【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社グループは前連結会計年度において、決算期を6月30日から3月31日に変更しております。これにより、決算期変更の経過期間となる2022年3月期は第3四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同四半期との比較は行っておりません。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和等により経済活動が再開され、緩やかな回復が期待されているものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に起因するエネルギー価格の高騰や、急激な円安などにより先行きが不透明な状況が続いております。
このような環境下において、グループ企業理念を体現し、さらなる企業価値の向上を実現するためには、当社グループの強みである、創業以来、自治体を軸とした事業活動を通じて築き上げてきた「自治体リレーション」を中核に、法制度の制定・改正等を的確に捉えた「様々な分野における事業化再現性」と、自治体という事業ドメインに基づく「ビジネスの拡大展開における再現性」を発揮した既存事業の成長及び新規事業の創出が重要であると考えております。これらを推進することは、各自治体が「特徴を活かした自律的で持続的な社会」を築く支援につながり、ひいてはグループ企業理念の実現及び企業価値の向上につながるものと考えております。
当社グループは、2021年6月期及び2022年3月期において、JEPXでの電力取引価格の高騰により、当社グループ業績の大きな割合を占めるエネルギー事業が多大なる影響を受けた結果、2021年6月期から債務超過が継続しており、2022年3月期末には債務超過額は約56億円となりました。なお、2022年3月25日付で連結子会社としてエネルギー事業を営んでいたホープエナジーの破産手続開始の申し立てを行い、同日付で破産手続開始決定がなされております。
上述のとおり、ホープエナジーの破産手続開始決定がなされ、エネルギー事業から撤退したことに伴い、事業ポートフォリオを変更し、当連結会計年度末での債務超過解消を最優先課題として取り組んでおります。
このような状況の中、2022年9月16日公表の「株式会社ホープエナジー株式の譲渡に伴う業績予想の修正及び特別利益の計上に関するお知らせ」に記載のとおり、ホープエナジーの全株式を譲渡したことに伴い、前連結会計年度末の連結貸借対照表の負債の部に計上されていた組織再編により生じた株式の特別勘定を損益に振り替えたことに加え、第11回新株予約権の行使による株式の発行により債務超過額は大きく減少しており、当第3四半期連結会計期間においては、第11回新株予約権の行使による株式の発行により、当第3四半期連結会計期間末における債務超過額は、144,911千円となり、前連結会計年度末から5,457,508千円減少しております。
広告事業におきましては、連結子会社である株式会社ジチタイアドにおいて、2021年6月期までは「利益創出事業」と位置付け、事業規模の適正化による利益率向上を図るとともに、一定規模の売上高の維持、1人当たりの生産性を高めて安定的な利益創出を目指しておりました。これまでの取り組みにより、事業規模の適正化による利益率向上について一定程度実現できたものと考えております。従いまして、2023年3月期の方針として、引き続き1人当たりの生産性を高め、利益創出事業として「計画的な再拡大」を目指し、安定成長を実現してまいります。
ジチタイワークス事業におきましては、対自治体プロモーション市場について、官民連携や競争促進の余地が大きく、潜在的であると捉えていることから、連結子会社である株式会社ジチタイワークスにおいて、自治体情報を最上流でキャッチできるポジションの確立を目指し、コンテンツ拡充・情報発信力の強化と情報キャッチアップ力の向上により『ジチタイワークス』ブランドの価値を確固たるものにすることで、市場の顕在化の促進を図っております。その先に、当社グループを中心とした自治体情報の循環によるさらなる官民連携の促進、また、自治体情報データベースを活用した、事業の強化・支援・創造が可能になると考えております。これを実現するための施策として、さらなるコンテンツ制作体制の充実と、BtoGソリューションの推進、官民協働を支援するweb上のプラットフォームである「ジチタイワークスHA×SH(ハッシュ)」の運営推進等多面的な展開を進めております。
一方で、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク (3)債務超過の解消に向けた計画の進捗状況」に記載のとおり、債務超過を原因とする上場廃止の猶予期間である当連結会計年度(2023年3月期)末において債務超過を解消し上場の維持を果たすため、「事業利益等の確保」に加え、「エクイティ・ファイナンス等の実施」による資金調達の施策を検討してまいりました。その中において、2022年12月23日公表の「資本業務提携契約の締結、第三者割当による新株式の発行、主要株主である筆頭株主の異動及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」及び2023年1月10日公表の「第三者割当による新株式発行の払込完了に関するお知らせ」に記載のとおり、2023年1月10日付でチェンジを割当先とした本第三者割当増資の実施に至りました。
