【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けつつも、社会経済活動の正常化に向けた動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化に起因したエネルギーや原材料価格の高騰、急激な円安の進行による物価上昇もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。食品流通業界におきましては、物価高の影響や水道光熱費の高騰により家計の負担が増大し、消費者の生活防衛意識がさらに強まるなど、厳しい経営環境が継続しております。
こうした環境の中、当社グループは経営理念に掲げる「人命の根源たる食品の流通を通して社会に奉仕する」に基づき、食のライフラインを守ることを社会的使命に地域のインフラとしての機能を高めながら事業の持続的成長を図っております。
経営方針としましては、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画「創造2022」の達成に向け、重点施策の5本柱として「物流」「長野モデル」「事業拡大戦略」「人材育成」「事業構造改革」を掲げ、グループ収益力の最大化に向けて諸施策を実行しております。また、サステナビリティ経営については、事業活動を通じたSDGsの取組みと、事業価値と継続価値の向上に向けた中長期的な取組みテーマの設定を進めております。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、年末商戦における食品需要が堅調に推移したことに加え、商品の仕入価格上昇に伴う販売単価の上昇もあり、売上高は1,903億8百万円(前年同期比4.1%増)となりました。利益面につきましては、売上高の伸長による売上総利益の増加と、物流費や光熱費の上昇に対し、経費の適正化に努めたことから、営業利益20億5百万円(前年同期比13.2%増)、経常利益24億71百万円(同12.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益15億53百万円(同10.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
※ 各セグメントの売上高については、セグメント間の内部売上高を除いて記載しております。
<水産事業セグメント>
水産部門では国産天然魚の不漁や小型化、急激な円安等による水産物全般が相場高となる中、当社グループ内の連携強化による養殖魚の安定供給と、産地とのネットワークを基盤とした国産天然魚の調達やフルアソート調達機能などの商品調達力を活かし、顧客からの天然・養殖・生鮮・冷凍での供給ニーズに応えながら売上拡大を図りました。デイリー部門では差別化を狙った自社開発商品の拡売や、顧客ニーズに対応した商品の開発・販売により売上を拡大しております。フードサービス部門では、昨年10月に子会社㈱ナガレイが3年ぶりに展示会を開催するなど、外食・観光需要の回復に合わせた業務用関連商品の売上拡大を図りました。以上のことから、売上高につきましては1,109億41百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
利益面につきましては、コストの上昇により販管費が増加したものの、売上高の拡大による売上総利益の増加等により、営業利益は12億4百万円(同38.0%増)となりました。
<一般食品事業セグメント>
原材料価格の高騰に伴う相次ぐ商品の値上げと生活防衛意識の高まりにより店頭売上が鈍化する中、顧客への販促提案や協働による商品開発への組織的対応と、自社開発商品の販路拡大を進めております。年末年始における観光需要の回復と帰省客の増加もあり、売上高につきましては221億93百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
利益面につきましては、子会社信田缶詰㈱について当社グループ内で連携しながら原料調達の強化と販路拡大を推進しておりますが、缶詰市況の低迷と水揚げ不足による相場高騰の影響により、営業損失は1億70百万円(前年同期は1億33百万円の営業損失)となりました。
<畜産事業セグメント>
相場概況は、国産畜肉は生産コストの上昇等による相場高が継続しており、輸入畜肉は円安の影響で仕入価格が高止まりしております。このような状況下、当社グループでは商品調達力と流通加工機能を活かし、長野県内及び関東・東海・中京エリアへの拡販を進めております。以上のことから、売上高につきましては316億98百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
利益面につきましては、国産牛・国産鶏の相場上昇への対応不足等により、営業利益は3億62百万円(同1.2%減)となりました。
<丸水長野県水グループセグメント>
各事業分野において当社グループ内で連携を図ることで長野県内の主要顧客との取組みを強化し、販売拡大を進めております。年末年始における長野県内への帰省客や旅行客の回復もあり、売上高につきましては247億43百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
利益面につきましては、畜産事業における相場差損の影響と、年金資産運用における退職給付費用の一時的な増加もあり、営業利益は5億10百万円(同3.0%減)となりました。
<その他(物流・冷蔵倉庫事業、OA機器・通信機器販売及び保険代理店事業)>
子会社マルイチ・ロジスティクス・サービス㈱は、当社グループの物流業務・冷蔵倉庫事業の品質向上とローコスト体制の構築を、グループ内の各事業と連携しながら推進しております。
業績につきましては、電気料金の高騰等によるコストの上昇が収益を圧迫し、売上高は7億32百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は98百万円(同28.9%減)となりました。
②財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は756億16百万円となり、前連結会計年度末と比較して219億36百万円の増加となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が170億55百万円、商品及び製品が30億40百万円増加したことによります。
負債は507億71百万円となり、前連結会計年度末と比較して205億66百万円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が199億85百万円増加したことによります。
純資産合計は248億45百万円となり、前連結会計年度末と比較して13億69百万円の増加となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の42.6%から32.0%に減少しました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因はありません。