【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年7月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことにより、社会経済活動の正常化が進み、今後の景気回復が期待されますが、世界的な金融引締めによる海外景気の下振れや原材料価格等の高騰による物価上昇、金融資本市場の変動に注意する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、訪日外国人観光客への水際対策が緩和されたことにより、インバウンド需要が徐々に回復しておりますが、その一方で、原材料価格やエネルギー価格の高騰が続き、生活用品や飲食料品等の様々な商品が値上げされ、消費者の節約志向や選別消費の傾向が一層強まっております。
当社グループは、引き続き競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮して、積極的な営業戦略に基づく「攻めの経営」を推進しました。
中期経営計画における成長ドライバーの1つであるPB/OEM商品は、当第3四半期連結累計期間においても順調に進捗いたしました。当第3四半期連結会計期間における商品カテゴリー別売上では、食品が貢献し、その中でも粗利率の高い菓子や珍味商材が伸長しております。また、寝具やキッチン用品などコロナ特需以降は不振のカテゴリーにおいても、メーカーとのコラボ商品を中心に売上が伸長いたしました。
免税売上は旧正月期間の好調や急速な航空便の増加により想定以上に好調に推移しており、当連結会計年度の見通しである免税売上240億円を超えるペースで進捗しており、通期では340億円以上を見込んでおります。
2023年3月には、持分法適用関連会社であるカネ美食品株式会社と業務提携契約を締結いたしました。当社グループは、総菜事業が今後高い成長を見込める事業であり、総菜専門会社であるカネ美食品株式会社との業務提携が、両社の強みやノウハウを最大限生かした協業を行うことにより、両社の企業価値の向上が見込めると考えております。
当第3四半期連結累計期間の国内事業の出退店状況につきましては、関東地方に1店舗(東京都-ドン・キホーテ西友吉祥寺店)、北海道に1店舗(北海道-同すすきの店)、東北地方に1店舗(山形県-同米沢店)、中部地方に1店舗(新潟県-ドン・キホーテアピタ新潟亀田店)、近畿地方に2店舗(大阪府-ドン・キホーテ京橋店、京都府-同京都烏丸七条店)、九州地方に2店舗(熊本県-同荒尾店、大分県-同別府店)を開店しております。法人別内訳は、株式会社ドン・キホーテ7店舗、UDリテール株式会社1店舗となりました。
海外事業の出店状況につきましては、シンガポール共和国に3店舗(DON DON DONKI Northpoint City店、同Jurong Point店、同Jewel Changi Airport店)、タイ王国に4店舗(同Seacon Bangkae店、同J-PARK Sriracha店、鮮選寿司 J-PARK Sriracha店、同Thonglor店)、香港に1店舗(DON DON DONKI Whampoa Garden店)、マレーシアに1店舗(JONETZ by DON DON DONKI Sunway Pyramid店)を開店しております。
その一方で、国内3店舗、海外1店舗を閉店しております。
この結果、2023年3月末時点における当社グループの総店舗数は、国内609店舗、海外103店舗の合計712店舗(2022年6月末時点 699店舗)となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、以下の通りとなりました。
売上高
1兆4,572億4百万円
(前年同期比
6.3%増)
営業利益
817億13百万円
(前年同期比
29.5%増)
経常利益
806億95百万円
(前年同期比
19.2%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益
514億89百万円
(前年同期比
12.0%増)
セグメントの業績については、次の通りです。
なお、当社は、新たな中長期経営計画である「Visionary2025/2030」を策定したことに伴い、報告セグメントを従来の「ディスカウントストア」、「総合スーパー」及び「テナント賃貸」の3区分から、「国内事業」、「北米事業」及び「アジア事業」の3区分に変更しており、前年同期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析を行っております。
(国内事業)
国内事業における売上高は1兆2,177億78百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は742億55百万円(同39.6%増)となりました。国内事業においては、新型コロナウイルスによる人流制限が解除されたことや訪日外国人観光客への水際対策の緩和により、インバウント売上高及び駅前店、夜間の売上高が伸長したことにより、既存店売上高成長率は2.6%増となりました。また、CM放送やテレビ番組の企画などで取り上げられ、認知度が向上したプライベートブランド商品の売上拡大により、売上総利益率が上昇したことから、売上高及び営業利益は増加しております。
(北米事業)
北米事業における売上高は1,775億9百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は55億98百万円(同32.9%減)となりました。北米事業においては、物価上昇による買い控えや新型コロナウイルスの規制緩和による外食需要増加という売上高の減少要因がありましたが、円安進行によって売上高は増加となりました。しかし、賃金の上昇による人件費の増加、資源価格の高騰によるコストの増加により、営業利益は減少しております。
(アジア事業)
アジア事業における売上高は619億18百万円(前年同期比26.0%増)、営業利益は18億61百万円(同19.2%増)となりました。アジア事業においては、積極的な出店施策による店舗数拡大に伴い、売上高及び営業利益は増加しております。
当社グループの不変の企業原理である「顧客最優先主義」を基軸とした「業態創造企業」として、当社グループの差別化要因である、Convenience(便利さ)、Discount(価格の安さ)、Amusement(楽しさ)という3つの要素をさらに強化し、お客さまに支持していただける店舗作り実現のため、さまざまな営業施策を実行し、中長期的に持続可能な成長を実現してまいります。
②財政状態の分析
(資産)
資産につきましては、前連結会計年度末(2022年6月30日)と比較し、534億62百万円増加して、1兆4,371億40百万円となりました。これは主として、現金及び預金が312億86百万円、割賦売掛金が23億3百万円、有形固定資産が207億67百万円、投資有価証券が61億73百万円増加した一方で、商品及び製品が134億86百万円、のれんが33億26百万円減少したことによります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末と比較し、82億90百万円増加して、9,927億21百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が86億2百万円、借入金が39億49百万円、預り金が24億28百万円、未払法人税等が20億41百万円、リース債務が33億71百万円増加した一方で、未払費用が25億97百万円、社債が114億21百万円減少したことによります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較し、451億72百万円増加して、4,444億19百万円となりました。これは主として、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加が406億44百万円、その他の包括利益累計額の為替換算調整勘定が51億16百万円増加したことによります。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動により得られた資金は、純利益の計上、減価償却費の計上、仕入債務の増加及び棚卸資産の減少といった増加要因があった一方、引当金の減少、割賦売掛金の増加及び法人税等の支払額といった減少要因により、1,038億64百万円(前年同期比392億62百万円増)となりました。
投資活動により使用した資金は、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出及び関係会社株式の取得といった減少要因により、509億92百万円(前年同期比188億25百万円増)となりました。
また、財務活動により使用した資金は、長期借入金の返済による支出、社債の償還による支出及び配当金の支払いといった減少要因があった一方、長期借入れによる収入といった増加要因により、209億9百万円(前年同期比311億30百万円減)となりました。
これらの結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、2,118億45百万円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
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