また、本第三者割当増資に伴い同社が当社のその他の関係会社となる見込みであり、今後、当社は本資本業務提携に基づき、同社とのシナジーを発揮しながら、両社が目指す自治体DXの推進に注力し、両社の企業価値向上に取り組んでまいります。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は1,654,282千円、営業利益は256,244千円、経常利益は250,932千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,052,689千円となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
① 広告事業
広告事業におきましては、自治体から様々な媒体の広告枠を入札により仕入れ民間企業に販売するSR(SMART RESOURCE)サービス、また、自治体から市民へ専門性が高い情報をよりわかりやすく確実に伝える情報冊子マチレットを自治体と協働発行(無料)し、自治体の経費削減を支援するSC(SMART CREATION)サービス等を提供しており、上述のとおり収益性改善を目的とした事業規模の適正化を推進してまいりました。当社グループの主要媒体であるマチレットは現在、子育て・介護・空き家対策・エンディングノート・おくやみ、などのテーマを主として全国展開しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は1,123,777千円、セグメント利益は305,613千円となりました。
② ジチタイワークス事業
『ジチタイワークス』は、当社グループの官民連携を推進する様々なサービスを総称するブランドの名称とし、「自治体で働く“コトとヒト”を元気に。」をコンセプトにサービスを展開しております。
約5年にわたり発行してきた、当社グループオリジナルのメディアとして、自治体職員の仕事につながるヒントやアイデア、事例などを紹介する冊子『ジチタイワークス』は、本誌の他に、企業の予算やニーズに応じたオーダーメイド形式の(ⅰ)特別号(ⅱ)PICKS及び(ⅲ)INFO.の3種類の媒体があり、自治体向けに事業を展開したい民間企業に対して、幅広い広告媒体の提案を行っております。
『ジチタイワークス』は2017年12月の創刊から5周年を迎えており、2022年12月に発行した『ジチタイワークス』Vol.23では5周年にちなんだ企画を掲載しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は490,475千円、セグメント利益は200,307千円となりました。
③ その他
その他には、マチイロなど他の報告セグメントに含まれないサービスが含まれております。
当第3四半期連結累計期間における売上高は41,732千円、セグメント損失は12,349千円となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産
当第3四半期連結会計期間末の総資産合計は1,820,319千円となり、前連結会計年度末に比べて387,410千円増加しました。流動資産は1,742,929千円となり、前連結会計年度末に比べて395,867千円増加しました。これは主として現金及び預金が412,055千円増加したものの、売掛金及び契約資産が23,244千円減少、商品及び製品が23,196千円減少したことによるものであります。固定資産は77,390千円となり、前連結会計年度末に比べて8,457千円減少しました。これは主として有形固定資産が3,910千円減少、無形固定資産が4,354千円減少したことによるものであります。
② 負債
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は1,965,230千円となり、前連結会計年度末に比べて5,070,098千円減少しました。流動負債は1,616,377千円となり、前連結会計年度末に比べて667,336千円増加しました。これは主として1年内返済予定の長期借入金が773,894千円増加したものの、買掛金が23,990千円減少、流動負債のその他が88,959千円減少したことによるものであります。固定負債は348,852千円となり、前連結会計年度末に比べて5,737,434千円減少しました。これは主として長期借入金が890,855千円減少、組織再編により生じた株式の特別勘定が4,846,528千円減少したことによるものであります。
③ 純資産
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は144,911千円の債務超過となり、前連結会計年度末から5,457,508千円増加しました。これは主として親会社株主に帰属する四半期純利益計上及び第11回新株予約権の行使に伴う新株の発行により資本金が204,307千円、資本準備金が204,307千円、繰越利益剰余金が5,052,689千円増加したことによるものであります。なお、当社は2022年6月30日開催の第29回定時株主総会における決議に基づき、2022年8月5日を効力発生日として資本金を2,706,633千円、資本準備金を2,670,433千円減少し、減少額の全額をその他資本剰余金に振り替えるとともに、当該その他資本剰余金5,377,066千円を繰越利益剰余金に振り替え、欠損の填補を行いました。これらの資本金及び資本準備金の額の減少並びに欠損填補は貸借対照表の純資産の部における勘定科目間の振替処理であり、純資産額に影響はございません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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