【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における国内経済は、個人消費を中心に緩やかに持ち直しの動きが続きました。
一方で、長期化するウクライナ情勢を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰に伴う物価上昇に加え、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが国内経済にも影響を及ぼすリスクになるなど、依然として注視が必要な状況で推移いたしました。このような環境の中、引き続き当社グループは、不透明な未来を見据え、それぞれの事業の自立化を推進し、多様性、環境適応性及び成長性を兼ね備えた「自己変革型企業群」の達成に努めてまいりました。
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高212億84百万円(前年同四半期比33.0%増)、営業利益8億91百万円(同23.3%増)、経常利益10億61百万円(同22.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益8億41百万円(同37.9%増)となりました。
当グループは2022年12月1日に「稲葉ピーナツ株式会社」、「株式会社谷貝食品」、「株式会社アイファクトリー」がグループ入りしたことによる業容拡大に伴い、事業戦略と整合性を取ることを目的に、前第3四半期連結累計期間より報告セグメントの区分を「持ち帰り弁当事業」、「店舗アセット&ソリューション事業」、「物流・食品加工事業」へ変更しております。
なお、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値での比較をしております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①持ち帰り弁当事業
持ち帰り弁当事業においては、今期、新たなスローガン「つくりたてを、より速く」を掲げた、ほっかほっか亭を展開するほか、各種パーティー・イベント・セレモニーなどの需要にお応えする仕出料理の展開まで、幅広い食シーンにお応えする事業を行っております。当第2四半期においては、エネルギー価格や原材料価格が高騰しつづける一方で、大型イベントやコンサート、スポーツ観戦等での大型案件受注が復活の兆しを見せました。
ほっかほっか亭では、えび、いか、あじ、かに風味かまぼこなど天ぷら8品を揃えた「海鮮おろし天丼」、真夏のご馳走と題した「ビフテキシリーズ」、茹でたまごの天ぷらが特長の「月見天丼」など期間限定メニューを発売。8月には、「のりスタミナ弁当」「のりスタミナスペシャル」を対象商品とし、テレビアニメ「呪術廻戦」2期とコラボレーションした、「ハラペコを祓え!キャンペーン」を実施し、Z世代を中心に大変ご好評をいただきました。デジタル販促の面では、引き続きSNS( X(旧Twitter)・Instagram・LINE)において、フォロワー獲得施策を積極的に実施、公式X(旧Twitter)のフォロワーは、82万人を突破しました。また公式アプリ「ほっかアプリ」を7月に刷新、より使いやすいアプリへとリニューアルしました。モバイルオーダー注文を増加させる施策をアプリ上でも積極的に導入し、店舗の利便性向上に繋げていきます。
また、仕出料理事業については、ケータリング事業の売上が大幅に増加し、今後も順調に推移することが予想されます。具体的には、アフターコロナで復活が見られた企業懇親会、学会、貸会議室での懇親会などのパーティーが非常に好調で売上に寄与しました。また、国立競技場でのサッカーの国際試合、その他スポーツイベントなど大型受注や、ECサイトからの問合せに対し、きめ細やかに対応したことで受注に繋がったパーティー売上の増加などもあり、ケータリング事業について、ほぼコロナ以前の水準まで回復しております。セレモニー事業については、ケータリング事業ほどとはいかないまでも、通夜告別式、法事などの受注件数、1件当たりの単価が増加傾向で、徐々にではありますが、確実に回復をしてきております。しぶちか東急渋谷フードショーに常設の弁当・惣菜販売店舗の「幾重(いくえ)」は、メイン商品「高級のり弁」などが安定売上を継続しております。高級スーパーへの販売や「幾重」ブランドでのECサイトへの販売も継続しており、OEM商品の販売も開始しました。
持ち帰り弁当事業は、売上高82億77百万円(前年同四半期比2.1%増)、営業利益103百万円(前年同四半期は営業損失6百万円)となりました。
②店舗アセット&ソリューション事業
