【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当グループが判断したものであります。なお、第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。このため、前第3四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、当第3四半期連結累計期間における経営成績に関する説明については、前第3四半期連結累計期間と比較しての増減額及び前年同期比(%)を一部記載せずに説明しております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照下さい。また、当グループは、食品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末における総資産は、受取手形及び売掛金及び投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べ1,843百万円減少し、16,166百万円となりました。負債につきましては、短期借入金等の減少などにより、前連結会計年度末に比べ437百万円減少し、10,086百万円となりました。また、純資産は、事業構造改善費用を特別損失に計上したことによる利益剰余金の減少、及び株式を売却し、その他有価証券評価差額金の減少によるその他の包括利益累計額の減少などにより、前連結会計年度末に比べ1,406百万円減少し、6,079百万円となりました。
②経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大もありましたが、各種行動制限の緩和による社会経済活動の正常化に向けた動きが進みました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、急速な円安進行等、先行き不透明な状況が続いております。製パン業界におきましては、物価上昇による消費者の節約志向が強まる市場環境の中で、主原料である小麦粉、油脂、糖類及びフィリング等の副原料、包材などの価格や電気、ガス等のエネルギーコストの上昇により、引き続き厳しい経営環境が続くものと思われます。当グループでは、基本方針として「新しい価値、新しい第一パンを創る」を掲げ、長期的な視点を持ちながら売上と利益の確保を図るための施策に取り組みました。売上高では、テレビアニメキャラクターの商品は、根強い人気とSNSを活用した情報発信や版権元と協力して実施したキャンペーンの効果により、売上の伸長が続いております。また、発売40周年を迎えた「アップルリング」について、2つのキャンペーンを実施し、SNSを活用したキャンペーンでは、フォロワー数の飛躍的な伸長が見られ、新しい購買層への認知を拡大させることができました。新領域の商品(冷凍パン、OEM商品の冷凍ケーキ、冷凍ピザ生地など)については、蓄積してきたノウハウを活かした付加価値のある商品の開発と設備投資による生産性の向上に取り組んだ結果、安定した売上を確保することができました。プライベートブランド(PB)商品では、外食産業の回復傾向に合わせて業務用食材パンは好調に推移しましたが、コンビニエンスストア及びスーパーマーケット向け商品の売上回復には至っておりません。また、売上の減少が著しい自社ブランド(NB)商品については、商品の特徴が伝わりやすいパッケージへの刷新やお客様の声を反映させた商品づくりで顧客層の拡大を図りましたが、依然として同業他社との競争が激しく低調に推移しました。このような状況の中、原材料価格の上昇を受け、本年1月及び7月に食パン、菓子パンの価格改定を実施した結果、当第3四半期連結累計期間のパン部門の売上高は13,214百万円(前年同四半期12,922百万円)、和洋菓子部門の売上高は2,782百万円(前年同四半期2,751百万円)、その他の売上高は1,585百万円(前年同四半期1,855百万円)となりました。このうち当第3四半期連結累計期間の売上高は、収益認識基準等の適用により、パン部門の売上高385百万円、和洋菓子部門の売上高82百万円、その他の売上高18百万円の減少の影響を受けております。
よって、当第3四半期連結累計期間の売上高は17,581百万円(前年同四半期17,529百万円)となりました。また、当第3四半期連結累計期間の営業損益は、DPS(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)活動の継続による生産効率の向上、原材料費の効率的運用による抑制、販売管理費では物流コストの低減に努めましたが、原材料価格及び電気・ガス料単価の高騰などにより、497百万円の損失(前年同四半期は519百万円の営業損失)を計上いたしました。経常損益につきましては、賃貸収入など営業外収益が154百万円、支払利息など営業外費用70百万円を計上した結果、414百万円の損失(前年同四半期は449百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損益は投資有価証券売却益による特別利益703百万円、事業構造改善費用などによる特別損失1,152百万円を計上した結果、891百万円の損失(前年同四半期は483百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①主要な資金需要当グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入及び、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業経費によるものであります。営業経費の主なものは、委託運送費、広告宣伝費などであります。また、当グループは、生産設備の合理化・更新など継続的に設備投資を実施しております。
②重要な資本的支出の予定重要な資本的支出の予定はありませんが、空調設備及び生産設備などの更新413百万円の設備投資を計画しております。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて充当する予定であります。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、114百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。