【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績に関する説明当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は緩やかに持ち直しつつある一方で、世界規模での供給面での制約が顕在化し、欧米を中心とした物価上昇と金融引締めが続くなか、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや、為替相場をはじめとした金融資本市場の変動等による影響に十分注意していく必要があります。このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)は、引き続き、海外における新規投資機会の獲得活動を継続する一方、新規事業戦略の検討や既存事業における経営の効率化等に取り組んでまいりました。その結果、当第3四半期連結累計期間は売上高5,525百万円(前年同四半期比3.1%減)、営業利益88百万円(前年同四半期は営業損失34百万円)、経常利益167百万円(前年同四半期比5.8%増)、税金等調整前四半期純利益169百万円(前年同四半期比1.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益76百万円(前年同四半期比43.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 不動産事業不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、並びにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を営んでおります。レジデンス事業は前年同四半期比で、管理戸数やサブリース賃貸借契約の賃料水準に大きな変化はありませんでしたが、サブリース契約の中途解約とそれに伴う新規テナントとの契約締結が増加し、関連する手数料収入が増加する一方、サブリース賃料収入の粗利益が減少傾向にあるため、増収は確保したものの、売上総利益の増加は微増に留まりました。また、不動産売買事業は、投資用マンションの売買取引が引き続き減少したことから、売上、売上総利益とも大きく減少しました。その結果、当第3四半期連結累計期間の不動産事業の売上高は4,400百万円(前年同四半期比5.3%減)となり、営業利益は引き続き販管費の抑制に努めたものの97百万円(前年同四半期比18.6%減)となりました。
② ホテル事業ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。成田ゲートウェイホテルは、新型コロナウイルス感染症の無症状者・軽症者向け療養施設として、2020年4月18日から千葉県に貸し出しており、業績としては堅調に推移しております。他方、倉敷ロイヤルアートホテルにおいては、当第3四半期連結累計期間の新型コロナウイルス変異株の感染状況に対する一般社会の受けとめ方が変化したこと、また、10月から政府による全国規模での旅行支援策が実施されたことを受け、客室単価は大きく改善した一方で、10月~12月のホテル宿泊者数とホテル稼働率は前年同期比で減少しました。このような両ホテルの業績を合算した結果、セグメント全体では大幅な増収増益となり、当第3四半期連結累計期間のホテル事業の売上高は835百万円(前年同四半期比15.4%増)、営業利益は143百万円(前年同四半期比138.4%増)となりました。
③ 海外事業海外事業につきましては、シンガポールにおいてStriders Global Investment Pte. Ltd.が投資事業を行うほか、インドネシアにおいてPT. Citra Surya Komunikasiが主として日系企業向けに広告代理店業務を行っておりましたが、前第2四半期連結会計期間において、連結子会社PT. Citra Surya Komunikasi株式の一部を譲渡し、連結の範囲から除外しております。その結果、当第3四半期連結累計期間の海外事業の売上高を計上しておりません(前年同四半期は売上高48百万円)。営業損失は1百万円(前年同四半期は営業損失82百万円)となりました。Striders Global Investment Pte. Ltd.における投資事業におきましては、国内経済の混乱が懸念されるスリランカ共和国に所在する企業2社への投資を実施しておりますが、両社とも従来から、スリランカ国外における事業拡大に注力してきたことに加え、事業活動のベース通貨に占めるスリランカルピーのウェイトは低く、同国の経済混乱の影響につきましては、現時点において十分にコントロールできているものと考えております。
(2) 財政状態に関する説明
(資産)当第3四半期連結会計期間末における流動資産は2,986百万円となり、前連結会計年度末に比べ59百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が65百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は1,725百万円となり、前連結会計年度末に比べ17百万円減少いたしました。これは主に建物及び構築物(純額)が49百万円減少したこと、投資有価証券が66百万円増加したこと等によるものであります。この結果、総資産は4,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円減少いたしました。
(負債)当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ197百万円増加いたしました。これは主に1年内償還予定の社債が100百万円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が32百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は1,146百万円となり、前連結会計年度末に比べ294百万円減少いたしました。これは主に社債が150百万円減少したこと、長期借入金が123百万円減少したこと等によるものであります。この結果、負債合計は2,241百万円となり、前連結会計年度末に比べ97百万円減少いたしました。
(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は2,470百万円となり、前連結会計年度末に比べ20百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益76百万円を計上した一方で、剰余金の配当42百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は51.8%(前連結会計年度末は50.6%)となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。