【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、当第2四半期におきましても引き続き新型コロナウイルスの影響を受けることとなりましたが、これら社会変化に積極的に対応するべく、積極的なリソース投入で、新販路及び新サービスの開発に取り組み、利益の確保と次代成長へ向けた種まきに努めてまいりました。結果として売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益すべてにおいて前年同四半期実績を上回ることができました。
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高159億99百万円(前年同四半期比14.8%増)、営業利益7億23
百万円(同124.8%増)、経常利益8億66百万円(同58.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益6億9百万円(同75.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
報告セグメント「店舗委託事業」につきましては、飲食店等の運営事業者向けに店舗リースをはじめとする「食や店舗及びそれらを支える人材に関するソリューション」を提供する事を明確に表現するため、「店舗リース&ソリューション事業」とセグメント名称を変更しております。また、「店舗管理事業」につきましても、TRNグループが開発・リーシングした販売用不動産を組み入れた不動産私募ファンドを2021年11月に組成・運用開始した実績を踏まえ「店舗不動産事業」とセグメントの名称を変更しております。なお、このセグメントの名称変更がセグメント情報に与える影響はありません。
なお、当社グループが2021年10月20日より持株会社体制に移行することを契機に収益表示を見直したところ、当社が行う賃貸サービスは当社にとって主力事業となり、グループ経営の具体的な収益構造が明確化されたことから、当社が行う賃貸サービスの収益及び費用については、従来、「営業外収益」及び「営業外費用」として表示しておりましたが、前第3四半期連結会計期間より「売上高」及び「売上原価」に含めて表示する方法に変更いたしました。この表示方法の変更により、前第2四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表を組み替えた数値での比較をしております。
①持ち帰り弁当事業
当第2四半期連結累計期間における中食業界は、テイクアウト・デリバリーの定着、まん延防止等重点措置解除後は明るい兆しが見え始めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業環境の変化や原材料価格・エネルギー価格の高騰もあり、先行きが不安視されております。
このような環境の中、持ち帰り弁当事業においては、「つくりたて。だから、うまい。」を謳うほっかほっか亭を展開しており、地域の皆様の豊かな食生活に貢献、食のインフラ「わたしの街の台所」として、お店で手づくり、できたてのあたたかいお弁当と一緒にお客さまに安心・安全をお届けすることを追求しております。
7月に看板商品である「のり弁当」のシリーズとして、「のりスタミナ弁当」を発売しました。店仕込みのチキンかつ、豚肩ロース肉の旨辛味噌炒め、さらには、ちくわ磯辺あげに、箸休めの紅しょうがに至るまで、創業46年のこだわりを感じさせる逸品に仕上げ、お客様に多大なる支持をいただきました。
また、7月下旬から8月にかけて「のりスタミナ弁当」を対象商品とし、TVアニメ「東京リベンジャーズ」とコラボした「東京のりベンジャーズキャンペーン」も実施し、新規のお客様の来店誘因となりました。
8月にはカレーをリニューアル、9月には季節の人気商品「松茸シリーズ」を発売し、好評を得ております。
しかしながら、昨今の原油価格やエネルギーコスト等の高騰を受けて、商品価格の改定を行いました。
その結果、持ち帰り弁当事業は、売上高79億21百万円(前年同四半期比1.3%増)、営業利益93百万円(同82.7%減)となりました。
②店舗リース&ソリューション事業
飲食店等の運営事業者向けに「店舗リースをはじめとする各種ソリューション」を提供する当事業は、店舗流通ネット㈱及び㈱アニーによる収益が主となります。
飲食店業界の動向は、新型コロナウイルス関連の行動制限が3月に解除されて外食の機運は高まりましたが、7月以降はしばらく感染者が増加したため、当第2四半期は夜間・対面型の業態には厳しい環境となりました。宴会利用が乏しい環境下で居酒屋業態が退店した直後、そこにイタリアンや焼肉といった非日常感のある食を楽しむ店舗が出店するような新陳代謝が昨今見受けられます。一方、店舗の運営に必要な従業員人材に関する不足感は業界全体に広がっており、店舗流通ネット㈱はその人材紹介ニーズにも応えています。
飲食店を中心に創業来3,800店を超える出店サポート実績を有する店舗流通ネット㈱は、人材紹介、秘匿性ある閉店情報など好立地物件提供、独自の出店資金サポートシステム、マーケティング支援といった各種ソリューションを提供しています。店舗運営事業者の出店を加速する「ヒト・モノ・カネ・情報」を一気通貫でソリューション提供する体制のもと、店舗リース取引店舗数は805店まで増加し、ストック収益を伸ばしています。マーケティング強化関連では、店舗流通ネット㈱の店舗売上に係るオルタナティブ・データと各店舗の物件データ・商圏データとの関係性をAI(人工知能)により解析し、それを元に出店予定店舗の売上を予測するシステム「AI店舗開発」を他社と共同開発し、自社の経営に役立てています。
製菓店を中心顧客層として業務効率化・販売促進に役立つと好評価のPOSレジシステム「ninapos」を開発・提供する㈱アニーは、前年との比較では、IT補助金運用に係る環境要因で「ninapos」の販売収益が伸び悩みました。しかしながら、販売後のストックベース取引であるネット受注システム「ニナカート」については「ninapos」と連携する利便性が評価され、コロナ禍でネット注文が増えた相乗効果もあり順調に利用金額を増やして収益に貢献しています。
その結果、店舗リース&ソリューション事業は、売上高38億93百万円(前年同四半期比5.8%増)、営業利益3億63百万円(同19.2%減)となりました。
③店舗不動産事業
店舗不動産の開発・リーシングを通じて所有者・投資家向けに「不動産の管理・投資機会等のソリューション」を提供する当事業は、TRNシティパートナーズ㈱及びTRNインベストメント・マネジメント㈱による収益が主となります。当第2四半期においては、店舗流通ネット㈱の販売用不動産「TRN鶴屋町」の売却収益が含まれます。
