【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大に伴い緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が実施され、経済活動は引き続き停滞しました。ワクチン接種が進み新規感染者数が減少に転じたものの、感染力の強いオミクロン株が世界的に流行するなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社グループの属するネイル業界におきましても、コロナ禍による外出自粛等の影響により、非常に厳しい経営環境で推移しました。このような環境の中、当社グループは、一部の店舗で臨時休業や時短営業を余儀なくされましたが、ジェルネイルの新たなメニューやデザインの導入やフットネイルのキャンペーンを実施するなど、新規顧客の獲得とリピーターへの移行促進及び客単価向上の取り組みが奏功し、全店舗で約2ヶ月間の臨時休業を実施した前連結会計年度に比べて大幅な増収となり利益は黒字に転じました。直営の店舗展開では、コスト削減及び生産性向上を図るため4店舗の統廃合を実施する一方、9月にファストネイルシャポー本八幡店(千葉県市川市)、3月にファストネイル京都ザ・キューブ店(京都市下京区)の2店舗を新規出店しました。ファストネイル・ロコモデルのフランチャイズ展開では、福岡県・静岡県・大阪府に合計4店舗を新規出店しました。商品展開では、D2Cブランド「CONST」第1弾商品のネイルセラムが好評を博すとともに、新商品としてハンドセラム、ネイルオイルをそれぞれ発売しました。損益では、固定費の削減に取り組み、雇用調整助成金等を活用しましたが、当社がこれまでに受給した雇用調整助成金について、社内で申請内容を精査したところ計算誤りが判明し、外部専門家に依頼した再計算に基づく自主返還見積額の81百万円を引当金として計上しました。以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益は2,143百万円(前連結会計年度比32.6%増)、営業利益は89百万円(前連結会計年度は営業損失313百万円)、税引前利益は82百万円(前連結会計年度は税引前損失318百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は51百万円(前連結会計年度は親会社の所有者に帰属する当期損失217百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(a)ネイル事業(店舗数)
ブランド名
地域
2021年3月31日
新規出店
統合・閉店
2022年3月31日
ファストネイル
関東
39(1)
1
-
40(1)
東海
7
-
△2
5
関西
4
1
△1
4
中国
2
-
△1
1
九州
1
-
-
1
計
53(1)
2
△4
51(1)
ファストネイル・プラス
関東
3
-
-
3
ファストネイル・ロコ
関東
3
-
-
3
東海
-
1(1)
-
1(1)
関西
1(1)
1(1)
-
2(2)
九州
-
2(2)
-
2(2)
計
4(1)
4(4)
-
8(5)
合計
60(2)
6(4)
△4
62(6)
(注)( )内はフランチャイズ店舗であり内数であります。
<参考> ネイリスト育成サロン数
サロン名
2021年3月31日
増減
2022年3月31日
NAIL FLAPS(ネイルフラップス)
1
-
1
(新規出店、統合・閉店)
年
月
内容
2021
4
ファストネイル 広島本通店(広島市中区)をファストネイル 広島パルコ店(広島市中区)に統合し、閉店
ファストネイル 江坂店(大阪府吹田市)をファストネイル 大阪梅田店(大阪市北区)に統合し、閉店
5
ファストネイル 名古屋伏見駅店(名古屋市中区)をファストネイル アスナル金山店(名古屋市中区)に統合し、閉店
ファストネイル ロコ 春日店(福岡県春日市)を新規出店
6
ファストネイル ロコ 大名店(福岡市中央区)を新規出店
ファストネイル ロコ ららぽーと沼津店(静岡県沼津市)を新規出店
9
ファストネイル シャポー本八幡店(千葉県市川市)を新規出店
2022
1
ファストネイル 栄店(名古屋市中区)をファストネイル 名駅店(名古屋市中村区)に統合し、閉店
2
ファストネイル ロコ ららぽーと和泉店(大阪府和泉市)を新規出店
3
ファストネイル 京都ザ・キューブ店(京都市下京区)を新規出店
(業績)(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
売上収益
1,608
2,132
523
セグメント利益(△は損失)
△309
92
401
(b)メディア事業(業績)(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
売上収益
9
13
4
セグメント利益(△は損失)
△5
△4
1
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28百万円増加し、393百万円となりました。 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は366百万円(前連結会計年度は80百万円の支出)となりました。これは主に、減価償却費及び償却費を227百万円、助成金返還損失引当金を81百万円それぞれ計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は93百万円(前連結会計年度比45百万円の支出増)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出を68百万円計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は245百万円(前連結会計年度は213百万円の収入)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出を203百万円計上したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(千円)
前期比(%)
ネイル事業
132,563
155.9
メディア事業
-
-
合計
132,563
155.9
(注) 金額は、仕入価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
