【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度の当グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年12月31日)現在において当グループが判断したものであります。また、当グループは、食品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に記載された区分ごとの状況については、記載を省略しております。
(1) 財政状態の分析当グループは、継続して経常損失を計上していることから、利益剰余金が減少傾向にありますが、当面の資金の手当はできております。また工場の土地・設備などの資産は自社の所有であり、資産は潤沢である中で、自社の強みを生かしたジャンルでの売上確保・利益確保により財政状態を良化できると考えております。
① 資産の部当連結会計年度末の資産合計は17,076百万円となり前連結会計年度末より932百万円減少しました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金の増加などにより、残高6,446百万円と前連結会計年度末より755百万円増加しました。有形固定資産は、減価償却及び事業構造改善に伴う減損などにより、残高7,334百万円と前連結会計年度末より495百万円減少しました。投資その他の資産は、投資有価証券の売却などにより残高3,242百万円となり前連結会計年度末より1,178百万円減少しました。
② 負債の部当連結会計年度末の負債合計は11,234百万円となり前連結会計年度末より711百万円増加しました。流動負債は、前連結会計年度末と比べ事業構造改善引当金の増加などにより、残高7,646百万円と前連結会計年度末より702百万円増加しました。固定負債は、前連結会計年度末と比べ繰延税金負債の減少及び長期預り金の増加などにより、残高3,588百万円となり前連結会計年度末より8百万円増加しました。
③ 純資産の部当連結会計年度末の純資産合計は5,841百万円となり前連結会計年度末より1,644百万円減少しました。前連結会計年度末に比べ、利益剰余金の減少などによります。
(2) 経営成績の状況
① 事業全体の状況当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)において、売上高では、根強い人気のテレビアニメキャラクターの商品は、様々なキャンペーンの実施やアニメ番組と連動する商品の開発などにより好調に推移し、前年を上回りました。また、基本方針に掲げる「新しい価値、新しい第一パンを創る」の象徴でもある新領域の商品群(ロングライフ商品のパン、OEM商品の冷凍ケーキ、冷凍ピザ生地など)については、当期を含める3期を通じて設備と生産ラインの拡充を図り、通年生産を可能とする取引先及び品数を獲得してきた結果、順調に売上を伸長することができており、来期以降は更に本格的な生産体制を構築してまいります。一方で、既存の自社ブランド(NB)商品については、SNSを活用したキャンペーンを実施するなどマーケティング手法を再構築して販売戦略を見直したほか、リニューアルによる商品の品質向上、パッケージの刷新などで顧客層の拡大に注力してまいりましたが、依然として同業他社との競合が厳しく、低調に推移しました。また、プライベートブランド(PB)商品及び業務用食材パンにおいては、既存取引先の取扱量が増加するなどで徐々にコロナ禍前の水準に戻りつつある一方で、コンビニエンスストア向け商品では、NB商品と同様に同業他社との競合が厳しく、新規採用が減少したことなどにより売上伸長には至りませんでした。以上の厳しい環境の中、原材料価格の上昇を受け、当連結会計年度の1月及び7月に食パン、菓子パンの価格改定を実施する等の努力により、当連結会計年度のパン部門の売上高は18,091百万円(前期17,475百万円)、和洋菓子部門の売上高は4,144百万円(前期3,901百万円)、その他の売上高は2,154百万円(前期2,486百万円)となりました。よって、当連結会計年度の売上高は24,390百万円(前期23,864百万円)となりました。また、当連結会計年度の営業損益は、DPS(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)活動の継続による生産効率の向上、原材料費の効率的運用による抑制、販売管理費では物流コストの低減に努めましたが、原材料価格及び電気・ガス料単価の高騰などにより、669百万円の損失(前連結会計年度は633百万円の営業損失)、経常損益は、賃貸収入など営業外収益211百万円、賃貸費用及び支払利息など営業外費用96百万円を計上した結果554百万円の損失(前連結会計年度は523百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損益は投資有価証券売却益による特別利益703百万円、事業構造改善費用1,158百万円及び減損損失51百万円など特別損失1,255百万円を計上した結果、1,145百万円の損失(前連結会計年度は739百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② 目標とする経営指標の達成状況等当連結会計年度の売上高は24,390百万円(前連結会計年度23,864百万円)となりました。営業損益は、原材料費の効率的運用による抑制、販売管理費では物流コストの低減に努めましたが、抑制施策を上回る原材料費の高騰や売上の減少影響により、669百万円の損失(前連結会計年度633百万円の損失)を計上いたしました。しかしながら、2022年度は基本方針「新しい価値、新しい第一パンを創る」を掲げ、基本方針の象徴でもある新領域の商品群(ロングライフ 商品のパン、OEM商品の冷凍ケーキ、冷凍ピザ生地など)については、当期を含める3期を通じて設備と生産ラインの拡充を図り、通年生産を可能とする取引先及び品数を獲得してきた結果、順調に売上を伸長することができており、更に本格的な生産体制を構築してまいります。コロナ禍において、パン市場の大きな拡大は期待できない中、当グループが目指すべき方向性は正しいと判断しており、引き続き原材料価格及び電気・ガス料単価の高騰は続く見込みではありますが、2023年連結会計年度においては売上高26,520百万円、値引のコントロール、物流費削減、生産性向上、より付加価値のある製品の創造により、営業利益140百万円を目指してまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ718百万円増加し、2,034百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動の資金収支は、減価償却費575百万円、事業構造改善引当金618百万円などの増加、投資有価証券売却益700百万円などにより473百万円の資金を得ることができました。なお、前連結会計年度に比べ483百万円の収入の増加となりました。
②
投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動の資金収支は、有形固定資産の取得による支出323百万円、投資有価証券の売却による収入1,144百万円などにより788百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度に比べ1,434百万円の収入の増加となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動の資金収支は、短期借入金500百万円の返済、長期借入金208百万円の返済、社債の償還88百万円などの支出、預り保証金の受入れによる収入231百万円などにより543百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度に比べ632百万円の支出の増加となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 主要な資金需要当グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業経費によるものであります。営業経費の主なものは、委託運送費、広告宣伝費などであります。また、当グループは、生産設備の合理化・更新など継続的に設備投資を実施しております。
b. 重要な資本的支出の予定重要な資本的支出の予定はありませんが、生産設備の更新等622百万円の設備投資を計画しております。これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて充当する予定であります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績を単一セグメント内の部門別に示すと、次のとおりであります。
部門名
金額(百万円)
前年同期比(%)
食品事業
パン部門
17,733
―
和洋菓子部門
4,062
―
その他
1,866
―
合計
23,662
―
(注) 1 金額は、販売価格によっております。 2 当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、収益認識に関する会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従い、当連結会計年度期首から新たな会計方針を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、生産実績の増減率の記載は省略しております。
b. 受注実績当連結会計年度において受注実績は、金額に重要性がないため記載を省略しております。
c. 販売実績当連結会計年度における販売実績を単一セグメント内の部門別に示すと、次のとおりであります。
部門名
金額(百万円)
前年同期比(%)
食品事業
パン部門
18,091
―
和洋菓子部門
4,144
―
その他
2,154
―
合計
24,390
―
(注) 当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、収益認識に関する会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従い、当連結会計年度期首から新たな会計方針を適用しております。これにより、当連結会計年度と比較対象となる前連結会計年度の収益認識基準が異なるため、販売実績の増減率の記載は省略しております。
(5) 重要な会計方針及び見積り当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。なお、会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。