【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
①
売上高当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績は、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、顧客生産台数が回復傾向になったことと、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ29,075百万円(24.9%)増加の145,744百万円となりました。
②
売上原価、営業損益当連結会計年度の営業利益は、顧客の2直化のタイミング遅れによる米国新工場の費用負担と、全拠点における原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、3,453百万円(前連結会計年度は2,632百万円の営業損失)となりました。
③
営業外損益、経常損益当連結会計年度の経常利益は、2,864百万円(前連結会計年度は985百万円の経常損失)となりました。
④
特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、518百万円(前連結会計年度は2,085百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(2)財政状態の状況
①
資産当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ6,736百万円(4.3%)増加し、162,899百万円となりました。主な要因は、売掛金及び投資その他の資産のその他並びに原材料及び貯蔵品が増加したことによるものであります。
②
負債負債は、前連結会計年度に比べ5,233百万円(6.6%)増加し、84,477百万円となりました。主な要因は、長期借入金が減少した一方で、支払手形及び買掛金並びに流動負債のその他並びに未払金が増加したことによるものであります。
③
純資産純資産は、前連結会計年度に比べ1,503百万円(2.0%)増加し、78,422百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が増加した一方で、利益剰余金が減少したことによるものであります。この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ18円50銭増加の1,063円76銭に、自己資本比率は、前連結会計年度の47.5%から1.1ポイント低下の46.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して1,923百万円(9.2%)減少し、18,944百万円となりました。
①
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、14,048百万円の収入(前連結会計年度は3,705百万円の収入)となりました。主な要因は、減価償却費11,895百万円の計上によるものであります。
②
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,991百万円の支出(前連結会計年度は20,107百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出7,432百万円であります。
③
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,618百万円の支出(前連結会計年度は3,579百万円の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出5,254百万円であります。
(4)生産、受注及び販売の実績当社は取引先の生産順序どおりに生産納入する方式を採用しており、確定受注は主に納期直前であることから、生産実績及び受注実績は、販売実績と重要な相違はないため記載は省略しております。当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
販売高(百万円)
前年同期比(%)
日 本
102,957
18.1
中国・韓国
4,464
△22.9
ア セ ア ン
12,287
35.5
中米・北米
26,036
78.3
合 計
145,744
24.9
(注) 1
セグメント間取引については、相殺消去しております。2
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自
2021年4月1日至
2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
マツダ株式会社
62,735
53.8
76,341
52.4
Mazda Motor Manufacturing de Mexico, S.A. de C.V.
18,465
15.8
26,069
17.9
ダイハツ工業株式会社
11,898
10.2
10,960
7.5
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の自動車業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラルやSDGsをはじめとする持続可能な社会の実現に向けた取り組みや次世代の自動車開発がより一層加速するなか、世界で長期化していた新型コロナウイルス感染症の影響や半導体供給不足等による生産数の下振れは回復傾向にあるものの、ロシア・ウクライナ情勢等により、原材料及びエネルギー価格が高い水準で推移しており、これらは当社の事業活動にも大きな影響を及ぼすこととなりました。 このような環境の中、当社はCSR経営の強化を前面に、事業活動を通じた社会貢献活動を利益創出と双璧をなすものとして推進し、2023年度を最終年度とする中期経営計画に掲げる経営指標達成に向けた諸施策を実施してまいりました。 具体的な取り組みとしまして、研究開発領域においては、内装・外装部品でのリサイクル技術の開発や内装部品における自動車内の快適性向上、熱マネージメント技術の開発、樹脂と電装の融合による先進的な操作デバイスの開発等を推進してまいりました。 ものづくり領域においては、2019年に稼働を開始した本社工場の機能を活用した全自働化ラインのノウハウを水平展開するべく活動を推進してまいりました。より一段と進化した生産プロセスの拡充による省資源、省エネルギー化を目指し活動を進めてまいります。商品領域としましては、インストルメントパネルの新しい価値の追求、次世代光透過表皮の技術開発や電動車にも対応可能なバスバーの量産等を推進してまいりました。 経営基盤領域においては、新型コロナウイルス感染防止策の一環として、テレワーク勤務やWEB会議等の活用や、女性活躍推進制度拡充プロジェクトによる、制度の見直し等の働き方改革を実施してまいりました。今後も多様性を意識した活動を推進してまいります。