店舗不動産事業のビジネスモデルは、人流・繁華性ある街のプライムロケーションにある不動産を取得し、開発・改修および遵法性工事・店舗リーシングを通じてバリューアップした後、組成するファンド等の投資家に対し売却してバリューアップ利益を実現し、その後も運用管理に携わってニッチな店舗不動産アセットの高稼働率を期待する所有者・投資家のニーズに応えることにより安定収益を得るものです。
当第2四半期は不動産2物件を取得いたしました。一つは首都圏有数の観光地で住みたい街としても人気の高い鎌倉のメインストリート「小町通り」に面する商業ビル、もう一つは関西有数の繁華街で観光客にも人気の高い大阪ミナミで個性派ショップが集まる西心斎橋(通称「アメリカ村」)のメインストリートに面する商業ビルです。
売却した不動産は「TRUNK麻布十番」(東京都港区)および「TRN鶴屋町」(横浜市神奈川区)の2物件です。いずれも満室稼働で、売却先は本年9月に組成した不動産私募ファンドです。当ファンドは、TRNインベストメント・マネジメント㈱が投資助言いたします。「TRUNK麻布十番」は新築であり竣工後の専有部避難経路状況など木目細かく確認し、「TRN鶴屋町」は築28年でありテナント使用状況を踏まえた換気等も含め必要な確認・是正を地道に実践し、安心して過ごせる建物とした上で、立地に適した今勢いのあるテナントを自ら発掘・誘致する店舗リーシングの強みを活かして満室稼働を実現し、売却したものです。
当第2四半期においては、前記の販売用不動産2物件売却による収入が約17億円あり利益に貢献しました。不動産管理・アセットマネジメントの受託ストックも着実に積み上がっています。
その結果、店舗不動産事業は、売上高23億93百万円(前年同四半期比393.4%増)、営業利益5億57百万円(同254.8%増)となりました。
④物流食品加工事業
物流食品加工事業においては、カミッサリー製品への需要の高まりに伴い、第1・第2工場の稼働率が大きく上昇しています。カミッサリーでは、非加熱製品、プリフライ、ディープフライの3つのタイプの製品を生産しています。OEMとしてバリエーションに富んだフレーバーで要望に応え、どのタイプでも期待以上のクオリティーを実現することで顧客満足度の向上に寄与しています。
その結果、物流食品加工事業は、売上高24億11百万円(前年同四半期比3.5%減)、営業利益22百万円(同58.5%減)となりました。
⑤仕出料理事業
仕出料理事業においては、長引くコロナ禍に、世界情勢の影響による物価高に円安が重なり、セレモニー、ケータリングの各サービス需要減に加え、原材料の高騰による原価上昇を受けております。
しかしながらサッカーを中心に大型スポーツおよび各種イベントへのケータリングやセレモニーの各サービス需要が復調の兆しを見せており、10月以降も東京レガシーハーフマラソン2022、サッカー天皇杯決勝、パルクール世界選手権などの大型案件を受注しております。ケータリングは他事業者および同業他社との相互協力や、弁当のOEM化により、包括的に受注の多角化を図っております。
セレモニーは引続き営業活動の強化を行ない、嘗ての顧客の再受注および新規顧客の獲得により、受注先のすそ野の拡大に努めております。
しぶちか東急渋谷フードショーの弁当・惣菜販売常設店舗「幾重いくえ」は、店舗販売が夏季天候不良により苦戦したものの、ほかの百貨店、高級スーパーへの催事臨時出店により認知度および需要の拡大を図っており、臨時出店の再依頼も頂いております。
その結果、仕出料理事業は、売上高1億87百万円(前年同四半期比40.4%減)、営業損失1億0百万円(前年同四半期は営業損失34百万円)となりました。
⑥その他
パーティー・イベント用品レンタル事業においては、第1四半期の進捗をキープしておりますが、8月に関しては、夏祭り等のイベントが開催されなかった影響で低調に推移いたしました。
しかしながら、9月に入りラグジュアリーブランドのパーティーや百貨店の催事の開催が増加し始めました。ホテルとの取引も小規模ながら増えてきております。今後、主要取引先の企業向けのケータリング会社、給食事業社に於けるパーティー需要も拡大し始めると想定されます。当第2四半期は前年のTOKYO 2020オリンピック/パラリンピックのような特需はありませんでしたが、新規取引先も増え着実に市場は動き始めています。
その結果、その他の事業は、売上高3億23百万円(前年同四半期比92.3%増)、営業利益50百万円(前年同四半期は営業損失20百万円)となりました。
財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における総資産は495億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億78百万円増加しました。これは主に、店舗不動産事業における不動産物件を取得したことによるものです。
負債合計は273億29百万円となり前連結会計年度末に比べ7億87百万円増加しました。これは主に借入金が増加したことによるものです。
純資産は222億12百万円となり前連結会計年度末に比べ5億90百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によるものです。
キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ85百万円増加して115億25百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は13億53百万円(前年同四半期は10億22百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益8億47百万円、減価償却費4億47百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18億33百万円(前年同四半期は10億58百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18億92百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は5億65百万円(前年同四半期は34億76百万円の獲得)となりました。これは主に、借入金による収入22億円、借入金の返済による支出14億48百万円によるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。