18百万円の資金流出)となりました。 その主な要因としては、配当金の支払、長期借入金の返済による支出等があったことによるものです。 これらの結果、当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、3億65百万円の減少(前年同期は12億37百万円の減少)となり、当第2四半期連結累計期間末残高は24億73百万円(前年同期は25億8百万円)となりました。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループが、フラッグシップ・ファクトリー(旗艦工場)であるあさひ工場の操業開始を起点として、更なる成長を遂げることを志向して策定した「中期計画2024」につきましては、その達成に向けて戦略を推進してきましたが、当社の主力受注先である自動車関連業界では、コロナ禍からの回復が期待されておりますが、国内外の経済環境の伸び悩みから、内需・外需ともに需要回復が緩慢となっていることや、EV化に伴う電池・半導体・デジタル等の投資が先行していることなどから、工作機械関連の需要は調整局面が続いており、本格的な回復の時期は不透明な状況です。当第2四半期連結会計期間において、このような外部環境の状況等を勘案した結果、現時点においては中期計画2024で掲げる定量目標の達成が困難であると見込まれることから、これを取り下げることといたしました。今後につきましては、『チェンジ!チャレンジ!2024! 当たり前を「変える」、新しいことに「挑戦する」』という基本方針は継続し、中長期的視点に立った事業別戦略を推進していくことで、企業価値の向上に努めてまいります。(参考)2024年度の経営目標
① 連結売上高営業利益率 8%以上
② 連結ROE 8%以上
③ 連結売上高 240億円以上
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、77百万円であります。