当連結会計年度の連結業績は、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、顧客生産台数が回復傾向になったことと、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ29,075百万円(24.9%)増加の145,744百万円となりました。営業利益は、顧客の2直化のタイミング遅れによる米国新工場の費用負担と、全拠点における原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、3,453百万円(前連結会計年度は2,632百万円の営業損失)となりました。経常利益は、2,864百万円(前連結会計年度は985百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、518百万円(前連結会計年度は2,085百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(日本)日本では、世界的な半導体不足の影響等はありましたが、主要顧客の生産台数増加と車種構成の変化に加え、販路拡大に向けた戦略OEMへの売上増加と、原材料・エネルギー費高騰分の価格への転嫁等により、売上高は前連結会計年度と比べ14,808百万円(16.2%)増加の105,956百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありますが、増収影響と投資の抑制や見直し等あらゆる経費の削減とコスト改善活動実施により、前連結会計年度と比べ3,292百万円(408.4%)増加の4,098百万円となりました。
(中国・韓国)中国・韓国では、邦貨換算影響による増収要因もありましたが、中国でのロックダウンによる自動車部品調達支障の影響により、売上高は前連結会計年度と比べ1,282百万円(16.7%)減少の6,384百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、生産工程の見直しによるコスト改善等はありましたが、減産影響と原材料及びエネルギー価格高騰の影響等により、81百万円の損失(前連結会計年度は283百万円のセグメント利益)となりました。
(アセアン)アセアンでは、顧客生産台数の回復と邦貨換算影響により、売上高は前連結会計年度と比べ3,300百万円(35.5%)増加の12,585百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、原材料及びエネルギー価格高騰の影響等はありましたが、増収影響と生産工程の見直しによるコスト改善等により、前連結会計年度と比べ857百万円(482.6%)増加の1,034百万円となりました。
(中米・北米)中米・北米では、米国新工場の本格的な稼働開始と金型売上の増加に加え、邦貨換算影響により、売上高は前連結会計年度と比べ11,522百万円(78.8%)増加の26,145百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、顧客の2直化のタイミング遅れに対する米国新工場の生産体制の見直し等による改善を行いましたが、開発費の一括計上と邦貨換算影響により、2,750百万円の損失(前連結会計年度は2,871百万円のセグメント損失)となりました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資金需要につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により賄っておりますが、一部の設備投資についてはリースにより調達しております。今後の重要な資本的支出の予定及びその調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比較して1,923百万円(9.2%)減少し、18,944百万円となりました。これは当社グループの支払債務及び投資活動を勘案しつつ、適正な流動性を確保するために資金の調達・運用を行ったものであります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(4) 経営者の問題意識と今後の方針当社グループは、対処すべき課題に記載する経営課題に対処すべく、「中期経営計画」において、顧客戦略、商品戦略、ものづくり戦略、拠点戦略、経営基盤戦略の5つを柱とする経営戦略を掲げ諸施策を推進しております。ものづくり戦略においては、カーボンニュートラル実現に向け省エネ、再エネ、リサイクル等の活動を強化し、推進しております。なお、今後の事業環境の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大からの経済回復はありますが、ロシア・ウクライナ情勢等により、原材料及びエネルギー価格が高い水準で推移しており、当社においても、先行きの見通しは不透明な状況であります。
このような状況の中、当社では世界4地域に展開した事業拠点での安定した事業の展開による成長、市場ニーズを先取りした独創的、革新的な樹脂製品や技術開発への積極的なチャレンジ、ものづくりのあるべき姿の追求、働き方改革の実現等、企業の継続的発展のための取り組みを推進してまいります。
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