【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
なお、2021年4月21日に行われたGRCY Holdings,Inc.との企業結合について前第1四半期連結会計期間において暫定的な会計処理を行っておりましたが、前第2四半期連結会計期間に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、前年同期比較については、遡及適用後の数値で比較分析を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2022年7月1日~2022年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染者数減少に伴い、経済社会活動の正常化が進み、景気が持ち直していくことが期待されますが、世界的な金融引締めによる急激な円安進行や資源価格の高騰により依然として先行きは不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、物価高騰による生活必需品の値上げや水道光熱費等のエネルギーコストの上昇により、消費マインドが悪化しており、引き続き厳しい状況が続いております。
当社グループにおきましては、このような厳しい消費環境においても、競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮して、積極的な営業戦略に基づく「攻めの経営」を推進しました。
2022年7月には、当社グループのオリジナル電子マネー「majica(マジカ)」のアプリ会員数が1,000万人を突破しました。majicaアプリは2015年7月からサービスを開始し、各種のキャンペーン、サービスの拡充など積極的な取り組みにより、登録者数が急増しており、2020年12月の500万人突破から約1年7ヵ月でアプリ会員1,000万人を突破することが出来ました。今後もオリジナルのサービスを強化し、お客さまから支持されるよう努めてまいります。
2022年8月には、新たな中長期経営計画である「Visionary2025/2030」を策定いたしました。当該経営計画は、2025年6月期に売上高2兆円、営業利益1,200億円、2030年6月期に営業利益2,000億円の達成を目標としております。
この目標を達成するため、国内事業においては、⑴事業のバリューチェーンの拡大 ⑵DXを通じた新しいCV(Convenience:便利さ)+D(Discount:価格の安さ)+A(Amusement:楽しさ)の提供 ⑶組織統合や生産性改善の推進 ⑷組織的な業態創造により、収益性の向上に努めてまいります。海外事業においては、アジア及び北米とも出店継続による規模の拡大を目指し、さらに、グローバルバリューチェーンの構築による利益率改善を行ってまいります。
当第1四半期連結累計期間の国内事業の出退店状況につきましては、中部地方に1店舗(新潟県-ドン・キホーテアピタ新潟亀田店)、九州地方に1店舗(熊本県-ドン・キホーテ荒尾店)を開店しております。法人別内訳は、株式会社ドン・キホーテ1店舗、UDリテール株式会社1店舗となりました。その一方で、2店舗を閉店しております。
海外事業の出店状況につきましては、タイ王国に1店舗(DON DON DONKI Seacon Bangkae店)を開店しております。
この結果、2022年9月末時点における当社グループの総店舗数は、国内604店舗、海外96店舗の合計700店舗(2022年6月末時点 699店舗)となりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、以下の通りとなりました。
売上高
4,736億94百万円
(前年同期比
6.3%増)
営業利益
238億70百万円
(前年同期比
48.4%増)
経常利益
286億85百万円
(前年同期比
74.2%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益
184億49百万円
(前年同期比
48.8%増)
セグメントの経営成績については、次の通りです。
なお、当社は、新たな中長期経営計画である「Visionary2025/2030」を策定したことに伴い、報告セグメントを従来の「ディスカウントストア」、「総合スーパー」及び「テナント賃貸」の3区分から、「国内事業」、「北米事業」及び「アジア事業」の3区分に変更しており、前年同期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析を行っております。
(国内事業)
国内事業における売上高は3,982億94百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は215億63百万円(同55.3%増)となりました。国内事業においては、人流制限が解除されたことにより、駅前店及び夜間の売上高が伸長したこと等により、既存店売上高成長率は1.7%増となりました。また、プライベートブランド商品の売上拡大やアウトドア・レジャー用品等の伸長により、売上総利益率が上昇したことから、売上高及び営業利益は増加しております。
(北米事業)
北米事業における売上高は556億65百万円(前年同期比20.1%増)、営業利益は17億41百万円(同15.5%減)となりました。北米事業においては、物価上昇による買い控えや新型コロナウイルスの規制緩和による外食需要増加という売上高の減少要因がありましたが、ハワイにおける観光客の増加や円安進行という増加要因によって、売上高は増加となりました。しかし、賃金の上昇による人件費の増加、資源価格の高騰による水道光熱費等のコストが増加したことにより、営業利益は減少しております。
(アジア事業)
アジア事業における売上高は197億35百万円(前年同期比36.5%増)、営業利益は5億65百万円(同297.9%増)となりました。アジア事業においては、積極的な出店施策による店舗数拡大に伴い、売上高及び営業利益は増加しております。
当社グループの不変の企業原理である「顧客最優先主義」を基軸とした「業態創造企業」として、当社グループの差別化要因である、Convenience(便利さ)、Discount(価格の安さ)、Amusement(楽しさ)という3つの要素をさらに強化し、お客さまに支持していただける店舗作り実現のため、さまざまな営業施策を実行し、中長期的に持続可能な成長を実現してまいります。
②財政状態の状況
(資産)
資産につきましては、前連結会計年度末(2022年6月30日)と比較し、42億41百万円増加して、1兆3,879億19百万円となりました。これは主として、有形固定資産が158億41百万円、のれんが30億80百万円、投資有価証券が45億93百万円増加した一方で、現金及び預金が199億97百万円、商品及び製品が59億63百万円減少したことによります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末と比較し、96億63百万円減少して、9,747億68百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が49億56百万円、預り金が55億7百万円、リース債務が41億42百万円増加した一方で、未払金が73億7百万円、未払費用が29億92百万円、未払法人税等が58億11百万円、借入金が93億33百万円減少したことによります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較し、139億4百万円増加して、4,131億51百万円となりました。これは主として、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加が99億89百万円、その他の包括利益累計額の為替換算調整勘定が58億4百万円増加したことによります。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動により得られた資金は、純利益の計上、減価償却費の計上、棚卸資産の減少及び仕入債務の増加といった増加要因があった一方、為替差益の計上及び法人税等の支払額といった減少要因により、196億77百万円(前年同四半期は37億44百万円の使用)となりました。
投資活動により使用した資金は、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出及び関係会社株式の取得による支出といった減少要因により、252億76百万円(前年同期比139億75百万円増)となりました。
また、財務活動により使用した資金は、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払いといった減少要因により、222億68百万円(前年同期比156億78百万円減)となりました。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、1,602億46百万円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
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