【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の緩和により社会経済活動が正常化に向かう一方、エネルギーコストや原材料価格の高止まりと円安の進行に伴う物価上昇や、世界的な金融引締めによる景気への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。食品流通業界におきましては、相次ぐ値上げの影響による消費マインドの低迷や、物流費や水道光熱費等のさらなる増加など、依然として厳しい経営環境が継続しております。
こうした環境の中、当社グループは2030年度をゴールとする中長期的な経営ビジョンに「地域のスペシャルパートナー」を掲げ、当社グループの独自機能の提供とステークホルダーとの協業を通じて、日本全国の地域における食品流通の問題・課題を共に解決し、共に成長することを目指してまいります。ビジョンの達成に向け、2025年度を目標年度とする「中期経営計画2025」を策定し、3つの事業領域において必要とされる存在になることを到達すべきステージと位置付け、企業価値の向上を目指しております。具体的な5つの経営戦略としまして「多面的・多角的な事業インフラの拡充」「信州事業の再強化・グループ最適化」「非効率事業・資産の見直し」「業務構造改革の推進」「サステナブル経営の取組み」を掲げ、各施策を推進しております。また、経営戦略の推進を下支えする組織運営方針に「エンゲージメント経営の実践」「連結経営の推進」「ガバナンス体制の強化」を掲げ、具現化に向けて取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は商品の仕入価格上昇に伴う販売単価の上昇や、外食・観光需要の回復等により1,243億70百万円(前年同期比2.8%増)となりました。利益面につきましては、水産物や畜産物の相場高や相次ぐ商品の値上げが継続する中、物価高に伴う消費者の低価格志向に加え、物流費等の上昇により収益が低下したことから、営業利益7億6百万円(同14.3%減)、経常利益9億45百万円(同16.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益5億29百万円(同22.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
※ 各セグメントの売上高については、セグメント間の内部売上高を除いて記載しております。
<水産事業セグメント>
水産部門は恒常化する国内天然魚の水揚げ量減少及び小型化傾向に対し、産地駐在による調達機能の強化と販売チャネル拡大による販売シェアの拡大を推進しております。一方、国内養殖魚は川上領域にグループ企業の戦略投資により事業体制強化を図り、国内水産物の付加価値化を進めております。デイリー部門は自社開発商品の構成比拡大と、ドラッグストア等への対応強化を推進し、収益の安定化を図っております。フードサービス部門は多様化する小売店頭及び業務用マーケットからのニーズに対し、水産及び畜産原料の惣菜商品の強化を進めております。
売上高につきましては、相場高に伴う販売単価の上昇と業務筋の需要回復もあり719億1百万円(前年同期比2.1%増)となりました。利益面につきましては、売上総利益率の減少と販売管理費の増加等により、営業利益は2億3百万円(同58.9%減)となりました。
<一般食品事業セグメント>
相次ぐ商品の値上げによる消費者の生活防衛意識が高まり買上点数が減少するなど、厳しい事業環境が継続する中、信州域内(長野・山梨エリア)における卸売機能強化と、県外におけるメーカーポジションに立った自社開発商品の販売戦略により、強固な事業構造の構築を推進しております。
売上高につきましては、観光需要の回復や商品の値上げに伴う販売単価の上昇もあり142億57百万円(前年同期比0.7%増)となりました。利益面につきましては、販売管理費は増加したものの、売上総利益の増加もあり、営業損失は1億32百万円(前年同期は1億77百万円の営業損失)となりました。
<畜産事業セグメント>
国産豚枝肉相場が高騰するなど畜産物の高値傾向が継続する中、当社グループの商品調達力と流通加工機能を活かした販売シェアの拡大と、業務用マーケット向けの商品開発や長野県産商品の販路拡大を推進しております。
売上高につきましては、相場高に伴う販売単価の上昇と業務筋への販売が回復傾向にあることから208億94百万円(前年同期比3.5%増)となりました。利益面につきましては、国産豚の相場高騰分の販売価格への転嫁が遅れたことや、調達・販売コストの上昇など販売管理費の増加により、営業利益は1億37百万円(同31.7%減)となりました。
<丸水長野県水グループセグメント>
2024年度を目途とする当社と㈱丸水長野県水との本質的な統合に向け、統合委員会を中心に検討を進めており、グループ内の経営資源の集約化による信州事業の再強化とグループ最適化の実現を図ることで、更なる強固な経営体制への変革を目指しております。
売上高につきましては、各事業の販売が堅調に推移したことから168億1百万円(前年同期比7.0%増)となりました。利益面につきましては、売上高の増加に伴う売上総利益の増加と、年金資産運用における退職給付費用の一時的な減少により、営業利益は4億9百万円(同70.4%増)となりました。
<その他(物流・冷蔵倉庫事業、OA機器・通信機器販売及び保険代理店事業)>
子会社マルイチ・ロジスティクス・サービス㈱は、当社グループの物流業務・冷蔵倉庫事業の品質向上とローコスト体制の構築を、グループ内の各事業と連携しながら推進しております。
業績につきましては、売上高は5億15百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は87百万円(同37.0%増)となりました。
②財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は664億65百万円となり、前連結会計年度末と比較して110億89百万円の増加となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が77億82百万円、商品及び製品が16億64百万円増加したことによります。
負債は414億74百万円となり、前連結会計年度末と比較して106億46百万円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が100億66百万円増加したことによります。
純資産合計は249億91百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億42百万円の増加となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の43.2%から36.8%に減少しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は76億2百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億36百万円の減少となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は12億19百万円となりました(前年同四半期連結累計期間に減少した資金は21億12百万円)。これは主に、税金等調整前四半期純利益が9億14百万円、減価償却費が3億10百万円となり、売上債権・棚卸資産・仕入債務等からなる運転資本が3億96百万円増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は8億23百万円となりました(前年同四半期連結累計期間に減少した資金は5億16百万円)。これは主に、無形固定資産の取得による支出が2億67百万円、有形固定資産の取得による支出が5億79百万円となったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は5億32百万円となりました(前年同四半期連結累計期間に減少した資金は6億41百万円)。これは主に、長期借入金の返済による支出が1億45百万円、リース債務の返済による支出が73百万円、配当金の支払額が3億76百万円となったことによります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因はありません。