【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による当事業年度における経営成績等への大きな影響はありませんでした。
①財政状態の状況
(イ)資産の部
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて370百万円減少し、4,583百万円となりました。これは、有価証券が300百万円、現金及び預金が76百万円減少したこと等によるものです。なお、当事業年度末において保有している有価証券は、第16回新株予約権等により調達した資金の一部において、研究開発への充当時期まで、一定以上の格付けが付された金融商品で元本が毀損するリスクを抑えて運用することを目的としたものです。
(ロ)負債の部
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて61百万円減少し、199百万円となりました。これは、未払金が55百万円減少したこと等によるものです。
(ハ)純資産の部
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて309百万円減少し、4,384百万円となりました。これは、第16回新株予約権の行使に伴い、資本金及び資本準備金につきそれぞれ672百万円の増加要因があった一方で、当期純損失1,653百万円を計上したことにより、利益剰余金につき同額の減少要因があったことによるものです。
なお、2022年6月28日開催の第19回定時株主総会の決議に基づき、2022年8月2日付で資本金188百万円、資本準備金1,496百万円をそれぞれその他資本剰余金へ振り替え、当該その他資本剰余金1,684百万円を繰越利益剰余金に振り替え欠損補填を行いましたが、これによる純資産合計に変動はありません。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末から1.0ポイント増加し、95.7%となっております。
②経営成績
当事業年度において国循からの薬剤開発委託による収入62百万円等を計上したこと等により事業収益を65百万円(前事業年度比18.5%減)、事業費用として研究開発費1,491百万円、販売費及び一般管理費360百万円計上し、営業損失は1,786百万円(前事業年度営業損失1,748百万円)となりました。
また、営業外収益として、AMEDの支援事業による助成金収入100百万円、JST委託事業による助成金収入23百万円、保有する外貨の評価替えによる為替差益20百万円等を計上した一方で、営業外費用として、第16回新株予約権の行使に伴う株式交付費10百万円を計上したこと等により、経常損失は1,649百万円(前事業年度経常損失1,635百万円)となりました。
また、新株予約権戻入益0百万円を計上した一方で、固定資産の減損損失3百万円を計上したことにより、税引前当期純損失は1,651百万円(前事業年度税引前当期純損失1,683百万円)となり、法人税、住民税及び事業税1百万円の計上により、当期純損失は1,653百万円(前事業年度当期純損失1,684百万円)となりました。
なお、当社は創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比較し76百万円減少し、2,825百万円となりました。
なお、上記資金以外に有価証券(満期保有目的の債券)を1,500百万円保有しており、これを合わせて当事業年度末において4,325百万円を保有しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,708百万円(前事業年度は1,499百万円の支出)となりました。主な資金減少要因は、RBM-007の開発を中心とした研究開発への投資を行ったこと等に伴う税引前当期純損失1,651百万円、未払金の減少額35百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は276百万円(前事業年度は689百万円の収入)となりました。資金増加要因は、有価証券の満期到来による払い戻し300百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,333百万円(前事業年度は354百万円の収入)となりました。資金増加要因は、第16回新株予約権が行使されたことに伴う株式の発行による収入1,332百万円によるものです。
④生産・受注及び販売の実績
当社の事業は、創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであります。
(イ)生産実績
該当事項はありません。
(ロ)受注実績
該当事項はありません。
(ハ)販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
事業の名称
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
創薬事業
65,969
△18.5
合計
65,969
△18.5
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高
(千円)
割合
(%)
販売高
(千円)
割合
(%)
国立研究開発法人国立循環器病
研究センター
70,909
87.6
62,636
94.9
あすか製薬株式会社
10,000
12.4
-
-
2.当事業年度におけるあすか製薬株式会社に対する販売実績は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の決定とその継続的な適用、並びに資産及び負債、収益及び費用の会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しましては、過去の実績や適切と判断する仮定に基づき合理的に算出しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと相違する可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは固定資産の減損損失であり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (損益計算書関係)※5固定資産の減損損失」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度における最重点経営目標は、「自社での臨床Proof of Conceptの獲得に向けた開発」であり、その実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
その具体的な進捗は、「第1企業の概況 3 事業の内容 (1)当事業年度の主要なトピックス」に記載の通りであります。
(3)資本の財源及び資金の流動性
(イ)運転資金
当社は、医薬品の研究開発を事業としており、製薬企業との共同研究や開発品の製薬企業へのライセンス・アウトにより収益を得ることを事業の中核としております。
当社の事業を遂行するための、運転資金需要のうち主なものは、当社が創製するアプタマー医薬の研究開発を推進するための研究開発費であります。なお、過年度における研究開発費の推移については下記に示すとおりであり、自社での臨床試験を実施するために、2017年3月期よりRBM-007による臨床試験のための原薬製造を開始して以降、臨床開発を行うための資金需要が高まっております。
当社では、臨床試験プログラム目標「VISION 2025」に掲げるパイプラインの臨床開発、新規技術開発、核酸医薬を特定の標的部位へと効率的に送り込むドラッグデリバリーシステムの開発等を遂行するための資金需要が生じております。
研究開発費の推移
回次
第16期
第17期
第18期
第19期
第20期
決算年月
2019年3月
2020年3月
2021年3月
2022年3月
2023年3月
研究開発費
(千円)
612,979
673,605
957,605
1,482,132
1,491,239
(ロ)財務政策
当社は中期事業目標として、①探索から臨床ステージへの脱皮、②次世代アプタマー・テクノロジーの開発、③社会に対する企業価値の創出を掲げております。そのため、①RBM-007のwet AMD及びACHを対象とした臨床開発費用(臨床開発のための薬剤合成費用を含む)、②RBM-003の心不全を対象とした非臨床試験費用、③RBM-010の変形性関節症を対象とした非臨床試験費用、④新規技術開発費用(製剤化技術開発・導入他)、⑤RBM-011(肺動脈性肺高血圧症に対するアプタマー医薬)の研究開発費用、⑥ドラッグデリバリーシステム用アプタマーを中心とした探索研究費用等に充当する計画で過年度及び当事業年度において新株予約権を発行し資金調達を実施しており、当事業年度末の現金及び預金は2,825,182千円、有価証券1,500,000千円となっております。
(ハ)株主還元
当社の株主還元に関する方針は、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