売上収益(千円)
前期比(%)
ネイル事業
2,131,614
132.6
メディア事業
13,305
144.1
調整
△1,993
-
合計
2,142,926
132.6
(注) 1.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。2.調整はセグメント間の相殺消去であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大に伴い緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が実施され、当社グループは、一部の店舗で臨時休業や時短営業を余儀なくされました。ワクチン接種が進んでいるものの、感染力の強いオミクロン株が世界的に流行するなど依然として収束時期が見通せない状態が続いております。このような状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症による当社グループの業績への影響は2022年4月以降も2023年3月期中は一定期間継続するものと仮定し、会計上の見積りを行っておりますが、現時点で全ての影響について予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は以下のとおりであります。 (単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減額
資産合計
2,406
2,423
17
負債合計
1,617
1,575
△42
資本合計
789
848
59
(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べ14百万円減少し、591百万円となりました。これは主に、未収法人所得税等が33百万円減少した一方で、現金及び現金同等物が28百万円増加したことなどによるものであります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べ31百万円増加し、1,832百万円となりました。これは主に、無形資産が68百万円増加した一方で、繰延税金資産が31百万円減少したことなどによるものであります。その結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ17百万円増加し、2,423百万円となりました。
(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べ4百万円増加し、1,170百万円となりました。これは主に、引当金が79百万円増加した一方で、その他の流動負債が66百万円減少したことなどによるものであります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べ46百万円減少し、405百万円となりました。これは主に、借入金が50百万円減少したことなどによるものであります。その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ42百万円減少し、1,575百万円となりました。
(資本) 資本合計は、当期利益の計上などにより前連結会計年度末に比べ59百万円増加し、848百万円となりました。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの売上は、経済情勢、消費者の嗜好の変化、他社との競合、天候不順、出店計画等による影響を受 け、また当社グループの費用は、原材料価格、光熱費、不動産賃料、人件費等による影響を受けます。したがって、これらの変動要因が発生し、当社グループによる対応策が有効に機能しなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
c. 経営戦略の現状と見通しファストネイルは、コロナ禍以前は安定的な収益を確保しており、現状はコロナ禍の影響を受けておりますが、女性の「キレイでいたい」「おしゃれをしたい」といった普遍的な欲求に応えるビジネスであることから、日常生活の回復とともに需要も徐々に従前の水準に戻るものと考えております。 よって当社グループは、既存店の集客と収益力強化のために人材教育や魅力的なプロダクトの開発・提供に力を入れ、さらに優良物件への積極的な出店と、新たなフランチャイズパートナーの開拓を進めることにより、今後も事業規模の拡大を図ってまいります。
d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析① 資金需要主として運転資金、設備投資、長期借入金の返済、法人税等の支払に資金を充当しております。運転資金のうち主なものは、人件費、地代家賃、材料費等であります。設備投資は主に、ネイルサロン「ファストネイル」の新規出店にかかる有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入等であります。② 資本の財源営業活動によるキャッシュ・フローにより得た資金を基本としておりますが、運転資金につきましては、状況に応じて取引銀行から短期借入れを行っております。③ 資金の流動性・当座貸越契約当社は、取引銀行6行との間で貸越極度額合計500百万円の当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末において、当該契約に基づく借入を380百万円実行しております。・コミットメントライン契約当社は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、2020年5月に取引銀行2行との間で借入極度額合計500百万円のコミットメントライン契約を締結しました。当連結会計年度末において、当該契約に基づく借入を200百万円実行しております。・劣後特約付金銭消費貸借契約当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により毀損した財務基盤の中長期的な安定を図り、将来の業績拡大を見据えた事業展開を推進するため、2021年3月31日付で株式会社商工組合中央金庫と劣後特約付金銭消費貸借契約を締結し、200百万円の借入を実行しております。
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