店舗アセット&ソリューション事業においては、店舗内装造作をリユースするサステナブルな店舗物件を用いて「明日の街、もっと楽しく」する店舗流通ネットグループを中心に、飲食店等の事業者向けソリューション、洋菓子店向けIT経営ソリューション、商業用不動産のバリューアップ企画・開発・運営・管理・リーシング及び投資機会の提供、並びにパーティー・イベント向け機器レンタルや不動産賃貸を行っております。当第2四半期連結累計期間においては、エネルギー価格・原材料価格・店舗運営人件費が高騰する一方で、新型コロナウイルス感染症の分類変更もあり経済活動の正常化が進み、サービス消費・一般的なイベント開催は総じて回復基調となりました。
<店舗の出退店及び人材等ソリューション>
店舗流通ネット株式会社は、飲食店等の事業者ニーズに応え、ニッチな分野で拡大する需要を的確に捉え稼働店舗数を増やす活動により、店舗リース取引店舗数は818店となりました。店舗運営人材紹介(人)、好立地物件提供(モノ)、独自の出店資金サポートシステム(カネ)、飲食業界初の過去データ入力不要の店舗月商売上予測システム提供(情報)など「人・モノ・カネ・情報」を一気通貫でソリューション提供することで出店をサポートし、また差入保証金の代預託・流動化や店舗内装造作の買取りにより、財務面でもサポートしてまいりました。創業20年余で築いたリード顧客ネットワークや店舗売上データ等が強みの店舗リースなど店舗事業者向けソリューション・ビジネスは、資本収益性が良好で市場でも成長が期待されているため、主力事業として注力しております。8月には有望市場開拓強化と人的資本生産性向上を企図し、店舗流通ネット株式会社横浜支店を横浜駅前に移転・増床しました。設備投資・人的資本投資と並行して業務プロセス改善にも注力しております。人材紹介に関しては、「他では会えない、外国人材と出会う」特定技能外国人材就労支援サービス『VUI TOWN』(ヴイ・タウン=楽しい街)を運営し、特定技能外国人材を受け入れる企業の不安の払拭と、将来を見据えた採用計画を実現するためのコンサルティングを行っております。その成果もあり、店舗流通ネット株式会社が紹介する特定技能外国人材の採用決定人数は過去最高水準となりました。滞在期間5年という制限の無い特定技能2号の拡大が今後見込まれ、外国人就労者にとって人材育成責任者や店長職等のキャリアプランが従前よりも描きやすくなる社会情勢であることから、外国人就労者を活用した雇用企業の海外出店支援や外国人就労者の独立支援も視野に入れ取り組んでおります。
<店舗不動産ソリューション>
店舗ビジネスの強みと金融・不動産・建築の知識・スキルを融合し、不動産のバリューアップを行っております。東京都内に所有する中層商業ビルTRN明大前では、1階テナント退去後にダウンタイム無く後継テナント入居を確保し、古くからの継続賃料を新規相場賃料に改定、前年比増収とした上で入替えを機に遵法性工事を行い、安全性向上を実現しました。管理する店舗ビルの店舗物件提供で稼働店舗数を増やす活動により、不動産管理テナント数は118店となりました。投資助言する不動産ファンドに関しては、契約資産額108億円で推移、うち本厚木駅前不動産の開発ファンドはコンストラクション・マネジメントを通じて地上12階建ビルを建設中です。遵法性工事や店舗リーシングの強みを活かしてバリューアップした後に販売して利益を実現するビジネスモデルは持続可能なものであり、不動産私募ファンドを組成して販売先とする従前手法に加え、現物不動産を好む顧客層への販売に注力しました。その成果もあり、当第2四半期連結累計期間において現物不動産1物件(東京都武蔵野市)を販売しました。
<IT経営ソリューション>
洋菓子店のビジネスを支えるPOSレジシステム「ninapos」及びオプションの専用カート「ニナカート」のソフト開発・提供を行っております。有名店での導入が多く、そこで修業された次世代のパティシエが独立時に利用される好循環もあり、「ninapos」導入店は1千店を超え、一定規模を上回る洋菓子店の約3分の1のシェアを誇ります。アフターフォローを通じた信頼関係構築に定評があり、導入企業における取引継続率は直近で年99.7%と、高い取引持続性を誇ります。予約管理のみならず販売分析・顧客データ分析をパティシエの世界に広めたPOSレジシステムであり、業界の経営改善に寄与しております。この経営改善効果を洋菓子店業界のみならずベーカリー業界にも展開する市場開拓を進めております。POSデータをビッグデータとして有効活用するためにコンサルティング・サービスの拡充に向けた取り組みも開始しました。
<パーティー・イベント用品レンタル>
パーティー・イベント用品レンタル事業においては、事業所関連の社内パーティーは若干の回復傾向にあり、ホテル関連の大人数のパーティー需要は大幅に回復してきております。また5月から稼働しました株式会社ファースト・メイト関西支店の知名度も広がりつつあり、関西地域における売上も順調に伸びてきております。
店舗アセット&ソリューション事業は、売上高60億75百万円(前年同四半期比8.1%減)、営業利益5億64百万円(同41.9%減)となりました。
③物流・食品加工事業
物流・食品加工事業においては、ほっかほっか亭店舗へ導入する食品の加工をはじめとしたカミッサリーと商材や食材などの物流のほか、ピーナッツやドライフルーツなどの菓子製造業や卸販売事業を行っております。
当第2四半期連結累計期間においては、物流業務の拡大、カミッサリーのフル稼働、新規事業への挑戦を目標に掲げ取り組んでおります。物流事業として、受発注・在庫管理等のセンター運用、基地間の冷凍・チルド配送、入出庫保管等、様々な業務を請け負って効率化・最適化を実現し、信頼と実績を積み重ねております。カミッサリー事業では、営業部門との連携強化を推進し、スーパーやコンビニエンスストア、大手外食ラーメンチェーンのOEM製品の製造、全国各地のご当地食材・特産品や名産品を使った鶏肉製品の開発と定番化への取り組みにより、高い稼働率を維持しております。新規事業としては、当社オリジナル製品の開発に着手しています。また、新たな冷凍小口配送業務の獲得や、取引先の要望に応じた畜肉・海産物等の調達、供給にも注力し、収益構造の安定化に寄与いたしております。
菓子製造業については、依然として販売好調な商品の牽引と、9月に発売しました新商品の導入が順調に決まっており、スーパーマーケット、ドラッグストアを中心に売上は好調を維持しております。また、外国人観光客の更なる増加がインバウンド商品の売上増加に反映され、売上増加の好要因となっております。この好調な状態は当面、少なくとも年末までは維持出来ると予想しております。さらに、円安の影響を受けた原材料から安価な原材料への切り替えも順調に進んでおり、一部商品の値上げ対応も完了したことから、徐々に収益面でも改善されてきております。また、生産ラインの拡充、それに伴う人員の補充も行ない、生産、出荷体制の強化も完了し、年末商戦に向けての準備も順調に整えております。また、株式会社谷貝食品の会社所在地でもある茨城県の紅はるかを使った「ほしいも」の売上が前年対比130%に伸長いたしております。メインターゲットの高級スーパー購買層において、添加物を含まない「ヘルシーな食品」として「ほしいも」が注目されており、高単価でも販売できる商品になっていることが要因の一つです。また、「ほしいも」を起点とした拡販を行う事により、既存販路の売上復活にも繋がっております。海産珍味類においては原材料の値上げ幅が大きく、順次売価見直しをはかることで利益の確保に努めてまいります。
物流・食品加工事業は、売上高81億19百万円(前年同四半期比236.7%増)、営業利益2億69百万円(前年同四半期比2億47百万円増)となりました。
財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は618億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億29百万円増加しました。これは主に借入による預金の増加及び自社倉庫物件を取得したことによるものです。
負債合計は384億95百万円となり前連結会計年度末に比べ25億42百万円増加しました。これは主に借入金及び仕入債務が増加したことによるものです。
純資産は233億49百万円となり前連結会計年度末に比べ7億87百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によるものです。
キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ23億97百万円増加して137億72百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22億84百万円(前年同四半期は13億53百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益11億23百万円、減価償却費5億37百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14億6百万円(前年同四半期は18億33百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出16億32百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は15億20百万円(前年同四半期は5億65百万円の獲得)となりました。これは主に、借入金による収入29億67百万円、借入金の返済による支出12億12百万円によるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの四半期連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この四半期連結財務諸表の作成に当たりまして、採用した重要な会計方針や見積もりの評価等に関しましては、前事業年度の有価証券報告書の「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載した内容から重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。